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[report]『総合文化展』(東京国立博物館)

※曾我蕭白《蝦蟇鉄拐がまてっかい図屏風》(部分) 東京国立博物館 より


開催情報

『総合文化展』(平常展)
場所:東京国立博物館(東京都台東区)
入館料:1000円(一般)


『特別企画「令和6年 新指定 国宝・重要文化財」』
場所:本館 特別1室・特別2室・11室
開催日:4.23.tue-5.12.sun

内容:令和6年(2024)に新たに国宝・重要文化財に指定される美術工芸品等の一部を紹介
※ 特別企画は写真撮影不可

4.9.tue-5.19.sun《為家本時代不同歌合絵》本館2F 3-2
4.9.tue-5.19.sun 曾我蕭白《蝦蟇鉄拐図屏風》本館2F 7
4.16.tue-5.26.sun 今村紫紅《熱国之巻ねっこくのまき(朝之巻)》本館1F 18

感想

"メンバーズパス(2500円)を購入し、年4回発行の小冊子「東京国立博物館ニュース」をコンプしよう"というのが密かな目標なのですが、前回から五ヶ月ぶりになってしまいました。
「お花見」は行くつもりだったんですが、つい後回しにしてしまい、ずるずると…
今回、「新指定 国宝・重要文化財」もあるし、note の かわかわ さんの記事で《熱国之巻》が出ていることも知り、慌てて行ってきました。
…「東京国立博物館ニュース3 ・4・5月号」をギリギリゲット!

基本的にトーハクレビューは かわかわ さんがいつも大変勉強になる詳細なnoteを書いていらっしゃるので、加えて言うこともあまりないですが、自分で書かないと記憶に残らないので記録。

「新指定 国宝・重要文化財」
が総合文化展の現在の目玉ですが、写真撮影不可ですし、すでに充実したレビューが沢山あるのでサクッと…

根津美術館 2024年度 展覧会スケジュールのパンフレット

この根津美術館のパンフレットを見て、「うわぁ、《百草蒔絵薬箪笥》素敵だなあ!」と、観に行きたくなりました。
単眼鏡必須ですよ!
箱もパッチワークのように引き出し毎に絵柄が違って、美しくも可愛らしくもあります。
根津美術館で 2024.11.2.sat-12.8.sun まで特集の特別展があるようです。
土佐光茂《紙本金地著色 日吉山王・祇園祭礼図》も単眼鏡で観るのが楽しい。
…戦かと思っちゃいました、祭りなんですね。でも槍とか持ってますよね?死傷者出てそう。
1F右手展示室入ってすぐ秘仏《木造牛頭天王坐像》も、インパクト大。
下の虎が可愛らしい。


【本館1F 体験コーナー】
こう言うとファンの方に怒られそうですが、刀剣と茶碗と面はガラスケースに入ってるのを見ても何だかな〜と思ってしまっている素人です。
もっと知識があればガラス越しに見ても楽しいのかもしれませんが、刀剣や茶碗は持ってみたいし、面はそれをつけて舞っているのを見たいと思ってしまいます。
(万に一つ、持っていいよって言われても、恐れ多くて触れないと思いますが)
そんな人のためにか、本館1F特別室にVR茶碗のコーナーができていました。
(すみません、3室と4室どっちだったか忘れました)
ここは、いろいろな体験コーナーがあるところなのですが、名品の形や重さを再現した白い茶碗が6つ並んでいて、目の前の大画面の映像と連動して見ることができ、ちょっとゲームっぽくもあり面白かったです。
この茶碗の作品リストないですかと聞いたら無いですと言われ、他に人がいないのをいいことに名称表示出るまで6つ触れせてもらいました。
(ホントは時間制限あり。ワガママ言ってすみません。)
需要あるかわかりませんが、記録しておきます。(っていうか、自分が予習して次あったらまた触りたい)
この展示、いつまでやっているかわかりませんが…夏くらいまではやっているとのこと。
・《志野茶碗 銘 振袖》東京国立博物館所蔵
・《黄瀬戸胴紐茶碗》愛知県陶磁美術館所蔵
・《黒楽茶碗 銘 尼寺》東京国立博物館所蔵
・《油滴天目》九州国立博物館所蔵
・《大井戸茶碗 有楽井戸》東京国立博物館所蔵
・《青磁輪花茶碗 銘 馬蝗絆》東京国立博物館所蔵


曾我蕭白《蝦蟇鉄拐がまてっかい図屏風》
トーハク平常展は、全部きっちり観ていたら時間と体力がいくらあっても足りないので、お目当て(今回は新国宝、熱国之巻、応挙写生帖)以外は、引っかかったところだけ観ています。
ワタクシ、曾我蕭白は別に好きってわけじゃない…と、思うんですが、無視できないと言うか…

曾我蕭白《蝦蟇鉄拐がまてっかい図屏風》東京国立博物館

右隻が鉄拐仙人、左隻が蝦蟇仙人。
鉄拐は自分の魂を遠くに飛ばすことができ、蝦蟇は3本脚のヒキガエルを操り妖術を使う。
「寒山拾得」みたいに「蝦蟇鉄拐図」というお題があったようです。
顔輝の「蝦蟇鉄拐図」だと、鉄拐は魂を噴き出すと、もとの体は抜けがらとなって死色を帯び、硬直しだすらしく…え?それ、大丈夫?…戻れるの?
対の蝦蟇は不良長寿を示す桃を持つらしい。
魂飛ばすにしろ、カエル召喚にしろ、役に立つとか強いとかでなく、ゴーイングマイウェイな感じがします。

曾我蕭白《蝦蟇鉄拐がまてっかい図屏風》(部分)東京国立博物館
バストアップ
鼻毛も耳毛も飛び出てワイルド
着物のぼかしはちょっと素敵と思ってしまった。
蝦蟇は伸びた爪が鋭く恐ろしい。(爪以外も怖いけど)
ブヨブヨしわしわボディ+鋭利な爪で《雪山童子図》の青鬼を思い出す。
鉄拐はピンと小指を立ててます。
曾我蕭白《蝦蟇鉄拐がまてっかい図屏風》(部分)東京国立博物館
蝦蟇仙人のガマくん
「はねる」しか出来なさそうに見えるが、そんなこと言うとボコボコにされるパターン?

蝦蟇さんは元エリート、トレードマークは前髪…らしいです。(ウィキペディア)
鉄拐は八仙のメンバーですが、蝦蟇は準レギュラーぽい。
なぜこの二人がペアなんだ?


為家本時代不同歌合絵ためいえぼんじだいふどううたあわせえ

古典は勉強したいなあと思いつつ思いつつ…
誰か分かって、内容も分かったら、とても楽しいと思います。
紫式部だけは展示の横に名前がついていますが、他の人はかろうじて読める範囲で当たりをつけてみる…でも全然読めない人が多いです。
男性はキャラが強めで観ていて面白い。
特に目を引いた二人…

《為家本時代不同歌合絵》(部分)東京国立博物館
52番 紀貫之
小憎らしいと言うか、太々しいと言うか、余裕ありそう。
《為家本時代不同歌合絵》(部分)東京国立博物館
58番 壬生忠岑
片膝をついている?
身分の低い下級武士だからでしょうか?

調べようと思ったらすでに かわかわ さんが記事をアップしてくださっていました。大変、勉強になります!ありがとうございます。


【1F16室アイヌと琉球】
現在、アイヌの展示が多め。
静嘉堂@丸の内で『画鬼 河鍋暁斎×鬼才 松浦武四郎』を観たばかりなので、「これがアイヌ玉かー」などと、眺めていて楽しい。

タマサイ(首飾)東京国立博物館蔵

【東洋館】

多彩釉画像タイル(イラン北西部)東京国立博物館蔵
鉄器時代・前8〜前7世紀
砂を含む赤褐色の胎土
ウルミア湖周辺の地方文化のものと考えられる
「眼の偶像」東京国立博物館蔵
伝シリア、テル・ブラク出土
後期銅石器時代3期・前3800〜前3600年頃
アラバスター

関連ページ

↓ 美術展ナビ レビュー(読売新聞デジタルコンテンツ部美術展ナビ編集班 岡本公樹)

↓note かわかわさんのレビュー

藝大アートプラザ

存在は知りつつ、前を素通りするだけだった藝大アートプラザ。
note で薪さんが楽しそうな企画展を紹介なさっていたのを思い出し、思い切って入ってみました。

↓薪さんのnote
 このページの一番下で藝大アートプラザの企画展「藝大動物園」を紹介なさっています。この企画展、全く気がついていませんでした。ありがとうございます!

写真撮ってきていませんが…
パンダな熊さんには入り口で会えました。(作者不明、非売品)
展示では、ねがみくみこさんの作品が特に印象に残りました。

《由一補完計画》トートバッグ1200円、買おうかグラグラ悩みつつ、トートバッグいっぱい持ってるしなあと我慢。
お弁当箱は私が行ったときはありませんでした。あったら危なかった(かも)。
楽しいグッズ以外にも、普段使い出来そうな木のお皿や陶器もあり。
近くに行くことがあれば、また寄ってみたい。

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