わりと酔っているね


金があったとしても、べつにここに5000円投資する必要はない気がする、あたしだったらそうする。

あれだけ会って話したいと思っていたものの、いざ週5で顔を突き合わせなきゃいけないと思うとげんなりするな、永遠にリモートだとか新卒だけ週5とか極端なんだよなうちの会社。
間をとる、っていうことができないらしい。

この子たちとこれからもお金をかけて時間を共にすると考えると、それなら家でスプラトゥーン2をやってウデマエをxにした方がいい気がするとかすぐ思っちゃうのがあたしの悪いところだ、だけどもう人への好みはある程度固まってしまっている悲しいけど。
イッキとかいう古代の文化を強要する人間とは仲良くなれないですあたしは。サイコーの飲み会をするために生きている節のある個体だし。今日はサイコーの飲み会じゃなかったな。

あ、この女近しいかも、と思った女がかつての化け物みたいなあの子に似てる感じで、ある程度すれてて性格の悪そうな女をつい好きになりがちなんだけど、こういう女と近くなりすぎるとろくなことがない。自分が全て正しいと思っていてすぐ不平不満を言っちゃう女。あたしみたいな女。
自分に似ている女と仲良くなる必要性はないのかもしれない、自分で事足りているわけだし。
ただ、自分に自信がなさすぎるというか自分に期待しすぎてよく落ち込んでいる個体とは今さら仲良くなれそうにもない。わかるんだけどその気持ちも、でもすでにわたしは"ふくつのせいしん"みたいなものを手に入れたので、行動すればいいじゃんと思ってしまうらしいんだよな、でも地獄が来るタイミングなんてまじで人それぞれだしな。

自分がつくった夜のプレイリストが気持ちよくて自分を褒めたたえたくなる、ヒールでアスファルトを蹴ってると気持ちよくてどうにかなってしまいそうだな、なんならあれが前戯でこれが本番とかサイテーなことを思ってしまうぐらいには、ふわふわの頭で聴く夜の音楽の快感はすごい、そらみんな大麻吸っちゃうよねわかるよ。合法の国だったら吸ってた。でも気持ちよくなるだけに人生を溶かすのってちょっともったいない、気持ちよくなるためだけに全てを費やす人生しかもハッパの力を使って。楽してんねーと思っちゃうかもな自分がそこに溺れたら。
ちゃんと自分で気持ちよくなりたい、そのための人生。

社会人になる前に自分への無条件な信頼と少しの諦念を手に入れておいてよかった、一番サイコーな状態に辿りついてなくても自分を責めたり精神が死んだりはしないので。やれることやるしかないでしょだって。みんなそんなすごくないじゃんだって。
わたしにとって神様みたいな人間以外はふつーに人間である、みんな。なのにあの子はみんなを神様に祀りあげたからこんな早い段階で辞めてしまった、次の職を見つけるのも難しいだろうこのご時世に。友人は一ヶ月経ってようやく書類選考の返事が返ってきたらしい。罪だねえ。

楽しくなりたくていつもよりも多く飲んだ。
あたしの許容範囲ぎりぎりの4人。あたし含めての4人、ほんとは3人の方が好きだ。
水みたいな薄さの薄いハイボール、獺祭のロック、なんでロックにするんだろうもったいない、ジントニック、これは美味しかった濃くて。ジントニックって基本どの店でも外れがないよな、レモン酎ハイとかサワーとかよりもよっぽど。
あと最後にあらごしみかん、あれ好きな女周りにも多くて、でも酒っていうかジュースの括りじゃんと思っていたけど、美味しいを連呼する恋人に5万貸した女の同期の言葉を鵜呑みして頼んだら、ちゃんと美味しかった。そしてちゃんと飲んだ分、ちゃんと眠い。

男だからって飲むスピードが遅くてイッキさせられる世界、まじで愚か、まじでわけわかんない、だって令和だよ今。平成じゃないんだよ。ばかじゃなかろうか。
そんな酒の飲み方をあほみたいな飲み方を大学で習得してこなかったから、社会人になってもそんなくそつまんねーことを言ってくる個体が存在するなんて信じられなかった。
イッキなんてしなくていいよ君は。弱い子が頑張って飲んでる姿かわいーそそるとか同性でも異性でも言われたら顔をしかめてしまいそうだ。酒をそんなふうに飲むのがださいという視点の有無は、コミュニケーションの取り方の違いなんだろうか。でもわたしも楽しくなりたいからいつもより多く飲んでて、だから人のことは何も言えないんですが。
頼まれない限りは強要しちゃだめだって超絶当たり前のことなのに、酒の場ではみんな忘れてしまうんですね。クラブの歓迎会も、イッキとかハンキとかいまだに思うハンキってなんだよあほかよとりあえずそういうものを経て初めてわかりあうみたいな精神がわからなくてやっぱパリピの感性はわかんねー辞めよ、と思って制服も口紅も置いてさっさと次に行ったことを。
あの口紅シャネルだったのに、前のバイト先の人間がくれたわりとかわいい色だったのに。残念だな。

期待しすぎていただけなんだろうけど、ていうか2ヶ月ぶりに会う他人に喜びすぎていただけなんだけど、でも眉を潜めてしまう焼肉にも勝ってるぐらいのきつい香水の香りとかオンラインだとわかんなかった背の低さとかそれに比例するような人の間を縫って歩くときの自信なさげな挙動とか、やっぱオンラインじゃなんもわかんない、魅力の塊は生身で打ちのめされるぐらいの魅力がいちいち目を刺してくるから魅力の塊なのだ、熊田にとっての向伊みたいに。
わたしが一番信頼している男は要約するとお前はもっと人間として他人を好きになるべきで獣としての見方を控えるべき、だからオンラインで面白いと思った人間を好きになるべきそうすればクソみたいな男を好きにならなくて済むと言っていたけど、まあやっぱ電子とリアルは違うよ、あたしはリアルの方が大事だよ。今はまだ。

いつも家に帰ると姉や母親に楽しかった? と訊かれる、あたしも訊くのでその気持ちはよくわかる、なんの気なしの問いでだからそれに対していちいちくそ真面目に答える必要はないんだけど、それでも楽しかったと即答できない日はやっぱリモートワークのままでもよかったのかなとか思ってしまうのだ。我儘なので。
大学だって4〜5年というふるいにかけてようやくめちゃ好きな人間に会えたのだから、それぐらい長い気持ちじゃないと無理だと思う、まじで。そしてそこまでいたいと思うのだろうかとも思う。結局どこにいっても好きになれる人間なんて1〜2割だな、やっぱな。同期全体での飲み会とか絶対つまんねーわこれ。みんな性格いいしネタでおまえホモやろとか自分の世界の見え方が全てみたいなマジョリティ爆発させたこと言うしイッキさせるしまじこれ大罪、だけどそういう人たちがいてくれるからあたしにとって大切な個体を見失わないんだな皮肉なことに。誰かを尊敬したいし誰かに打ちのめされたい。ひどく。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?