血の記憶、現生記憶の境目

血の記憶は現生以外の先祖の記憶であり、私の中に流れる非物質的な記憶だ。私でありながら、私の家系的な記憶にアクセスするという行為で、私個人に所属する記憶ではない。この境目をどこに見つけるかが問題となる。私の苗字に該当する体と非物質的な肉体の接点を見つける必要がある。
遺伝的には、先祖に共通する身体的な特徴が色濃く現れる部位から抽出する必要がある。顔など、身体的に親族に共通する幾何学的な図形を抽出する方法があるのではないか。例えば、家紋も本来はこれに近い使い方だったのではないか。家系の範囲の定義によってこの図形は変わるのではないか。

人は無意識に自分でかけているフィルターがある。その中に個人的なフィルターもあれば、非個人的との境界には家系的フィルターがある。その向こう側に都市、国家的なフィルターがある。一つずつ過去の記憶やマイルストーンとなる記憶を思い出すことによって、意識化することができるのではないか。
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私の希望は忘却を滅することだった。必ずどこかに記憶や意識があるはずで、全てを忘却しているとは思えない。

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