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アイルランド(6)〜おもてなしで有名なホテルに泊まる

(このイギリス・アイルランド旅行記は以下に全部リンクがあります。よかったら。)


あちこち観光しながらアイルランド北西部までやってきました。

5時間あまりのドライブの後辿りついたのはアイルランド北西部の湖畔にあるホテル。周りに町と呼ばれるものもなく(車で10分くらい行かないとガソリンスタンドもない)まさに「この土地を味わうため」だけにある場所。

駐車場脇には屋根付き通路、アイルランドも雨(雪も?)多いでしょうから。
部屋に案内されるとカウンターの上にお茶のセット、そして手焼きのチョコチップクッキーにチョコレートが。書いたようにコーヒー・紅茶にクッキーが添えられているのはイギリス・アイルランドで当たり前なことなのだけれど、ホテルの人の手焼きってのがうれしい(プロでしょうけど)。
ベッドも寝心地最高。(腰にくるのでマットレスの硬さとか気になる)ランプもふんだんにあり、読書灯もとなりで寝ている人がいても邪魔にならない仕様。(こういう小さいところが居心地の良さに関わると思う)
バルコニーに向けられた、座り心地のよいチェアと
宿泊客のために置かれた本たち。
大きく開いたバルコニーに、外で座って時間をすごしたくなるチェア。もちろんそうしたけどw
デスクには大きな鏡も。でも完全にベッドと相対してないから私もハッピーです。(個人的好みですが、ベッドに寝て真っ正面に鏡、とかだと眠れない。)必要最低限の案内と本。小物もいちいち素敵すぎます。水色のクラシックなラジオ型しているものは時計でスピーカーでラジオで、接続端子とかはUSB(A)とかBluetoothも使える。
バスルームには大きな浴槽。
アメニティの種類まではあまり気にしないけど、香りはめっちゃ気にする私。(もちろんここのラインナップの香り、大好きだった)
入ってきた門のほうが見渡せる。かなり大きい敷地と分かる。

あまりの居心地の良さに座り込みたくなるけれど、日が暮れる前にホテルの散策路を歩きたい。(オットはドローンを飛ばしたい 笑) 
防寒をしっかりして散歩にいきます。

ホテルのコーナーというコーナーに、目立たないように置かれたセンスの良い品物や光の取り入れ方の配慮が。この控えめさって建物をつくる人だったりホテル全体を管理する人たちのセンスと心配りが一番現れると思う。
レセプション前に現マネージャーがいて、お客さんの名前と顔を一発で覚えていらっしゃる風。散歩に行きたいと伝えると敷地内外のトレイルマップをくれて、「こっちだと大体何分、こっちはこのくらい」と目安の時間も教えてくれる。
猫飼いはひっそり座ってる猫をみつけてしまうもの。
ホテル周囲は手入れのされた森。
冬にはあちらの山が雪をかぶるのだそう。
ごくたまに他の宿泊客の散歩に遭遇するけど、みんな黙って笑顔で目礼だけしてご自分の時間を楽しんでいらっしゃる。
ジョディ・ギスリンさんはここを作った方。スイスから休暇で来て、この土地に惚れ込み、湖そばのコテージを買い取ってHarvey's Pointを開業されたのだそう。今もここの職員の方達に愛されているのがわかります。
向こう側に見えるコテージが、Harvey's Pointの開業当初の建物だとか。
刻一刻と天気も光も変わる。時々立ち止まったり置いてあるベンチに座ってぼぅっと眺めたりするのも幸せ。
右がバーラウンジの建物、左がレストランの建物。ここの料理も定評あって、このホテルを有名にした要素でもあります。食立国の先駆けでもあるらしい。

1時間ほど散歩(オットは無事ドローンを飛ばすこともできた)して戻りました。思ったより身体が冷えた。
今日の夕飯は宿泊パッケージに入ってる夕食。長距離ドライブの後食事をするところを探すよりも・・・と思った、というのもあります。
因みに今回の宿泊(2泊)は「バルコニー付き山側のビュー(湖側ビューというのもありましたが)、朝食付き、夕食一回分付き、ワインテイスティングとクッキングクラス付き(参加自由)」で2人で€560。

前菜とメインを選ぶとまずお腹を温める小さいスープが供されます。野菜が溶け込んだ優しくまぁるい味わいのスープは、本当に一口で飲み干せる。大体60ccってところかな。
ボトルは「残ったらお部屋にお持ちいただけますし、明日に取っておくこともできます」とのことで、んじゃー1本頼みますか、と。運転、もうしないしね。オーストラリアのシラーズ(多地域ではシラーSyrahと呼ばれることが多い)とカベルネ(カベルネ・ソーヴィニヨン)のブレンドワイン。魚を頼んでも肉を頼んでも大丈夫かな、と思いこれに。(まぁちゃんと合わせられる人なら料理毎にワインを変えるんでしょうがそこまでわかんないから)程よくふくよかで、シラーズらしいペッパー味もひろがる。美味しい♪
前菜 ホタテといくら。添えられたフムスを使ったソースがまた絶妙に合う。
前菜 あんこう(!!!)のソテー。これ、ビックリするくらい美味しかったです。
口直しのシャーベットがメインの前に出されます。ほんのりレモンの香りを効かせた梨のシャーベット。甘みもちょうど良くて感激。
私はSurf & Turf (エビのフリットと牛フィレミニヨン)エビの揚げ加減、肉の焼き加減(私はミディアムレアが好き)も最高。
オットはトラウトとサーモン。これまた火加減はもちろんのことソースが素晴らしくて。
付け合わせ野菜もそれぞれが立派な一品として成立してる。ラタトゥイユ風のほうはわざとトマトらしさを残す火入れで、酸味がメインの料理から舌を休憩させたりあるいは別の味わいにさせたり。そしてポテトですよ。私のジャガイモ苦手を知る人は結構いますが、これはジャガイモそのものの美味しさを使われたハーブとか絶妙な塩加減が倍増させてて唸りました。すげー。嫌い嫌いって言ってないで、自宅でも美味しく食べる工夫を私もしないとダメよね。
デザート。もう忘れちゃったんだけどオットのほうのフロマージュ・ブラン。添えられた飴細工が崩してアーモンドと一緒に散らされてるのも最高に美味しかった。
私はレモンムースだったと思うけど、スミマセン、おぼえてない・・・笑
いやあ、このフロマージュの香り付けがまた素晴らしかったんだよな。
アメリカでご飯食べるときは量が多すぎるのと甘さの好みの違いでデザートには辿りつかないことが多い。ここではコースメニューだというのもあるけど、ポーションがアホみたいに大きいということもなく、デザートも上品な甘さと軽い舌触りで幸せに食べきりました。

日本だと良いレストランでは当たり前なことが、アメリカでは結構当たり前じゃなかったりします(それが別の味わいともいうけど)。まぁフレンドリーで気楽に食べられていいよね、という受け取りでいたのだけれど。

久し振りにこちらの食べるスピードをきちんと見ていてくれてリズムも休憩のタイミングも最適にサーブされるご飯という、心地よい交響曲を味わうような時間は 「そうだ、こういう食そのものと その間にお喋りや今日あったことを一緒に振り返る楽しさを混ぜ込んだ時間、こういう食事の楽しみ方があったんだっけ」と思い出させてくれるもの。

Foodie(グルメ)じゃなくても、美味しいものを味わう事や誰かと一緒に笑顔でいただくことも、その間の心地よい時間も大好きです。自分で作れない美味しさをいただく感謝、新しい味の発見、そういうものを経験すると まず食文化というものの奥深さを覗き見ることが出来ます。さらに私には食の記憶は味だけではなく、その土地の空気感や出会う人々との小さなふれあい、ハプニング、苦笑い、楽しさ、1日の疲れを心地よく感じる時間、それらを全部まとめてくれるものとしてある。本当は当たり前なことかもしれないけれど、それに改めて気付いてハッとした夜でもあります。
そういう楽しみ方を知る事、それを出来る時代に生きていることに感謝しかありません。

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