邦福禅寺は、荒陵山の西、茶臼山のみなみにありて、一隊の丘山なり。寺中庭前より見渡せば、須磨・明石・淡路鳴山をのぞみ、漂ゝたる蒼海はるかにして、北は茶臼山の溜池をひかへて、水鶏の名所たり。此ゆへに、文人墨客こゝに来り、詩を紙し歌を詠ずるも多かりき。
殊に、春秋彼岸中は普茶をいだすにより、俳人●をなし、是を賞味す。実に幽静閑雅の地なり。
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