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【読書感想】「スマホ断食 ネット時代に意義があります」 藤原智美

読了日:2017/06/27

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何かあるとすぐにネットで検索。止まらないネットサーフィンで、気づくと1時間。LINEの既読が気になって仕方がない…ネット漬けの日常から逃走し、「自分」を取り戻す。芥川賞作家によるネット社会批判。
「BOOK」データベースより

すんなり納得しきれない感

スマホ。
放っておくとついつい手にとっていじってしまう、小さいクセにめちゃくちゃ吸引力のあるアイツ。

すこし前に「サード・メトリック」や「サーチインサイドユアセルフ」など、マインドフルネスに関する本を読んで、感化され、「デジタルとは距離をとろう」と思っていたのに、結局距離を取りきれない弱いワタシ。
そんなヘタレな私のマインドを戒めるためには、「定期的に己に刺激を与えないといかん!」
ということで読んでみました「スマホ断食」。

うむーーー(;´д`)
なんかなーーー。

基本的な考え方は同じなはずだし、目指すところも同じはずなのに違和感。
すんなり納得しきれない感が読んでて常にあった。

あくまでワタシの感覚でしかないんだけど、ひとつひとつの言い分に説得力を感じなかった。。
言い分が多面的じゃないといいますか、自分の正しさを主張したいがために、相手(この場合スマホとかデジタル世界の表現とか)のネガティブな面をメインにもってきて、ロジックを組み立ててる感じが好きになれなかった。
そのネガティブ面も、著者の所感が中心で、具体的なデータをもとにしてるわけでもないので、読んでてあまり気持ちいいものでもなく。
スマホに対しての危機感とか、デジタル万歳な風潮への違和感とか、持ってる思いはそこそこ同じなはずなのに、すんなり受けとることができない。

伝え方ってめちゃくちゃ大事

これを読んでてすごく感じたのは、内容よりも「伝え方ってやっぱりめちゃくちゃ大事だなぁ」ということ。
「サードメトリック」とか「サーチインサイドユアセルフ」と同じようなことをいってるのに、気持ちの面での巻き込まれ力が全然違ったんです。
「スマホ断食」はスマホ&デジタル依存への危機感は煽るけど、それだけ。
読み手が出来ることは
「そうだなぁ」って思うか
「うるせーな」って思うか、
極端に言うとそれだけになりやすい。

「サードメトリック」や「サーチインサイドユアセルフ」では、スマホと距離をとることがゴールではなくて、豊かな生活に近づくためのひとつの要素で、もっと先のゴールに焦点があたってる。
だから、危機感にプラスして「私もやってみよう!」とか「今からどう変わればいいかな?」という前向きな思考に繋がりやすかったんだと思う。

デジタルへの危機感を共感する目的でならこの本はその役割を果たしていると思う。だけど、その先にまで人の心を持っていくにはパワーが足りないのかもしれない、という印象でした。

伝え方ってホント難しい。
だけど、リアルなコミュニケーションも、書籍などテキストベースのコミュニケーションでも、ネガティブな表現は最小限にしておくのが正解だな、という点は学びとしてありました。
否定や問題点の指摘だけで表現を終えるのではなく、その先の明るい未来もセットで言わないと子供にも大人にも伝わらない。
否定をゴールにしないよう自分も注意しなきゃ。

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