オフィスのお仕事。それすなわちパソコンなり。

　というわけで、職人として作業着しか着たことのない人生だった僕が、スーツを着るお仕事になった初日、言い渡された仕事内容は・・・

　「名刺サイズの会社広告を作ってくれ」

　キュピーーンッ！！ 何それ？ なにそのクリエイティブな感じ！！ 思わずハート鳴っちゃったよ。あたしゃそんな楽しそうな仕事したことないよ！！

　それまでは、屋根の上に登ったり、脚立の上に登ったり、床下に潜ったり、泥やホコリにまみれたりのthis is THE 労働しかしてこなかったのに、広告を作ってくれだと～。

　しかも・・・

　「○○のセンスで適当にいくつかデザイン作ってみて」

　キュピキュピーーンッ！！ は～も～ダメ。キュン死にしそう。あたしったら部長に言い渡された仕事内容にキュン死にしそうだわ・・・♡

　めっさホワイトカラーっぽい仕事やん！！

　それまで、ブルーカラー劣等感丸出しズムで生きてきた自己肯定感の低い僕にとって、この仕事内容はシビレルものがありましたよ。だもんで、僕張り切っちゃいました。

　アスクルで名詞用の印刷紙を頼んで、一日中パソコンに向かって名刺サイズの広告作りに励んだんです。そりゃもうせっせとね。

　会社は産業廃棄物収集運搬業の業務内容を、ゴミを自分の足で捨てに来るお客に認知してもらいたかったわけです。要するに収集もやってるからね～っていう広告。

　『迅速丁寧 安心安全　ゴミといったら○○産業』

　『産廃110番　お電話一本すぐに駆け付けます』

　こんな感じの文言をぶち込んで、デザインは会社のイメージカラーを基調にして、ロゴも入れて、意気揚々と完成した試作品をいくつか持って部長に見せると。

　「なにこれ？ 全然違う。社名と住所と電話番号だけでいいんだよ」

　おやおや・・・？

　そこにワシのセンス入る要素ってありるれ・・・？？

　とまあ、半分以上徒労に終わってしまった僕の初パソコン仕事、My First パソコン仕事は名刺サイズの広告作りという、きゅぴきゅぴハキュンなクリエイティブ作業と見せかけて、ごくごく普通に社名のみの名刺を作るという作業だったわけであります。

　けどこれ、楽しかったな～。なんかスーツの人って一日中こんなことやってんのか～とか、思ったよね。だけど、一日中パソコンに向かってみて抱いた僕の感想は。

　これ、絶対身体に悪い。

　でした。