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7687ミクリード2023年株主総会

↑ミクリードと取引がある
株式会社ボンボーヌヴァリエ社のホームページより


6/20に
7687ミクリードの株主総会が開催されました。
今回は複数の質問があるため
予めIRご担当に連絡したうえで
総会にて質問を回答してくれるよう
依頼したところ
時間的都合もあることから
総会で回答するのは一部の質問に留め
総会前に回答された質問もありました

以下行った質問と
その回答⇒『』です

後半は株主総会で聞かれた
トピックスについて紹介します

①【24年3月期業績予想について】

2024年3月期の業績予想は
売上56億円で昨年対比+20%の水準です
2015-2023年までの売上推移をみると
概ね前年比+10%前後(22-23年は例外)で
推移してきました
このことから+20%という2024年3月期の売上予想は
強気な業績予想に見えます。
一方、直近の決算説明資料内の
「日次売上高の推移」のグラフをみると
御社からは月次の正確な数字が
公開されていないため
あくまで目視での判断によりますが
今年4月以降の売上が2019年比30~40%増に
見えることを考えると
この前年比+20%の売上予想は
保守的ともとらえられます。

会社側として24年3月期の売上予想値56億円は
保守的(予算として必達)な予想値なのか
それとも強気(期待込み)な予想値なのか
どのような想定で出しているのか
ご回答願います

(総会)『今後規制がないという前提のうえ、
足元の実績ベースで予想を組み立てており
運送費・人件費等現時点で見えるコストについては
織り込んで業績予想を組み立てています。
売上については前年比+20%の56億円と
しておりますが、こちらの数値については
【必達目標】として取り組んでおります』

②【会社の中期経営計画・目標値について】

御社はいわゆる
数値目標を掲げた中期経営計画の発表がありません
そのため、いつまでにどの水準まで伸びるか
想像ができません。

2013年に
トーホーが御社に資本参加した際
当時の売上30億円内外の3倍
100億円に引き上げる計画がある
(日本食糧新聞2013.11.1)
というような記事がありました。
当時と今とでは環境が違いますが
御社としては
どのタイミング(何年)までに
売上100億円を達成するという目標やイメージは
どのようにお考えでしょうか

また
月間顧客数(アクティブユーザー)数と
1顧客あたりの月商(ARPU)
現在の解約率
これらは重要なKPIであると思われますが
想定している目標値および
何年後どのレベルまで伸ばしていきたいと
お考えでしょうか

(事前)『2013年トーホーが参加した当時は
IPOは考えておらず、国分・トーホー・ミクリードの
3社協業を行うことでミクリードの売上を100億円に
伸ばすという計画を立てていました。
現在はIPOを行っており、当時の計画は
白紙になっております。
中期経営計画については開示できる
しかるべき時点で開示いたします。
また各KPIの数値目標に
ついては開示しておりません』

③【IRについて】

昨年の株主総会に参加した際
月次報告の開示の要望について
質問させていただきましたが
現在会社の人員的なソースに乏しいため
月次報告を出すことは難しいとの回答でした

2023年期1年を通しても
IR情報として公開されたのは
ほとんどが決算に関する資料で
適宜発表されるニュースやトピックスは皆無でした
(例えば東京ガスとの取り組みは以前から
東京ガスのホームページで紹介されていましたが
5/12の決算説明資料で初めて知った人も多いかと思います)

御社がミスミ時代からの”持たざる経営”を信奉し
徹底的なコストカット、限られた人員のなかで
順調な業績・成長性を保持しているのは理解します

ですが投資家に対してプラスとなるニュースや
IRに対する前向きな姿勢は
企業価値に直結する部分です

IR活動や情報開示のスタンスについて
会社側として
どのように考えていらっしゃるのでしょうか
(片山社長は証券会社ご出身ですので、
この重要性については
十分理解しているものと判断しております)

(事前)『今期は可能な範囲で取り組んでいきます』
(総会)『IRに関しては遅れているという認識は
持っているものの、現時点で具体的にこうする
ということは示せない。ただしコロナも明け業績も
回復してきており、IR担当の人員採用を
試みているが今の時点では採用できておらず
現状では可能な範囲で行うとしか言えないです
もちろん会社としてもIRは重要な部分と考えており
今後人員採用を通じIRを強化しより良い情報開示を
行っていきたいと考えています』

④【ChatGPT他、生成AIについて】

紙によるカタログや月間の商品案内は
御社のこだわりである点は理解しています
ただWEBの利用者が増えている点
紙の案内媒体は費用がかかる点を考えると
WEBの利便性強化に注力されているとは思いますが

アレンジレシピの紹介
商品のレコメンド
チャットボットによる受け答えなど
WEBの利便性強化のために
ChatGPTなどいわゆる生成AI等の活用余地があると
考えているのですが
この点についてどのようにお考えでしょうか

(総会)『社内でも話題になっていますが、現段階は
まだ手探りの状態です。今後活用方法について
検討しているところです』

⑤【居酒屋以外のマーケットについて】

5月17日に開催された
ミクリードフードセレクション2023
展示会に訪問させていただいたのですが
その時の来客層に
いわゆるコンセプトカフェ店の従業員を
多く見かけました
また展示されていた商材も
居酒屋向けだけではなく
コンセプトカフェで人気の
イタリアンメニューやスイーツなども
目立っておりました

既にMICストア(カフェ)をオープンし
カフェ業種の顧客数は伸びている様子ですが
決算説明資料では特段細かく言及されておらず
顧客件数が不明で
現時点程度の販売規模なのかわかりません。

(1)
現状全体の売上の中で
カフェ業態向けの売上はどの程度なのでしょうか?
(2)
また100億円内外の市場規模といわれる
コンセプトカフェ業界に対し
御社の方針としての目標値は
どの程度なのでしょうか?
(3)
またカフェ・居酒屋以外の次の業種展開について
どのようにプランニングされているのでしょうか

(事前)『当社ではカフェもコンカフェもあわせて
管理しておりカフェはいくら
コンカフェがいくらというような数字面の
開示はしておりません。
次の業種展開については現在継続検討中です』

⑥【持株会の設置・株主優待について】

経営参加意識や取引関係を強化するための
従業員持株会や取引先持株会
また株主に対する優待の設置について
どのようにプランニングされておりますでしょうか

(総会)『環境を踏まえ、ふさわしい方策を
考えていきたいと思っております』

<総会で出た追加質問>

⑦値上げは業績にどのような影響を及ぼすのか
もう少し詳しく教えてほしい

『今年から9月と3月に値上げをするのですが
基本的には仕入先の値上げをそのまま
価格転嫁してカタログに掲載しております。
今年も多分値上げすると思いますが
仕入先の動向次第なので
具体的にどれくらいの品目数や
どの程度価格が値上げになるかわかりません。
価格転嫁を行っているので値上げがきっかけで
利益が圧縮されるような業績に
影響することはありません。
もちろん
値上げは販売先にとっては問題ですので
値上げにより
①値上げしてもそのまま売れる
②別の品物に乗り換える
③購入を手控えるという選択があると思いますが
全体の数量では確かに減ってはいるものの
販売先に対して
値上げの影響に関するアンケートを
実施しており、極力購入を手控えないように
値上げを受け入れられる
フォロー(代替品の案内等)をしており
その効果はみられます』

総会で聞けたトピックス


①業績面について
売上はコロナ前2020年のレベルを超えてきたが
利益面はコスト高が影響し1Q・2Qは
2020年レベルを超えられなかった。
12月・3月に値上げを行ったことで
3Q・4Qは利益が大きく伸びました。
最後の上方修正は特に2月、3月の
客足(販売)が伸びたことによります。

値上げの効果は大きく
現状についても2019年レベルを
大きくアウトパフォームしている状態です。

②顧客数について
コロナ中もキャンペーン等投資を継続したことに
より顧客基盤は維持できており
それが直近10700件という
過去最高の顧客数につながっています
今の販売のWEB経由率は7割で
(ミクリードは)
EC・ネット系の代表的な食品卸と
なってきております
新規客からの注文は
ほぼ100%ネットからとなっています

③ミクカフェについて
22年2月よりカフェ向けの販売をスタートしましたが
23年度は以前の2倍以上の客数となっており
客単価も伸びております。
今のところは成功といえる実績であり
今後も伸ばすとともに、カフェに続く次の業態を
探っている状態です

④ROEについて
ROEは14.4%と
きっちりした経営ができております。
もちろんこれ以上の水準となるよう努力いたします
(この水準はコロナ前2019年とほぼ同じ)

⑤今期の方針
引き続き提携先代理店となる先を探しています
東京ガスが現在ミクリードのサービスを
紹介していますが今度はミクリード側が
東京ガスが展開している各種サービスを
紹介できるよう勧めております。

コロナがほぼ終息しましたが
以前と行動が変わっており
2次会以降が少なくなり
代わりに1次会を豪華にしたりしてします
なかなか自宅では食べられない
「コト消費」となる商品を
提供していきたいと思います。

一方従業員など人手不足が深刻になっており
野菜は以前は
生鮮品が当たり前でしたが
今は茹でられたもやしや
きゅうりの千切りの冷凍品など
野菜の冷凍品も抵抗がなくなってきています
また解凍しないで
すぐ提供できる品物のニーズも強くなっています

⑥カタログ発送について
今までは得意先に下旬に届くようにDM案内を
発送しておりましたが
下旬は給料日など繁忙となるため今年から
中旬に届くように変更しております

従来10/1と3/1から新カタログにしていましたが
これも間が5か月・7か月とバランスが悪いため
今年からは9/1と3/1に
新カタログに切り替えられるように変更します。
値上げのタイミングも新カタログに
切り替えのタイミングで行うため
今年に関しては
秋の値上げは1か月前倒しになることになります

今年7月からインボイスに対応できるよう
基幹システムなどリニューアルをかける予定です
(有価証券報告書によれば基幹システムの
リニューアル等システム費用に
50百万円の投資を行う予定)

以上6月20日に開催された
ミクリードの
2023年3月期の株主総会の状況報告になります。

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