見出し画像

武藤敬司引退試合〜side of noah 虹の翼を持つ清宮海斗〜

2.21武藤敬司引退試合に行ってきましたー。ドームでのプロレス観戦は05年のノア以来なので18年ぶりくらいですね。レジェンド武藤の引退興行かつ様々な団体から選手が出場。オールスター戦のテイストもあったこの大会ですが、セミとセミ前はノアと新日本によるジュニアとヘビーの現役王者同士の対決。過去には成し得なかったカードが組まれたという意味では後世にも残るエポックメイキングな大会。武藤引退を鍵にして新しい扉が開かれた。そんな印象を強く感じましたね。

さて実際の試合について。前提として私はノアファンなので新日本の選手に関する知識は薄いです。しかしそんな私であっても「オカダ・カズチカと高橋ヒロムと内藤哲也はドームでの戦い方を熟知してるなあ」という印象がまずありました。特にオカダ。前述した通り私はドームでのプロレス観戦自体が久しぶり。毎年の1.4は映像でしか視聴してません。そんな私は今回会場で観戦してオカダの持つ力に圧倒されました。ドームという大会場でも観客の目をビジョンではなくリングに向かわせる。彼の持つサイズ感はドームにとても映えます。今回のオカダは清宮海斗の攻撃にカウンターを撃つシーンが多かったのですが、それも「俺は無駄に動かなくてもスタンドまで自分の動きを伝えることができる」という自信ゆえかもしれません。サイズという自分の武器を活かして、王者として堂々と受け切る試合をできる。それをドームのスタンド席まで伝える。このあたりはやはりオカダに軍配が上がりますし、清宮の完敗という表現をされても文句のつけようがないと思います。もちろん清宮も横と縦の動きで奮闘はしましたが、ドームのスタンド席まで凄みを伝えることができたか?と問われるとなかなか難しいです。配信視聴であればまた印象は変わると思いますが、少なくともドームで見る限りはオカダの凄みが強く印象に残りました。

ではオカダにサイズの劣る清宮ではドームでインパクトを残せないのか?ドームという大箱でサイズ以外でどう戦うか?その解の一つがセミ前の高橋ヒロムかもしれません。ジュニアだから空中殺法で飛び回ればいい。そうではなくしっかりと緩をつけることで、急の特徴を活かす。高橋のこれは卓越してましたね。切り返しプロレスと揶揄されることもありますが、そこに緩急があるので単なる大技発表会にはしない。サイズがなくてもドームでの魅せ方を熟知している。AMAKUSAも急の部分ではインパクトを残せましたが、高橋との差は緩にあった。ドームという大箱であっても、緩急をしっかりつけることでスタンド席まで凄みを伝えることができる。そんな感想です。

清宮もAMAKUSAもドームでの経験はないわけで、経験値を積めばこれから先もっと伸びる。そう思う反面「現状のノアよりも大箱経験が少ないあの団体の選手たちがひとしきり暴れてインパクトをとった(これはside of ajpwで触れます)」という部分もあり。一概に経験値で新日本との差を埋められるとも言い切れないところではあります。

また今回清宮の敗北について、悔しがるファンよりも「まだまだ清宮には先があるから」と感じるファンのほうが多かったように思えます。しかしそれは「清宮海斗の敗北でファンが嘆き悲しむくらいノアの中で絶対的な存在になっていない」。それを示していると思います。戦前オカダは「ノアファンに絶望を与える」と言ってました。それは「清宮海斗がノアのエースだと認めた上で」「彼を倒すことでノアファンを絶望させる」という意味だとするならば。ある意味でオカダはノアファンよりも清宮を評価していたのかもしれません。

頂上決戦を終えたので新日本との対抗戦も一段落かなと思います。これからノアに必要なのは「対抗戦で敗北したらファンが絶望する選手」を作ることではないでしょうか?奇しくも清宮海斗の前には潮崎豪が。AMAKUSAの前にはHAYATAが。二人の前には王者ではなくても象徴とも言える選手がいます。こうした内部での戦いでファンを熱狂させることで、スーパーエースが生まれると私は思います。

大丈夫。きっと大丈夫です。だって清宮海斗は「雨の後に空を照らす虹のような選手(by松井珠理奈)」なのですから。彼は虹を翼にして大空を飛翔し。いつか再び天上にいる新日本に挑み越えようとするでしょう!

side of ajpw 再会と邂逅 普段着で暴れた3匹の怪物達〜はこちらから!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?