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【読書感想】「インビジブルレイン」 誉田哲也

読了日:2012/7/27

女刑事姫川玲子シリーズ第4作目。

中野でチンピラの刺殺体が発見され、姫川班も捜査にあたる。
直後、「犯人は柳井健斗」というタレコミ情報が入る。柳井健斗は9年前、姉を何者かに殺されており、当時容疑者として疑われていた彼の父親も自殺していた。
殺害されたチンピラは当時の姉の交際相手。
警察上層部は、柳井は真犯人であるチンピラを復讐のために殺害したと推測。9年前の捜査ミスを隠蔽するべく動こうとする。しかし納得しない姫川は1人単独捜査にのりだす。

今回は、姫、単独行動。
菊田も日下もガンテツも井岡も出番はちょっぴり。
井岡、結構好きだから残念。

みどころは、なんといっても姫の恋。
ストーリーの中で、牧田という渋いヤクザがでてくるんだけど、この人と姫がいい感じに。

牧田と姫が電話番後交換するときの地味なドキドキ感!!
あったよ、あったよ〜。
こういうの私も昔ドキドキしたわ〜〜❤

最後がちょっと切ない。

多分若い頃の自分だったら、恋愛要素が強いし、シリーズの中で一番好きになってたかも。牧田カッコいいし。
でも今は、恋愛色濃いめなのより、『父性』をテーマにした「ソウルケイジ」の方が好み。

ワタクシ的名台詞

「やれるもんなら、おやりなさい。私がいなくても、今泉がいなくても、警視庁は潰れやしませんよ…。
むろん、あなたがいなくてもね。いっとき泥をかぶるくらい、私らは屁とも思いません。私の首が捜査の枷になるのなら、どうぞ…いつでも差し上げます」
「姫川主任…組織なんてものはね、同じ形のまま永続するのがいいわけじゃ、決してないんだ。
壊れながら、削ぎおとしながら、新しいものを取り込んでいく必要がある。
また、組織はしがみつくものでも、よじ登るものでもない。それぞれが地に足をつけて、踏ん張って、支えるものなんだよ…今の、君のようにね。
組織人が、みなきみのような人間ならいいんだが、残念ながらそうじゃない。
なんとか自分だけは片足を浮かせて、できることなら両足を浮かせて、少しでも眺めのいいところに登って、楽をしようとする…どうも、そんな人間が多いように思う。
日本人全般にそんな気分が蔓延しているなんて、私は、できれば思いたくはないがね」

どちらも和田課長の台詞。
みんなに尊敬されるだけある。
こういう覚悟をもって仕事してる人はカッコいいな。

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