見出し画像

好奇心の種が入っていた。

去年の暮れに娘の仲良しが数日遊びにきていて、そのとき彼女が「手土産」を持ってきてくれた。韓国系アメリカ人の彼女が渡してくれたのは上品なパッケージのティーバッグセット。手土産文化に私にも馴染みあるアジアのバックグラウンドを感じて嬉しかったのだが、あれから時々いただいたお茶を飲むたびにはっとする。

美味しいお茶だ、と毎回うっとりしながら彼女のことを思うのだ。

持っていくようにと勧めてくれたのは彼女のお母様かもしれないが、存じ上げないので思い浮かべるのは娘と同い年の彼女のことだ。手土産がこんなに訪ねてくれた人のことを色鮮やかに記憶に記してくれるものだとは。いや、本来手土産ってそういうものかもしれないが。


ティーバッグのプーアール茶、緑茶、菊花茶、スリミングティー(痩身茶)が入っていた。どのお茶も香り高くて飲みやすい。もう飲みきってしまうけれど菊のお茶に特に感激した。菊花茶は日本でもときどき頂いた事はあるのだけれど、ちょっとその癖が苦手だったのだが、こちらのお茶は苦みもほとんど感じず、香りも独特ではあるが嫌ではなく、後味がすっきりしていて「もう少し飲みたい」と思えるのがすごい。
それから・・・有名らしいけど菊花茶の「目にいい」という作用を実感するというスゴさがあった。突然夕方なのにメガネなしで本が読めるようになったのだ。

ハングルを読めないし韓国語を知らないからウェブサイトの全部を理解できないのだけれど、写真やパッケージングにとても真面目な商品作りがされているのかな、と思えた。


考えてみれば、洋の東西を問わず「お茶」は日常のリラックスする時間に使われるとか、もてなしの形として大切にされてきている。お茶はそんな長い歴史の中で磨かれ培われたartな部分もあるが 同時にいまだに日常のなかに組み込まれている身近さがあるものだ。それを包んでくださったのは特別すぎず相手を思い遣るような優しさにも思える。

蘊蓄は語れないしいろんなことも読み物で知るくらいでいい、と思っていたが、いただいたこれらの美味しいお茶でちょっと違う世界が見え始めているのかもしれない。近くて遠い国だった隣国の文化にもなにか懐かしさみたいなものを感じるのは、異国に長くなってきたからだろうか。


このお茶のことを知りたくなったので、ハングルくらい読めるようになりたいな、簡単な言葉くらい覚えていきたいなと思い始めた。いくつになっても好奇心の種はふと気付くとすぐ側で芽吹こうとしているものだ。この種の存在に気付かせてくれた手土産に感謝。いつかこのお茶の会社を訪ねるとか、楽しそうじゃないか。


サポート戴けるのはすっごくうれしいです。自分の「書くこと」を磨く励みにします。また、私からも他の素敵な作品へのサポートとして還元させてまいります。