前を向くことの難しさを推しで知った日

私がこのグループと歩むきっかけとなったのは「山田涼介」が出演していた「カインとアベル」を見たことが始まりだった。

そして今日は9人でHey!Say!JUMPで活動する最後の日であるためこの文を綴っている。

必ず帰ってくると約束を交わし旅立った2年半前、私はまだJUMPの永遠を信じていた一人である。その気持ちとは裏腹に発表されたのは「脱退」この一言だった。この事実を受けて何を思っただろうか。怒り?苦しみ?悲しみ?どれをとってもいい結果ではなかった。この二文字の重さで何人のファンが苦しい思いをしたか涙を零したか、そして残酷にもその事実を当人達は理解しているのであろう。アイドル意識が高い私の推し山田君は何を思っていたのだろう。何を考え何を感じ本当はどうしたかったのか。アイドルとファンには厚い壁があるため本音を聞くことはできない。それも含めてすべてが悔しかった。

残されたのは最後のライブだけとなった。9人のJUMPを待っていた私たちの気持ちはいつ処理されたのかどのタイミングでなかったものにされてしまったのか、そのようなやるせない感情がSNSでも目立ったがこれがリアルであり人間として、ファンとして、一人の想い人として、感じたものであるだろう。脱退報告の動画を見たとき、そこにHey!Say!JUMPはいた。見たことのないアイドルではない一人の人間としての山田君の表情が映されていた。この動画をみてさらに悲しくなったのは言うまでもないだろう。そして9人であり仲睦まじく話すところも見られその代償にこの光景が見られないという事実を一方的に突きつけられる動画となっていた。

ライブ当日となり9人の雰囲気をまた感じることができたが見ているとき感情が迷子になった人は少なからずいるだろう。今までたくさん見てきた9人のパフォーマンスは最後である。この短時間でこの感情を処理しきれるのだろうか、快く受け入れることができるのであろうか。私の好きな人たちはなぜこんなにも優しい表情ができるのか仕事で仲間である前に友人であると前日のラジオで光君と伊野尾ちゃんが零していた。映像を見ていくたびに成長した圭人を感じることができた。歌やダンス、確実に今までの圭人とは違うものがあった。それと同時に感じ取ってしまった。圭人は変わったのだな、と。メンバーも同じことを感じ意志の強さを魅せつけられ説得されたのだなと「納得」することができた。涙を流しながら配信画面を眺めていた、何回も「ふざけるな!お前はJUMPに必要だ」と叫びながら何度も泣き、全身全霊で釘付けになった。最後はあっけなく終わりを迎えた。SNSでも「ありがとう」という言葉が溢れかえり、トレンドでは一位になっていた。

置いてきぼりになった感情は隠しきれなかった。あっけなく終わりを迎え幕を閉じてしまった。この感情を言葉にすることはとても難しいが、何かを失ったのは事実であり前を向かなくてはいけないということも私に残された課題なのである。前を見据えているような振り切った表情を浮かべた圭人をみて一人の人間だと感じた。すべてのパフォーマンスを振り返り、当たり前のことが壊れていくという感覚より溶けていくような感覚で昇華した。

JUMPの選択が、圭人の選択が正解かどうかなど誰も知る由もない。今はただ前を向いている彼の背中を黙って押し、JUMPとしての圭人を推すことを卒業しなければならない。期待していた分の感情はこれからの彼らの活動で消化してくれるだろう。何年も一緒にいたメンバーに自分の正直な気持ちを打ち明け裏切る事を選ぶ勇気も含め成長を感じることでまた涙を零してしまった人もいるだろう。そのくらい彼は愛されていて彼らも愛されているのだ。今日は沢山語ろう、沢山JUMPの曲をきいて、沢山泣いて余韻に浸ろう。

今まで辛いとき励ましてくれた元気をもらった9人のJUMP、これからはまたHey!Say!JUMPとして出発できるように見守ろうと思う。


感動をありがとう。大好きでした。

そしてこれからも。

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