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【読書感想】はじめてのカウンセリング入門下 ほんものの傾聴を学ぶ 諸富祥彦

この本の概要

カウンセリングの技術を、職業に、対人関係に、人生に役立たせたいと思う人におくる、わかりやすい入門書。下巻はカウンセリングに欠かせない「傾聴」の技術を軸に、カウンセラーがクライアントと接する際のさまざまなアプローチをみていく。多くの臨床家が直面する、「人の話を聴く」ことの難しさとコツをていねいに解説。おさえておきたい専門書の紹介など、カウンセリングの世界を理解するのに最適な一冊。

Amazon 本の説明より引用

感想

2019年からコーチングの世界に足を突っ込みまして、本業のかたわらで、個人向けコーチングもやるようになりました。ゆっくりのペースではありますが、資格もとり、今も次の資格を取るべく、実践と学びを継続しています。

今度、コーチ仲間と勉強会しようって話になりまして、その課題図書がこの本だったので事前に読んでおかねばなるまい、と購入。

著者はカウンセリング業界の超有名人だそうで、たくさん書籍もだされています。コーチングの講座でも「この人の本は読んでおくといいよ」と勧められました。
私がやってるのはコーチングで、カウンセリングとは違うものではあるんですけど、どちらも「傾聴」が大事というのは共通しています。
この「傾聴」、とても難しいというのを日々感じているので、より深い「傾聴」に近づくべく、書籍を通して学んでみました。

これ系の本は難しいものも多いらしいのですが、さすがおすすめされる書籍だけあって、とても読みやすいです。ただ、それぞれの流派や、各流派のルーツを語ってる部分は、なかなか頭に入ってきませんでした(笑)
フロイトとかユングとか、心理学系の偉人も多少興味はあるんです。私の大好きなエヴァの世界も精神世界な部分もあるし、嫌いではないはずなんですけど、精神性が強すぎるのか、私のなかのなにかが若干、拒否している感じ…。
なのでそこらへんはサラッと流して読みました。

自分的にはなかなか頭にはいってこないページもありましたが、「傾聴」を学ぶうえではとてもわかりやすく、まだ実践的な内容です。コーチングやカウンセリングを学んでいる人はぜひ!

コーチングとカウンセリングの間にいる人

一般的にコーチングは、目標や目指すもの、解決して前に進めたいなにかがある人が対象になることが多く、カウンセリングは「つらい」「しんどい」というように感情面でマイナスになってしまっている人が対象になることが多いのではないかと思います。

でも最近思うんですけど、世の中に一番多いのはコーチングを依頼するほど明確ななにかがあるわけでもなく、かといって「つらい」「しんどい」「耐えられない」っていうほどハードな状況でもない人たちだと思うんですよね。

この「別に可もなく不可もなく普通に暮らしてますけど?」っていう多数の人たちからみると、コーチングとかカウンセリングってのはすごく遠いところにある、自分とは交わらないものなのではないかと思います。

最近「サウナで整う」っていうのが流行ってたりするけど、コーチングやカウンセリングも、あの「整う」ってのに近い要素があると私は思っています。忙しいなかでなんとなくぼんやり考えては流れていってしまうあれこれについて、ちょこっと立ち止まって考えることで、日々を少し充実させたり自分の脳内と生活に、余白を生むことができるのかなぁと。

目標とかなにかを目指せてる状態というのは、その手前でちゃんと思考する時間が取れてるからこそなんだと思うんです。
普通に生きてるとその時間がとれない人がほとんどだと思うので、自分のことを意識して考えたり、デトックスしたり、整理したりできる時間があるといいのにね。

私は、コーチングほどゴリゴリ目標目指すイメージでもなく、カウンセリングほど傷ついたイメージもなく、中間の人たちが少し元気になるような時間をお手伝いしたいなぁ、とこの本を読みながら思ったりしました。

ワタクシ的名文

たしかに「それ」がそこにあること、そして「なぜだか、よくわからないけれど、それには大切な意味がありそうな感じ」がしていて、「それ」が「自分に注意や関心を向けて欲しがっている」ことはよくわかるーーー けれどもまだ、具体的な形は何もとっていないーーー そのような、言葉以前、イメージ以前の「なぜか、気になる感じ」「漠然とした違和感」を、「フェルトセンス」と呼びます。このフェルトセンスに優しく丁寧に触れて、自分のこころのメッセージを聞いていく方法をフォーカシングと呼ぶのです。

p50 パートII カウンセリングの三つのアプローチと理論

私、しゃべってるとき「なんか」っていう枕詞を使いがちなんですが、こういう枕詞がでるときって、漠然としててまだ言語化しきれていないものを出そうとする過程で出てくるんだろうな、とここを読んで思いました。
こういうところに大切ななにかがあるのかもしれないなぁ。

カウンセリングの成否に大きく関わっているのは、クライアントが「何について話しているか」(発言の内容)でもなければ、ましてや、カウンセラーが何を言うか、正しいアドバイスや分析を行うか、などではない。(中略)
重要なのは、クライアントがカウンセリングにおいて、「どのような仕方で、自分自身と向き合っているか」であり、それはクライアントが「どのような話し方をしているか」「どのようなモードで語っているか」の違いとして現れる、と言うことだったのです。

p92 パートIII 「ほんものの傾聴」を学ぶ

これはシンプルに「そうなんだ〜」と教えてもらえた点。そして「確かに」と納得もできる点でした。
クライアント側のほうにも内省できる準備と覚悟が必要だろうな、と思います。


ほんとはもっとたくさん名文があって、たくさん折り目を付けてたんですが、書くの大変なのでこんくらいで。

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