アウトドア派からインドア派へ。

じっとしていられない子どもだった。とにかく動きたい。大好きなゲームも1、2時間が限界。晴れていればとりあえず外に出て、体を動かす。そうしないと、身体の中に溜まったエネルギーをうまくコントールできないような気がしていた。生粋のアウトドア派と言っていい。

大学を卒業するまでは、そんな性質がずっと続いた。考えるよりも行動。本を読むことよりも、動画を観ることよりも、どこかへ行ったり、人と話したり、自分の足を使って体験することを好んだ。初めてのことで、少々勇気がいるようなことでも果敢に挑戦した。疲れもたまるのだけれど、それが嫌なものとは思わなかった。とりあえずやってみる、が信条だった。

新卒で入社した会社は、デスクワークが多く、自分には合わないなと思っていた。週に5日、日に8時間。決められた場所で、パソコンをカタカタと触り、与えらえたタスクを消化していかなければならない。なぜこんな天気のいい日に、こんな狭っ苦しい場所で、じっと働き続けねばならないのか。昼飯を買いにコンビニ向かっている途中、空を見上げて、そんなことをぼーっと考えていることもあった。休日は予定がなくても、愛車であったバイクに乗って、いろいろな場所へ行った。地図なんて見ずに、心の思うままに、とにかく走り続けた。何かを探しているような、何も見つけずにそのままもっと遠くへ行きたいような、そんな感覚があった。

インドア派になった、と確信を持って言えるようになったのは、ライターになってからだ。じっとしていることが苦手だった自分が、家にいることが多くなった。プライートな時間は、読者や動画視聴、映画鑑賞などに費やすようになった。「知らないところに行くと疲れる」とか、「家が一番」とか、昔の自分が聞いたら信じられないような言葉を吐くようになった。

仕事が変わると、自分の好みも変わるということか。あるいは、体力の低下が著しいということか。これほどまでに好みというか、趣味というか、自分の性格みたいなものがガラッと変わったのが、我ながらとても不思議である。

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