【決定版】文庫本300冊調べて分かった、安い文庫・高い文庫②
値段分析 バックナンバー
こんにちは、卯月です。
文庫本の値段分析、第2回です。
今回は講談社文庫編です。
調査対象
角川文庫・講談社文庫・集英社文庫・新潮文庫・文春文庫から、2023年4月から2024年3月に発売された300冊（2024年3月は、発売予定を含む）。
内訳は、1ヶ月につき5冊×12冊×5レーベルの計300冊。
調査方法
各レーベルの検索エンジンで発売日を任意の1ヶ月間に指定し、表示された中の上から5冊を抜粋しました。
ただし、講談社文庫は検索エンジンがないため、一件ずつ確認しました。
抜粋した書籍でリストを作成し、レーベルごとに60冊の平均価格を算出・比較しました。
以下は、リスト作成に使用したウェブページ・作成したリストです。
角川文庫 書籍検索
講談社文庫 書籍一覧
集英社文庫 詳細検索
新潮文庫 検索
文春文庫 既刊リスト（タブから発売月切り替え可能）
予想
本題に入る前に、私の予想を書いておきます。
・新潮文庫は安い
→持っている本を見る限り、値段が安めな気がするから。
・相場は700円代〜800円代
→文庫本のカバーに印刷されている値段が、そのくらいであることが多いから。
・講談社文庫は高い
→持っている講談社文庫だと、値段が高めのものが多いから。
結果
本項に表記した本のデータは全て、順不同・敬称略とします。（）内は定価です。
2024年3月15日発売予定
・甘糟りり子「私、産まなくていいですか」（704円）
・佐々木裕一「魔眼の光 公家武者信平ことはじめ
（十五）」（748円）
・半藤末利子「硝子戸のうちそと」（770円）
・半藤一利「人間であることをやめるな」（660円）
・和久井清水「かなりあ堂迷鳥草子３ 夏塒」（792円）
一番高いものでも792円と、安めの本が集まりました。
平均価格は12ヶ月間で最も安い、734.8円でした。
2024年2月15日発売
・伊集院静「それでも前へ進む」（682円）
・塩田武士「朱色の化身」（891円）
・堂場瞬一「ダブル・トライ」（990円）
・大山淳子「猫は抱くもの」（792円）
・砂川文次「ブラックボックス」（682円）
600円台の本が2冊入りましたが、990円の「ダブル・トライ」が入ったため、平均価格は807.4円に上がりました。
2024年1月16日発売
・濱嘉之「プライド２ 捜査手法」（891円）
・瀬尾まなほ「寂聴さんに教わったこと」（704円）
・瀬戸内寂聴「その日まで」（704円）
・辻堂魁「うつし絵 大岡裁き再吟味」（825円）
・潮谷験「あらゆる薔薇のために」（880円）
700円台から800円台の本のみが入りました。
900円以上の本が1冊も入っていないため、平均価格は少し下がって800.8円でした。
2023年12月15日発売
・パトリシア・コーンウェル「禍根（下）」（1,320円）
・柿原朋哉「匿名」（704円）
・輪渡颯介「闇試し 古道具屋 皆塵堂」（770円）
・瀬那和章「パンダより恋が苦手な私たち２」（847円）
・風野真知雄「魔食 味見方同心（一）豪快クジラの活きづくり」（737円）
「禍根（下）」が含まれたことにより、平均価格は875.6円に跳ね上がりました。
「禍根（下）」は海外の作品であるため、翻訳者への印税の関係で高くなっていると考えられます。
2023年11月15日発売
・神永学「心霊探偵八雲 ＩＮＩＴＩＡＬ ＦＩＬＥ 魂の素数」（825円）
・瀬那和章「パンダより恋が苦手な私たち」（891円）
・矢野隆「戦百景 大坂夏の陣」（891円）
・松本清張「ガラスの城 新装版」（913円）
・小前亮「ヌルハチ 朔北の将星」（990円）
5冊全て、定価が800円台から900円台でした。
そのため、平均価格はさらに上がって902円でした。
2023年10月13日発売
・神楽坂淳「夫には 殺し屋なのは内緒です」（704円）
・西村京太郎「つばさ１１１号の殺人」（781円）
・パリュスあや子「隣人Ｘ」（726円）
・五十嵐律人「不可逆少年」（891円）
・伊藤穰一「〈増補版〉 教養としてのテクノロジー ＡＩ、仮想通貨、ブロックチェーン」（704円）
5冊中4冊が定価700円台でした。
一番高いものでも891円であるため、平均価格は急激に下がり、761.2円でした。
2023年9月15日発売
・黒崎視音「マインド・チェンバー 警視庁心理捜査官」（1,188円）
・青柳碧人「浜村渚の計算ノート １０さつめ ラ・ラ・ラ・ラマヌジャン」（781円）
・池井戸潤「半沢直樹 アルルカンと道化師」（935円）
・今野敏「天を測る」（869円）
・藤井聡太 山中伸弥「前人未到」（748円）
最安値でも869円と、高価な本が多く集まりました。
1,000円超えの本が1冊含まれたため、平均価格は一気に上がって904.2円でした。
2023年8月10日発売
・首藤瓜於「ブックキーパー 脳男（下）」（924円）
・藤井邦夫「仇討ち異聞 大江戸閻魔帳（八）」（792円）
・福澤徹三 糸柳寿昭「忌み地 屍 怪談社奇聞録」（704円）
・堂場瞬一「最後の光 警視庁総合支援課２」（990円）
・我孫子武丸「修羅の家」（869円）
比較的高価な本が集まりましたが、1,000円以上の本は1冊も含まれていません。
そのため、平均価格は50円ほど下がった855.8円でした。
2023年7月14日発売
・東野圭吾「私が彼を殺した 新装版」（957円）
・小池水音「小説 こんにちは、母さん」（748円）
・矢野隆「戦百景 大坂冬の陣」（858円）
・三國青葉「福猫屋 お佐和のねこわずらい」（693円）
・神津凛子「サイレント 黙認」（1,045円）
こちらは1,000円以上の本が1冊含まれましたが、693円の「福猫屋 お佐和のねこわずらい」が含まれています。
そのため、平均価格は860.2円で、5円ほどしか上がりませんでした。
2023年6月15日発売
・知野みさき「江戸は浅草５ 春の捕物」（814円）
・東野圭吾「どちらかが彼女を殺した 新装版」（836円）
・島口大樹「鳥がぼくらは祈り、」（660円）
・一色さゆり「光をえがく人」（770円）
・本格ミステリ作家クラブ「本格王２０２３」（968円）
1,000円以上の本は1冊も含まれませんでした。
一番高いものでも968円であるため、平均価格は50円ほど下がった809.6円でした。
2023年5月16日発売
・横山光輝 山岡荘八「漫画版 徳川家康 ７」（1,210円）
・佐々木裕一「赤坂の達磨 公家武者信平ことはじめ（十三）」（759円）
・西村京太郎「ゼロ計画を阻止せよ 左文字進探偵事務所」（869円）
・秋川滝美「湯けむり食事処 ヒソップ亭２」（803円）
・田中啓文「誰が千姫を殺したか 蛇身探偵豊臣秀頼」（847円）
定価が1,000円以上の本が1冊含まれました。
他は800円台の本が多かったため、平均価格は897.6円に上がりました。
2023年4月14日発売
・上田秀人「悪貨 武商繚乱記（二）」（748円）
・紗倉まな「春、死なん」（649円）
・潮谷験「エンドロール」（792円）
・潮谷験「大学病院の奈落」高梨ゆき子（858円）
・横山光輝 山岡荘八「漫画版 徳川家康 ６」（1,210円）
平均価格 851.4円
こちらも定価が1,000円以上の本が含まれていますが、600円台から700円台の本が多かったため、平均は下がって851.4円となりました。
終わりに
この記事で取り上げた60冊の平均価格を算出したところ、838.4円となりました。
角川文庫の平均価格は883.7円だったため、講談社文庫の方が平均価格が安いという結果になりました。
次回は、集英社文庫の価格を調査します。
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