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11.22横浜武道館〜プロレスリングノア

Twitterでハッシュタグ「#ノア横浜裁判」がトレンド入りし、観客動員も好調、Abemaでもチャンネル累計10万視聴回数突破ととても良い雰囲気でノアの横浜武道館大会が終了しました。※Abemaでも視聴出来ます。

最注目だったメインの潮崎VS中嶋のGHCヘビー防衛戦。8.30に袂を分かった二人の決着戦は「なぜそこまで激しい攻防をしなければならないのか?」と言いたくなる試合でした。序盤からエンジン前回でスタートし、潮崎は断崖式キャプチュード、中嶋は非情な腕攻めなど凄みのある攻防が続きました。個人的に響いたのは中盤以降の打撃戦です。お互いの意地とプライドを賭けた潮崎のチョップ、中嶋のキックの打ち合い。チョップもキックも技としては単純です。やろうと思えば素人でも出来てしまいます。しかしそれを「プロの技」として昇華し、相手の攻撃を耐える鋼の肉体を持っているからこそ、単純な打撃の打ち合いが「お金の取れる攻防」へとなります。まさに潮崎と中嶋のそれは「お金の取れるプロの攻防」でした。

終盤は中嶋のキックを受けた潮崎が、あわやノックアウトという状況にも陥りました。また中嶋のヴァーチカルスパイク、潮崎のムーンサルトプレス等お互いの必殺技を繰り出すも決着がつきませんでした。そうした「真夏の60分フルタイムドローの再現か?」と思わせる場面もありましたが、最後は己の誇りを込めた潮崎が豪腕ラリアットで中嶋の意識を断ち、中嶋を降しました。

なぜ満身創痍の潮崎があそこまで耐えることができたのか?なぜ中嶋は潮崎の攻撃を受け続けても、あそこまで耐え続けることができたのか?そこにプロレスラーのプライドを垣間見えることができました。相手の攻撃を全て受けてそれを跳ね返す。それはかつて創始者三沢光晴が体現していたことです。そうした三沢の精神は、後に日本テレビの平川健太郎アナウンサーが語ったように「三沢光晴はプロレス界の宝、俺達の誇りです」というべき内容でした。ノアの創立から20年がたち、様々な変化がありました。しかし変わらずに残り続けていたのが、そうした「相手の全てを受けて立つ」というスタイルや精神です。

中嶋は元々相手の技を受けきって勝つというスタイルではありません。中嶋が勝つことだけに執着して、あそこまで潮崎の攻撃を受けなければ。もしかすると中嶋が勝利していたかもしれません。中嶋がそれをしなかったのは「潮崎の土俵に乗って勝つ」というところにこだわったのではないでしょうか?相手のスタイルで戦って勝ってこそ真に相手を超えたと言える。そのあたりは中嶋の美学なのかもしれないですね。

そして勝利した潮崎。どんな攻撃を受けても立ち上がり、最後は反撃して相手に勝つ。こうした試合ができるレスラーがいる。それが完全無欠の王者として君臨している。これは本当に嬉しいことです。大げさに言えば「潮崎がいるから俺たちは胸を張ってノアファンだ」といえるのです。コロナの第三波など先の見通しがつかない世の中です。生きていく上で、それこそ「攻撃を受けて倒れそうになること」だってあります。そんな時代だからこそ「どんな攻撃を受けても最後は立ち上がり、相手に打ち勝つ」という姿を潮崎が見せてくれるのは本当に励みになります。ぜひ辛さに負けそうなときにこの試合を見返してほしいですね。

そしてもう一点。今回の横浜大会はとても良い雰囲気でした。私はAbema組でしたが、第一試合の矢野の気合の入った試合が口火を切り、メインまで非情にバランスの良い試合構成でした。そうしたレスラーだけでなく、セミの入場と試合後に盛り上げた松井珠理奈と蝶野正洋。また選手の試合当日会場入り動画や、素晴らしい煽りVを作り上げたノアの裏方チーム。それだけではありません。会場で「声を出さず」力強い拍手で応援したファン。全国でAbemaを視聴したファン。そうしたノアに関わる全てのメンバーの思いが一つになったからこそ、こうした素晴らしい大会になったと思います。ノアに関わる皆さんに心から感謝します。ありがとうございました!

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