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ECMを聴く John Abercrombie Quartet/Arcade

数年前にリリースしたタイムレス、ゲイトウェイという二枚のアルバムではジャズロックなアルバムで、ゲイトウェイはデイヴ・ホーランド、ジャック・デジョネットというマイルス・デイヴィスのビッチェズ・ブリューに参加した面子。ここでのジョン・アバークロンビーはジョン・マクラフリンのようなプレイを意識しているようにも感じる。

転じてアーケイドでは冷んやりとした表現に様変わりしていて、同じプレーヤーとは思えないくらい変貌を遂げている。それまでのジャズロックのテイストは薄れ、リバーブに包まれたECMらしいジャズが展開されている。

同じECMでリリースしているギタリスト、テリエ・リピダルがニューエイジ的な雰囲気があるのに対して、こちらはそういったカラーはなく、あくまでもジャズに徹している。特にリチャード・バイラークのピアノとコンポジションがアルバム全体のトーンを担っていて、それがアルバムの雰囲気に大きく影響している。

ジョン・アバークロンビー・カルテットはこの後、「ジョン・アバークロンビー・カルテット」と「M」と三部作をリリースするものの、「M」レコーディング時にアイヒャーの怒りを買い、三部作とバイラークの一部のアルバムが長い間廃盤になる憂き目にあうことになる。

Bass – George Mraz
Design – Barbara Wojirsch
Drums – Peter Donald
Engineer – Jan Erik Kongshaug
Guitar, Mandolin [Electric Mandolin] – John Abercrombie
Photography By – Dieter Rehm
Piano – Richie Beirach*
Producer – Manfred Eicher
Written-By – John Abercrombie (tracks: A1, A3), Richie Beirach* (tracks: A2, B1, B2)
ECM1133
1979年

https://www.discogs.com/ja/John-Abercrombie-Quartet-Arcade/release/1386746

https://itunes.apple.com/jp/album/arcade/349245562

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