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怪物だーれだ 映画ノベライズを読んで

 ジョンブック・目撃者 みたいな話かな?と思っていたら、全然違った。
 男の子が、男の子を好きになる話なんですね。物語後半になってから分かった。
 映画ノベライズとは思えないほどの完成度。よく出来てるなと思いました。

本を読みながら、何度も本を閉じて、自分の少年時代を思い出していました。
 あまり、語られる事は少ないのですが、男の子も、けっこう難しく大変なんですよ。
 うちは、母が若い時に僕を生んだから、それほど歳が離れていなかった。僕が思春期に入った時でも、母は30代だったから、お母さんという感じでは無かったな。
 これは、人にもよるけど、お互いとてもやり辛かった。僕が早く家を出たのも、その事が少しあったなと、今では言うことが出来る

さて、物語についてだけど、人によって感想が、かなりバラけるみたいです。
 僕も、ちょっと変わった感想を持ちました。これは、現代の神話だなと。

平和だけど閉鎖的な地方都市。秩序を維持するために、人と人がぶつかり合わないように、直接的なコミュニケーションは封じられ、全ては形式的な手続きにてよって代行されてる。誰も責任を取らないように、謝罪という儀式によって、問題は解決して終わった事にされる。
 けれども、この社会システムから逸脱した者は、徹底的に排除され、社会的に抹殺される。つまり、現代の日本ですね。
 直接的なコミュニケーション、人と人とが本音でぶつかり合う機会が消失したことによって、偏見と悪意は水面下で、異常な膨張をしていた。
 この、やがては衰退と滅亡が予感される世界で、家庭的に恵まれない2人の少年が惹かれ合う。
 

色々と試したのですが、上手くイメージに合う画像は生成出来ませんでした。これらが一番近いところですね。

 タブー( 禁忌 )が犯された事によって、完璧な社会システムに歪みが生じ、やがては亀裂になっていった。
 少年達の想いがより強くなるに連れて、亀裂は深まり、ついには社会システムを瓦解させることになっていく。

最後は壮大なカタストロフ。巨大台風が街を襲い、破壊していく。
 少年達は、放置されてい古い電車の車両の中で、その様子を見ていた。
 嵐が収まった時、車両から出てきた少年達の前に、新しい世界へと続く道が現れてた。
 2人の少年は、迎えに来た親と教師を後にして、光の中へと走って行った。

感動的でしょう。色々と考えてしまいます。様々な暗示が含まれているなと。
 これは少年でないと成り立たない物語です。これが男女のアベックだったら、2人は新しい世界で、いつまでも仲良く一緒に暮らしました。というディズニー的なオチで、クソどうでもいい話になってしまいます。


 

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