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【読書感想】クラウドからAIへ アップル、グーグル、フェイスブックの次なる主戦場 (朝日新書) 小林雅一

読了日:2014/6/5

最近よく耳にする「クラウドサービス」「ビッグデータ」。
これらの先にあるAI技術は今どんな状況なのか。
世界的大企業が狙っている未来はなんなのか?
などなどをわかりやすく説明してくれている本です。

昔、スティーブンスピルバーグ監督の「AI」という映画を同期と見に行ったことがありました。
終わり方が悲しすぎて、私がしゃっくりあげて号泣し、もう1人の女子はおやつをポリポリ食べていたため、一緒に行った男子に「もうお前らとは映画行かない」と言われてしまいました。
AIという単語で思い浮かぶのはこの思い出です。

そんな映画の世界だった未来が、
冗談ではなくすぐそこまできています。

AppleもGoogleも、検索ポータルとしてのシェアを自分とこが1番になるようにしたいみたいなんですね。
なぜか。
ものすごくざっくり言うと、今のAI技術は大量の情報をもとにしていて、それをAIに投入することにより、AIの精度が増し、より高度なAIになっていくそうなんです。
だから情報量は多ければ多いほど自分とこのAIの信頼性が増すし、精度も高くなる。
で、AIで世界的な主導権を握ることができれば、IT分野だけでなく、ありとあらゆる分野でその技術を活用した製品やサービスを展開することができます。
それを狙ってるんですって。
ネットの情報をいかに多く集めるかが大事になるのだそうです。

イヤーー。
読んでる途中でなんだか近い未来が怖くなっちゃって読むのやめたくなっちゃった。。。
 
例えば私は運転ができないので、自動運転の車ができたらすごく嬉しい。
でもそれが普及したら運転手という職業はなくなってしまいます。
例えば私は英語が話せないので、精度の高い同時通訳機器ができたらすごく嬉しい。
でもそれができたら世の中に翻訳業という職業はなくなってしまいます。
例えば介護ロボットができたら今までヒトがやっていた仕事の一部はロボットに変わられて、介護職の求人は減ってしまいます。
教師によって教え方や指導方法に違いがでてしまうから、知識を教えるには教育用ロボットを使いましょう、という発想になることも大いに考えられます。
教師の総数が減るかもしれません。
高度なAIを搭載したロボットは、うつ病などの患者を慰め癒すことができるんだそうで、実際実験でも多くの患者がロボットと気付かず癒されたそうなんです。
ヒトに相談するよりロボットに相談する方が人の心を救ってくれる、なんてことになるかもしれません。

近い将来、AIをベースにした技術やロボットがありとあらゆる分野に進出してくるので、ありとあらゆる職業人に働き方の変化を強いることになるでしょう。

ヒトは一体何をして生きていくんだろ。

ポジティブに考えれば、「人は都度、時代に沿った新しい仕事を見つけていくからAIが普及しても職を失うなんてことはない」という見方もあります。
その分ヒトにしかできない仕事をするだろうと。

確かに知識豊富でアクティブでコミュニケーション力もあってバイタリティ溢れる人なら、そういう新たにできた仕事についていくことができるんだと思うんです。
でも世の中にはそうじゃない人も、半分かそれ以上はいるわけですよ。
例えば勉強も苦手だし、体力もそこまでないし、コミュニケーション力もそんなにない。
でも運転はできるからタクシー運転手になってる、っていう人も世の中にはたくさんいるはずなのですが、じゃその人がタクシー運転じゃない新しい時代の仕事について器用に生きていけるのかしら。

まぁもちろん生きていけるヒトはいるんだろうけど、そうじゃなく困窮していくだけのヒトもたっくさんでてくると思うんだよねぇ。
そうなったらそんな世の中は幸せなのかなぁ。。
うちの息子たちはそんな時代を無事に生きていけるのだろうか。。。
っていうか息子の前に、私はそんななかで仕事をして生きていけるのだろうか。。

新しい技術にワクワクする気持ちもすごくあるんだけど、なんだかやっぱり新しい時代が来るっていうのは怖いなぁ。
発想が守りに入ってるって時点で、歳をとったってことなのかねぇ。

そして、そんな日に孫正義が感情を学習するロボットの発売を発表。

タイムリー!!

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