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[report]『新版画の沁みる風景-川瀬巴水から笠松紫浪まで』


開催情報

開催日:2024.1.5.fri-2.4.sun
場所;川崎浮世絵ギャラリー(神奈川県川崎市)
入館料:一般500円

内容:大正初期より制作された新版画の風景画を中心に公開
   川瀬巴水、笠松紫浪、土屋光逸、橋口五葉、吉田博など約90点

主な登場人物

  • 渡邊正三郎(1885-1962)
    版元。明治以降、西洋文化に押され、浮世絵木版画が衰退していく中、伝統的な浮世絵木版技術をさらに昇華させ「新版画」運動を起こした。

  • 川瀬巴水(1883-1957)
    浮世絵師。「昭和の広重」(本人は否定)
    伊東深水の「近江八景」に感銘を受け新版画へ進む。

  • 笠松紫浪しろう(1898-1991)
    浮世絵師。鏑木清方の門人もんじん。「最後の新版画家」

  • 土屋光逸こういつ(1870-1949)
    浮世絵師。小林清親の内弟子。

  • 橋口五葉ごよう(1880-1921)
    版画家、装幀家。「大正の歌麿」
    新版画作家として活動開始直後、急死。

  • 吉田博(1876-1950)
    版画家、洋画家。
    世界を旅して、西洋の表現を日本の版画に取り入れた。

  • 高橋松亭しょうてい(1871-1945)
    浮世絵師。松本楓湖ふうこの門人。

  • 小原古邨こそん(1877~1945)
    花鳥画の絵師

  • 伊藤深水しんすい(1898-1972)
    美人画家、浮世絵師。

  • 名取春仙しゅんせん(1886-1960)
    版画家

  • 石渡江逸こういつ(1897-1987)
    版画家。川瀬巴水の門人。

単語

  • 【新版画】
    大正期に版元の渡邊正三郎と当時気鋭の画家、彫師、摺師の協業により制作された木版画。

  • 【私家版】
    画家自らが版元になった版画

章構成…覚書を添えて

  1. 第一章 新版画のはじまり
    ---渡邊正三郎の「新版画」運動
    高橋松亭
    チャールズ・ウィリアム・バートレット
    エリザベス・キース
    ノエル・ヌエット(参考)
    小原古邨(参考)
    伊藤深水
    川瀬巴水<元箱根見南山荘風景集>

  2. 第二章 川瀬巴水の風景画
    川瀬巴水<東京二十景>
    名取春仙(役者絵)

  3. 第三章 私家版の風景画
    ---画家自ら版元になる
    橋口五葉
    名取春仙
    山村耕花
    吉田博<桜八題>
    織田一磨
    伊藤孝之
    奥山儀八郎

  4. 第四章 昭和期の風景
    ---多くの版元が新版画に参入した
    笠松紫浪
    土屋光逸
    石渡江逸
    川瀬巴水

感想

全体としては、川瀬巴水と吉田博が多いですが、初めて見た(知った)版画もあり、コンパクトながら見どころありました。
1章のバートレット、キース、ヌエットの版画が新鮮だった。
4章のちょっと前の、でももう失われた昭和の風景画も良かった。石渡江逸好きです。
…いや、どれも良かったんですが。

川崎浮世絵ギャラリーについて

JR川崎駅 北口東より ほぼ駅直結のビル3F
コンパクトだが、約4000点の浮世絵を所蔵


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