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「母とは?」に答えをくれる1曲

妊娠中ひどく悩んだ私に寄り添ってくれた一曲を紹介します。コロナ禍で母親教室は軒並み中止された中、この一曲に出会えて本当に良かった。



「私なんか母親になれるわけない。」

親にも母親にも向いてないとは思つつ
私は子供を望み授かった。

当時は母を癌で亡くして3ヶ月
以前から望んではいたものの
落ち込む私を助けるように授かった我が子は
まさに天使の子、救世主だった。

この立派でない人間が親になるのも不安だし
ましてこんな我が子にすら助けを求めている状態で
なんだか色々と大丈夫なのだろうか。

もちろん良い母親とは呼べないのだが
なんというか依存心とか生活面とか
1人の人生に大きな影響力を持つ人として
私は本当に色々大丈夫なのだろうか。

何もかもが曖昧なままだった。
「自分は親になる資格がないから産まないけど、世のお母さんを尊敬する」と言い切る人はなんて意志が固く決断力のある強い人なのだろう。
私は曖昧なまま妻になり母になり今がある。
そんなものだろうという思い以上に
本当にそれで大丈夫なのか思ってしまう。


いいのだろうか
大丈夫だろうか


どうしてこんなに不安なのだ。
何を求めて何が足りないのか。

そもそも具体的に
1人の人間を育てられるだけの
立派な大人とはなんだろうか。

自分がそうでないことは
はっきりとわかる

しかしいざ
母親ってどんな存在なのか聞かれると
これという答えが出てこない。


まったく日常生活というやつは仕事以上に
正解がないくせに不正解には厳しい。

ここで悩むべくは「理想」では無く
不正解ではない
合格点で 及第点で いわゆる普通の
よくいる これが現実、な母親だ。



生活スタイルもそうだ。
手を抜けばいくらでも出来そうな日常において
やりすぎともなりかねない
こだわりのライフスタイルと
生活感丸出しのズボラな日々
一体どこまでがラインで
バランスの取れる支点はどこなのだろうか。


私がそんなちょうど良い線引きとルールで
キチンと1人の人間を育てられるのだろうか
(いや、育てられるわけがない。
1人でも無理なのに他の人を巻き込めない。)


そして前述したように
正解はひとつじゃない。


バランスも見栄えの良い
産地にこだわった美味しいご飯
常に笑顔で導いてくれる
優しい素敵なおかあさん

毎日忙しく走り回り
大きな声で怒ることもあるが
友達のように子どもを頼り相談もする
優しく素敵なおかあさん


さて改めて聞こう
良い母親とはなんぞ。

もっと言えば
母親という哲学はなんぞ。

生活スタイルはできる範囲で
心地よく過ごせば良い

だがお母さんとしての
哲学や立ち位置やリーダー論とは何だ。


どんな育児書も優しく
母としてのリーダー論など乗っていない

「おかあさんの幸せが子の幸せです。
 愛情いっぱいに育てればいいのです。」

「泣いたら良い事があると思われないよう
そっとその場を離れるか
毅然とした態度で臨みましょう。」


理想像に囚われすぎないわたしなりのあり方とは
毅然とした私ってどんな私なのかしら。
それらはいったい
どんなふうに探れば良いのだろうか。



そこで出会った「おかあさんのうた」

強い言葉を使って当時の心境を伝えたいのだが
この一曲が私を救ってくれた。

ご存知でしょうか。
細田守監督の「おおかみこどもの雨と雪」
こちらの主題歌である一曲が悩める孤独な新米ママの母胎にストンと落ちた。胎内で我が子が激しく頷いたかと思われる程の振動で腑に落ちた。もはやズドン。その衝撃は4年経った今でも忘れられない。


おかあさんではなく細田守監督が作詞しているし
おおかみこどもを育てる母の目線でもあるのだが
そこにあるのは
ただ そこに 愛のある 1人の母だった。


「愛情あふれる」なんて
大袈裟で陳腐なものじゃない。

海が当たり前のように
目の前で広がり続けるように。

見上げた星が何千年という時を超え
果てなき宇宙を越え輝いているように。


漠然と大きく深く広く遠く永久的な時間の中で
ただ当たり前にそこで広がる彼らと同じ

私の中にもただただ大きく深くあたたかい愛が
あったんだと気付かされた一曲だった。

あった。私にも愛があった。

なんで気付かなかったんだろう
自然で当たり前なことだったのに。

これは私が両親にもらったもので
この先私が彼に与えたいものだ。


単純な話、悩みの根幹は
自分の中に愛があるかどうか
自信がなくて不安だったのだ。



大丈夫だ。
これがあれば大丈夫。

頼れる母も居ない
自分に自信もない

けれど

ここにある当たり前の愛情は
私の日常にも息づいていたものだ。

私も当たり前のように持っていたのだ。


記憶の中の母親が
「あんた、今更気付いたの?」と
ニヤニヤ意地悪く笑う。

気付くと聴きながら
声を殺して泣いていた。



ここまで読んで頂いたあなたに
是非とも音源と歌詞をあわせて聞いて欲しい。



お父さんもお母さんもじじばばも
お母さんを失った、そこの私も聞いて欲しい。


あえてここに引用文を載せないでおく。
全部聞いて終わり方まで楽しんで欲しいから。

強気な題名を付けただけある一曲なのだ。



この曲が私に与えた衝撃は何か

私の悩みの根幹が不安だとして
この曲が私に与えた衝撃の正体とは何か。

それは愛という名の安心感だと思う。


不安や不満はよく燃える。
足りない気がして火に焚べ続ければ
どんどん大きく強くなり
収集をつけるのはなかなかに難しい。

でも

私の中にも愛があると実感したら
ひどく安心し脱力し自信になり
胸が本当にあたたかくなった。

強く燃える火はもういらない。
自信も余裕もないけれど
自分の中のあたたかさに気付いたら
必要以上に火を大きくする必要もなかった。



胎教ソングは子守唄に

毎日うまくいかない育児
今日もブチ切れ号泣晩ごはん食べない
理想とは程遠い育児と
不安しかない検索履歴

でも子守唄にこの歌を歌う
我が子が安心して良く寝るし
母は我が子が寝ててもかまわず歌う

寝息をたてるぼうやのために
かつて子供で今は母となった私のために

私は今日もおかあさんのうたを歌っている。




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