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【木曜日】 サンクコストがサンクしてくれない

先日ホンマでっかで、「一度ポイントカードを作らないと決めたら、途中で作ることが出来ない。失ったそれまでを振り返ることができない」と主張する、かまいたち山内さんに対して、門倉先生が言ってたんですよ。

「サンクコスト(埋没費用)の呪いにかかっている」

と。どうしても戻ってこないお金(サンクコスト)のことは、一切考えずに行動するのが経済学的には良いとされている。サンクコストを気にしていたら、株式投資の損切りが遅くなる。と。

そのようなことを仰ってたんですが、これって育児におけるアンガーマネジメントにも同じことが言えるなあ、と思いました。

どれだけ怒り続けても、子ども相手にその怒りを補填する何かは永久に回収出来ない。負けが込むだけ。信頼を失うだけ。

今日は久々に荒れました。

ここ最近は気候が良いので、お友だち家族とピクニックしたり、なんせ公園にお出かけする日が多かった娘。刺激が強かったのか、はたまたそういう時期なのか、疲れが出ているのか、ここ数日はマイワールドが強めで、じーっとしたりぼーっとする時間が多かったり、気性が荒かったりするので、昨日今日は家でゆっくりしようとお出かけは止めにした。

気性が荒くなるとオペレーションの難易度が一気に上るのが、食事や歯磨き。特に昼ごはんは、眠くなる時間帯ということもあって最難関となる。

しかも条件の悪いことに、私の体調があまり良くない(PMS)ことに加え、いつもの義父母とのテレビ通話なし、在宅ワークの夫も所用で出かけているときた。これは私にとってかなり痛い。

なのに、ちょっとチャレンジしてしまったのだ。かぼちゃの煮付けを食べてくれると分かって、調子に乗って「ブロッコリーのカレー粉焼き」みたいなのを作ってみたのだ。カレールーを削ったりして。

かぼちゃの煮付けを「おいしいね」と言ってもらえたから、余計に欲が出たのかもしれない。それは久々に聞く「おいしいね」だった。ほんの数ヶ月前までは、「うまいうまい」「おいし!」と言ってパクパク食べてくれていたのに、ここ最近めっきり聞かなくなった。

当然、ブロッコリーという緑色の塊を前にして、娘は頑としてそれを口に入れようとはしない。あの手この手を尽くしてみても駄目だった。皿をぶちまけられ、高野豆腐の煮物の汁がカーペットに染みた。

もうそこからは地獄絵図。娘は泣きわめき、私は大きな声を出てしまったし、髪を引っ張ってくる手を弾き飛ばしたし、大きな音を立てて食器を置いたし、食べないおかずをカウンター越しにぶん投げてシンクにシュートしようとしたら、ワンバンして床に落ちた。

食べないと分かった時点で、ブロッコリーという名のサンクコストを本当にサンクさせればよかったのだ。ディスポーザーにかけて、存在もろともなかったことにして、緑ものを食べてくれなかったことなど忘れれば良かったのだ。

何度も食べさせようとしては拒否された私は、もうどうでも良くなって、好物の食パンをバンと出し、性格の悪いことに、「好きなものだけ食べて生きればいい」とお菓子(ハイハイン)まで与えた。

好き嫌いって、こんなに難しい問題だと思わなかった。

それは、単に娘が食べてくれないとかそういうことではない。実は、ちょうど昨晩、夫の好き嫌いについて夫婦で喧嘩をしたところだったのだ。

うちの夫は徹底的に嫌いな魚介類がある。数も多い。そしてそれは私の大好物でもある。そのことで生じる家族の食卓での問題のために、夫が好き嫌いを直すべきか、否か。

正直、私は好き嫌いがない。絶対に食べられないという神経が、まるで分からない。「嫌いな物」の欄に決まって書く「プルーンとレーズン」でさえ、嫌々ながら食べられる。どんなに苦くて不味い漢方だって、飲むことができる。

それは、私が「自分の好き」への嗅覚が鈍いことと関係しているのだろうか? 幼い頃、毎年正月におせちの中の「くわい」を嫌いだと言っては、「芽が出るから一つは食べなさい」と言って親に無理やり食べさせられていたことと関係があるのだろうか?

絶対に嫌いで、どうしても食べられないという感覚が分からない。分かる必要もないと思っていた。だけど、絶対に嫌いでどうしても無理なものがあるということが果たして悪なんだろうかと考えたとき、分からなくなった。

家族の食卓のために、娘の教育のために、前向きにチャレンジする気持ちは持っていてほしい、と伝えたところ、夫は「確かに、長らく(好き嫌い克服への)努力をしていなかった」と言って謝ってくれた。

だけど、娘は。

「好き嫌いしない子に育てるべし」と言えど、そんなに簡単なことではない。これまで噂には聞いていたけれど、なんせ娘が何でも食べる子だったから他人事だったんだろう。食べないと決めた子どもの食べなさは凄い。それを無理やり食べさせストレスを与えてまで、克服すべきものなのか。

などと悶々としていたら、夫の会社の同僚がコメントをくれた。そこには、「絶望的なお知らせですが、それは程度は変われどもそこそこ大きくなっても続くので、今のうちに大人がそこまで深刻に捉えない、というメンタリティを獲得するのが重要になってきます」という格言が記されていた。

そうだよなあ。

あらゆる方面から、「大人が深刻にならないことが肝要」といった前情報は得ていたのだけれど、結局のところ、自分がその道を通ってみないと分からない。子どもの健康を思えばこそ、気づけばムキになっている自分がいる。そのときになって初めて、ああ、あれはこういうことを言っていたんだなと痛感する。

そんなことが育児には山ほどある。

とはいえ、じゃあ野菜を食べさせる努力を全くしないでいく、ということではない。なんだかんだで私は、チャレンジはしていたい。

だからこそ、サンクコストにはきっちり見切りをつけなくちゃならない。「あーん」して嫌がられたら、もうそれで負け。試合終了。潔く負けを認めるべきなのだ。損切りをすべきなんだ。株式も、ブロッコリーも。

肝心の娘とはそのあと、夫が帰ってくるまで喧嘩が続き、泣き通しの娘は夫に泣きついて、私が近づくとドアを閉めて嫌がった。ああ、信頼を失うってこういうことなんだな、と激しく自己嫌悪し、娘にごめんなさいと言って寝かしつけを夫に頼み、自分はその場をあとにした。

後で聞くと、そのあと娘は1時間以上、眠りもせずゴロゴロしていたらしい。

ようやく眠りに落ち、ひと寝入りしてから起きた娘は、いつものように「おっかえり!」と私のもとに駆け寄ってきた。また、ごめんねと言って私はグズグズする。自分の醜い部分を、娘にも晒してしまったし、自分にも晒してしまった。育児をしていなかったら、見なくて済んだはずの自分。

いつもは夫が娘と風呂に入るのだけれど、今日は残り、少しでも娘と良い時間を過ごしたくて、私が一緒に入らせてもらった。湯船の中で目を見て話をして、ぎゅっと抱きしめて、ホカホカになった娘は、「そろそろ出よう」という私を引き止めて、それからまたもう少し、私と湯船の中でぴったんこしていた。

かなり感傷的になっちゃったんですが、まず間違いなくこれはPMSのせいなんですが、これのなにが一番悲しいって、まだ生理まで1週間あるという事実。

はやない?
PMSのスタートダッシュはやない?

今週頭から、徐々に寒気が強くなってきて、いよいよ今日はもう寒さがどうにもできなくなって、夕飯食べてさらに寒気が増して(ご飯を食べると寒くなる体質)、今、背中にカイロ一枚、靴下2枚、ペラペラの股引(?)、ユニクロの極暖インナー(上)、普通のパジャマの上にユニクロの暖パンとユニクロのウルトラライトダウン、の上にパタゴニアのフリースベスト、という出で立ちです。ほんとは家の中ではカサカサしたくないのに。

それでも別に、暖かくはない。
寒い。
寒気って底なし沼。

当然、今日の私の堪え性のなさもPMSによるところは大きいと思われます。だからOKというもんでもないですが。

なんせ今回はちょっと前振りが大きい。前回の生理が比較的軽めだっただけに、今回重そうで今からブルー。ユニクロ何枚着りゃいいんだ。

沈んだ回ですみません。いつもいつもキャッキャウフフと幸せオーラ満開というわけにはいかないのが人生。

というわけで今回は、PMS期+イヤイヤ期+ワンオペのコンボで闇落ちし、好き嫌いについて哲学することになった木曜日でした。

先週は木曜日ポイントに言及することを忘れてて、忘れてることに気づいたのすら翌日という体たらくですが、今日も言及はしません。だって低そうなんだもの。

それより、さっさと寝よう。

ここ最近Twitterにもあまり浮上していない私ですが、理由は明白で、「たいへんよく眠っているから」です。これはもちろんPMSによる眠気のせいもあるけれど、「よく寝たら体がスッキリする」という宇宙の大原則に改めて気づき、「っていうかそもそも、自律神経失調症で困っているなら、何よりもまず規則正しい睡眠を取るべきなんだよな」っていう人類の真理を再認識したからです。

あー、寝るの気持ちえー。

明日さえ乗り越えれば週末なので、どん底の寒気の中、娘と丁寧に関われればと思います。お守りとして、#食べない子をお持ちの皆様うちの子のメニューを聞いて気を楽にしてください のハッシュタグを検索履歴に残しておこう。

寒くなる季節、いつも以上に養生して過ごしたいところ。

せっかくなので、私とくせい、私のためのスープを置いておきます。木耳は腎に、クコの実は血の巡りに良くて、海老は…なんだっけ、滋養強壮かな。

(にしても木耳おおすぎ)

おやすみなさい。

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