院試で踊った話

僕は2018年の夏に大学院受験をした。僕の専門分野と同じところで色々やろうという友達が同期にも上の学年にも1人としていなかったので、話せる友人を求めて他の大学の試験を受けた。ちなみに専門は代数幾何とやら。

ペーパーテストに関しては特に緊張もなくそこそこに出来た。しかし、とにかく人前に立つことが苦手だった自分は面接の前の時間に物凄く緊張していた。どれぐらい緊張していたかというと、大学数学を多少かじったことがある人に説明すれば、位相空間が連結であるとはどういう事か説明してくださいと問われて、開集合系が全空間と空集合のみからなる位相空間の事ですと答えてしまったぐらい緊張していた。それでは密着位相である。

普段はゼミぐらいでしか人前で話すことは無く、しかもそのゼミも自分の考えを話した結果間違ってるところがあればそこを訂正するという趣旨であるから、慣れない空気感の中ものすごく緊張していた。自分の思考もいささか正常じゃないという事で、自分の緊張をほぐそうと思って待合室でイヤホンをして踊ることにした。

これが効果覿面で、おどるポンポコリンを流してそれに合わせて踊るだけで楽な状態になった。緊張している状態というのは、自分からは気が付きにくいが、極度の緊張状態なのだなと言うことを初めて自覚した瞬間であった。音楽を聞くというのは他人の呼吸を知る事なのだと思った。ていうか今までの人生緊張し無さすぎた。結局面接で間違えるぐらいには緊張してたし。

そんなこんなで散々だった面接も終わり、しかしながらテストが良かったのか何なのか合格はしたので、4月2日に入学式が待ちかまえているという次第である。ありがとうおどるポンポコリン、ありがとうB.B.クィーンズ。

#数学 #体験談 #踊り

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