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「人に頼ることは悪じゃない」「仕事はバトンパス」SHEmoney松尾さんが掲げる仕事で大事にしていること

本記事は、オンラインキャリアスクール『SHElikes』のインタビューライティングコースの課題として執筆しています。

■記事概要
・形式:インタビュー映像を見て、取材原稿を執筆
・テーマ:「仕事をするうえで大事にしていること」
・想定媒体:Woman type https://woman-type.jp/wt/feature/
・想定読者:Woman type の既存読者・潜在読者
・字数:2,000〜3,000字程度
・与えたい読後感:明日からまた仕事を頑張ろう、私も何か挑戦したい

オンラインキャリアスクールSHElikesより

「人に頼ることは悪じゃない」「仕事はバトンパス」
そう語るのは、SHE株式会社で女性向けのマネースクールSHEmoneyのブランド責任者を務めている松尾さん。

リクルート会社へ新卒入社を経て、憧れだった新規事業立ち上げのためにSHE株式会社へ転職。20代で「安泰」から「挑戦」へと大きなキャリアチェンジを果たした松尾さんが日々仕事をする上で大事にしていることとは何なのだろう?

話を伺う中で見えてきたのは、仕事で関わる全員と密なコミュニケーションを取ろうとするたゆまぬ努力の姿。一体そのマインドとは?

●『SHEmoney』とは
・家計管理から資産運用の実践までを体系的に学び、「自分らしい資産形成ができるようになる」マネースクール
・自分にとっての豊かさはどういう状態なのかのゴール設定から始めていき、実現させるためにはどのように資産形成を進めたらいいかというプランニングをしていく

●松尾さんのこれまでのキャリア
・大学のときにシリコンバレーの近くに留学をしていた経験  
・IT技術やプロダクトを作る人への憧れを抱き、新規事業に携わる仕事がしたいと思うように
・事業開発ができる人材になることを目指してリクルートへ新卒入社
・副業でSHE株式会社のキャリアコーチを務める
・リクルートで働きながら起業家たちに事業アイデアのフィードバックをもらっていた矢先、SHE株式会社の福田社長と意気投合
・SHE株式会社への転職を決める
・新規事業『SHEmoney』を立ち上げる

1.紋所をつくりたかった

安泰から挑戦を選んだのは

ーーーリクルートから転職されるって結構大きい決断だったと思うんです。安泰からスタートアップ起業へと挑戦を決断されたのはなぜですか?

そうですね。20代で何かをやりきったキャリアを積みたいっていうのがもともとの思いとしてあって。私は結婚をしているんですけれど、例えば出産前後で例えキャリアから一瞬離れたとしても「ここまでやってきた」という、紋所みたいなものを作っておきたかったんです。

今はあくまで働いてる女性の方々をメインのターゲットにはしているんですけれど、ゆくゆくは女性に限らずともジェンダーレスにしていきたいと思っています。年齢のところも別に区切る必要はあんまりないかなと思っていて、もっと若い世代の中学生とか高校生に向けて金融教育をしていきたい。個人的には自分の母校でSHEmoneyの授業したいなと思っています。

ーーー自身のキャリアの紋所をつくる。産休などで退職して組織に所属しなくなっても、その紋所があることによって次のキャリアをまた再開できる、ということですね。

2.会社のwillと個人のwillを大事にしたい

仕事をする上で大事にしていることは

ーーーブランド責任者として、仕事をする上で大事にしてることってありますか?

コミュニケーションの中で大事にしているのは、心理的安全性かなと思っています。リクルートに勤めていた時は結構厳しいコミュニケーションだったんです。それももちろん大切な観点なんですけど、特に新規事業の場合は正解がないので、理詰めするというよりもラフにコミュニケーションをとれるように気をつけています。

普段からいろんなアイデアが出やすいように、まず「いいね!」って言って、じゃあもっとこうしたらいいよねっていうような感じで。正直思いつきのものが当たる可能性もあるので。

新しいメンバーが入ったときには「未来を考える会」みたいなこともやっています。仕事をする上で頑張れる指針になるものって、事業としてやりたいっていうwillとあと個人が持ってるwillの重なりがあることがすごく大事だと思っているんです。

言われたからやるんじゃなくて、自分の意思がこうしたいから関わっているっていう意義付けみたいなところがすごい大事だと思っていて。だから、「そもそもなんでこのSHEmoneyに関わりたいと思ったのか」とか、「ここで成し遂げたいことが何か」ということを、社員も、業務委託の方も、副業でスポットで入ってる方も全員と話してコミュニケーションを取るように心掛けています。

全体のコミュニケーションとしては、毎月オフラインで集まってミートアップをしていますね。先月の自分と今月の自分を比べてみてどうだったかを振り返って内省できるような場を設けています。

ーーー事業としてのwillと個人が持ってるwillの重なり。何に対して頑張りたいか、自分の根源的なところも含めて一緒に考えていくんですね。

3.人に頼ることは悪じゃない

心が折れそうになったときの乗り越え方は

ーーー体力的にもメンタル的にも折れそうだったときはありましたか?

はい。SHEmoneyを立ち上げるにあたっての最初の仲間集めがとても大変でした。そもそも私は銀行とか証券会社の経験はないので金融の人にツテがあるわけでも全くないですし、詳しいわけでもなくて。

そんな中で金融業界のプロフェッショナルの方たちに話を聞いてもらわなくてはいけなかったんです。片っ端から個人で独立されている人たちに何百件ってメールを送って電話して。その中でようやく数件ぐらい、「話聞いてもいいですよ」っていう方にアポを取り付けて、事業についてのビジョンを話すというような感じでした。

でも、キャリアをずっと金融で積まれてきている方からすれば、「素人が、ポッと出の人がきたぞ」と思われてしまうこともあって、2時間くらい説教されてしまうこともありました。新参者が参入する領域ではないとか、結構厳しい指摘を受けることを繰り返していた時期は、「ちょっときついなぁ」と思いましたね。

ーーー「自分が折れたらいけない」っていうプレッシャーもあったと思うんです。どのように乗り越えられたんですか?

「目的に立ち返る」ことかなと。内省の時間を取って、ノートに何がモヤモヤしているかとか不安なのかとかを書き出したり、モヤモヤした状態で人に話して誰かに整理してもらったりとか。

「正直ここ行き詰まってるんだよねー」とか、「もうつらーい!」とか、仲間たちに悩みをシェアすることで乗り越えてきたと思います。1人で解決しようとするときついけれど、シェアすると負担が減るというか。メンバーもいい人たちしかいないので「どうしたんですか?」「話聞きますよ」って言ってくれます。あんまり格好つけずに話してますね。

ーーー最初からそのようなコミュニケーションは取れる方でしたか?

もとからできたわけではなくて、リクルート会社での挫折から今の自分のマネジメントスタイルが確立されていると思います。入社3年目でプロジェクトリーダーをした時は、戦略が描ける、先導できる、いわゆるトップダウンのような引っ張っていくリーダー像が正解だと思っていて。一生懸命に頑張ってたんですけど、でも自分のスタイルとちょっと違うなと感じていました。

そこで一度立ち止まって、リーダーにも2種類いていいと思ったんです。リーダーシップを発揮する人は発揮すればいい。私はフォロワーシップの方だなと。

メンバーに、「私はここ出来ないんだけど得意ですよね?」「ちょっと助けてくれませんか」というようにコミュニケーションをガラッと変えたら、結果そのプロジェクトで史上初の成果を出すこともできたんです。

ーーー自分の抱えてることを言えない方や、「出来ない」と言えない方に対してはどんな風に寄り添っていますか?

例えば、自分で全部仕事を抱えて期日ギリギリで出来ないということってあると思うんです。でも、そもそも人に頼ることって悪じゃないし。頼ることは全然是だと。

本当に成果を出したいとか、事業成長させたいのであれば、頼ることが悪だという思考は捨てていいと思うんです。だから、「結果的に色々な人の手を借りて最終的なアウトプットが良かったら、そっちの方がいいんじゃない?」というように伝えてはいます。

普段から表情や表現へのセンサーは働かせるようにはしていて。最近悩んでそうだなと思った瞬間に「ちょっとご飯行く?」「ちょっとコーヒー行こっか」という感じで1on1を入れるようにしています。

ーーー目の前のメンバーがどういうこと考えていそうとか、常に想像したり人の感情に敏感でいたりすることって、根底には愛とか優しさとかがあると思います。松尾さん、いい上司ですね。

4.想像力を持って働く

コミュニケーションの時間の作り方とは

ーーー人のために使う余力や余白は意識して作っているんですか?

上司から学んだことですが、「暇な時間をつくる」ということをタスク管理しています。就業時間内に1時間は余白を作れるように、他のタスクをさばくスピードを早めていますね。

自分の仕事の教訓みたいなところでいくと、まさに「想像力を持って働く」ということ。新人の時に自分のタスクしか考えないで仕事をしていた時期があって。クライアントに納品する仕事で期日を守らなかったから次の人が短納期でやってくださったことがありました。最終的にクオリティが下がってしまって、周りの人達全員の信頼を失うという事件を起こしてしまったんです。

それ以降「タスクはバトンパスリレー」だと思って。自分がやって終わりじゃなくて必ず次に走る人がいるから。バトンの渡し方もできるだけ走りやすいように渡して、相手への想像力を働かせて仕事に対峙することが大事なんだと思いましたね。

ーーー自分の前後にいてくれる人とか、次にどういう仕事がまっているのかに想像力を働かせるってことですよね。

そうですね。新人でスキルもなかったので、まずはスピードで勝つ、一瞬で返す。スピードで信頼貯金を作ってから、その間にスキルを身につけてクオリティが高いものを出すということを地道に繰り返すことを大事にしていましたね。

ーーー想像力と日々の速いレスポンス。周りのことを考えてバトンパスをまわすということを日々コツコツと努力されているんですね。お話ありがとうございました。



ブランド責任者という立場になっても、新人の時からの「教訓」を忘れずに仕事に取り組んでいる松尾さん。立場は違っても、仕事をする上で松尾さんから学ぶことがたくさんあったのはないでしょうか。

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