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愛憎半ば。

6月25日(日)
あやうく2日坊主で終わるところだった、この日記。
なかなか書けない日が続くと、また書こうと思うまでのハードルが勝手にあがる。
でも今回はどれだけ書けなくても、また唐突に何の脈絡もなく書き始めればよいと思っていたので重い腰を上げてみることができた。

書けなかったあいだにいろいろあったり、なかったりで書くことがたまる。

なかった方から書くと、端的に言って集客がない。
前回の日記にもまったく来なかったと書いていたのだけど、それからまったく来ないということはないにしても本当にお客さんが減ってしまった。
6月にはいってぱたりと。
雨が多いというのはひとつ理由としてあるけれど、そうは言っても晴れてる土日もなかなか来ない。
個人店のつらいところはここだと思う。
人が来なくても店は開けておかないといけない。万が一誰かが来たときに、営業しているはずなのに閉まっているとなると、もうその人は二度と訪れてくれなくなる。特にこんな僻地に(山梨県道志村)ある場合、なおさらわざわざ来たのに閉まっていたは許されない。
やることは山ほどあって、仕事は進むけれど気持ち的には不安が大きくなる。
近づいてくる月末の支払い。
このままでは払えないんじゃないか。
来月の仕入れ、だいぶ抑えないと、、、など。
実際、26日の予定だった仕入れ日をキャンセルして営業日に切り替えることにした。

どれぐらいヤバいのかというと、25日現在で先月の売り上げのまだ半分に到達していない。いやまいった。。

お金がなくなるとつい不安になって、気持ちが下を向いてしまうけれど、でも顔をあげれば豊かな緑。
どこまでもすきとおった水、そして自由な風。
雨は雨で自然の恵み。この雨がなければわたしたちは生きられない。
そんな気持ちをダイレクトに自然から受け取れるので、まぁなんとかなるわーと前向きとまではいかないけれど、そんなに落ち込まずにはいられてる。


あったことは、テレビの取材があった。

取材に関しては、今現在はどんな取材もありがたくだいたいお話をいただけば受けさせてもらっている。
今まで、新聞とテレビ数社ずつ受けさせてもらった。

今回は山梨テレビさんのローカル番組で「矢部太郎のやまなしアミーゴス」という、カラテカの矢部太郎さんが山梨の面白い人たちを訪ね、その人がまた別の面白い人を紹介していくという笑ってイイとも方式の番組だった。

うちは電波が入らず、テレビが映らないのでまったく事前情報わからないままだったが、事前にディレクターさんが打ち合わせに来てくれて細かく流れを教えてもらえたので、あまり不安もなくやれた。

タレントさんとお話するというのも初めてだったし、矢部太郎さんは『大家さんと僕』というコミックエッセイの著者でもあり、本好きとしても知られていたので緊張したけれど、お会いした矢部さんは本当に気さくで最初から最後まで結局とても楽しい撮影。

パーソナルブックセレクトというもくめ書店オリジナルの選書サービスを受けていただき、あらかじめ答えていただいていた10個の質問を元に矢部さんに本を選ぶ。

わたしが選んだのは次の7冊
『肩甲骨は翼のなごり』デイヴィッド・アーモンド 
『エウロペアナ』パトリク・オウジェドニーク
『写真集の作り方』熊谷聖司
『山の出べそ』畦地梅太郎 平凡社ライブラリー
『月がみたい』垂井真
『レオノーラの卵』日高トモキチ小説集
(ごめんなさいあと1冊どうしても思い出せない…)
どれもおそらくあまりなじみのない本だったようで、最初とても驚かれてたけど、確かになかなか自分では選ばない本との出会いがありますねと喜んでいただけた。

矢部太郎さんは本当に裏表なく、カメラがまわっていないときにもわたしに話しかけてくれたりと、とても気遣いのある優しい方だった(まさに「大家さんと僕」そのもの)。本の話もたくさんしてくれて、個人的にもとても楽しい時間になった。


後日放送された映像を見て、わたしの伝えたいところも、ちょっとニッチなセレクトであるところも、こだわりの本への偏愛っぷりも10分の映像にぎゅっとつめこまれていて、すごく受けてよかった取材になった。
でもこれは完全に店主である自分の責任なのだけど、1つだけ猛烈な反省点が1人のお客様がお店が取材中だったため帰ってしまったこと。
これはもう完全にわたしのミスで、とっさに取材をとめてもらってお客さまをお出迎えしなければいけなかった。
ただでさえ入りづらい空気になってしまっていたのでなおさら。

顔見知りの常連さんだったので後で急いでお詫びの品を持って行けたので、まだよかったのだけどこれが初めてのお客様だったら完全にアウト。

取材は本当にありがたいし、それによって新しい出会いやつながりが生まれるのは大歓迎なのだけど、そこにいるお客様をおろそかにしたら本末転倒。本当に気をつけなくては、、、、と冷や汗がでたし、肝に銘じたのだった。

長くなった。
今月のメルマガがまったく書けていない。
ひまなのに。。

また。


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