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『プロジェクト・ヘイル・メアリー』を読んだ

私は飛行機の中で寝ることがとても苦手です。米国と日本の長時間フライトでは、機内映画を往復で6本見てしまいました。行きのフライトでは、『デューン砂の惑星』『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』『オデッセイ』の3本です。この中で、リドリー・スコット監督、マット・デーモン主演の『オデッセイ』はとても面白かったです。無人島ではなく、火星に取り残されるという宇宙規模のサバイバル物語はハラハラドキドキものでしたが、悲壮感を表に出さず常に楽天的に困難を解決する姿勢に感動しました。
舞台となったヒューストン宇宙センターやロケットを打ち上げるケネディスペースセンター、補給機や探査機を作成するJPL(ジェット推進研究所)は、全て施設見学に行っているので、NASA好きとしても大満足の映画でした。

日本に着いて、アメリカにいる部下とオンライン会議をしているとき、雑談で『オデッセイ』がとても面白かったと感想を伝えたら、彼女はその映画をすでに見ており、『オデッセイ』の原作者アンディ・ウィアーの最新作『プロジェクト・ヘイル・メアリー(Project Hail Mary)』を勧められました。彼女は、ロサンゼルスのフリーウェイでの通勤ドライブ中に『プロジェクト・ヘイル・メアリー』をオーディブルで楽しんだそうです。

そこで、帰りの飛行機での暇つぶしに良いだろうと思い、新宿の紀伊國屋に行ってハードカバーの本を上下巻を買いました。ところが、少し出だしを読んだら止まらなくなり、富山や京都への新幹線でどんどん読み進んでしまい、結局、帰りの飛行機に乗る前に読み切ってしまいました。この物語も危機的な状況の中、いつも楽天的な主人公の姿勢は『オデッセイ』に通じるものがあります。そして何よりも、宇宙規模でお互いを思いやる利他心の深さに考えさせられるものがありました。昨今の殺伐とした世界状況から、この物語が持つ理想や理念はさらに重要性が増します。映画化されるようなので、楽しみにしています。


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