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金山鋪の中の絵(かなやましきのうちのえ)

金山鋪かなやましきうち

鋪口しきくちより段々だん/\ほり入、うへと両方とにはみな鋪口の絵のごとく矢をいれて、大石のくづれぬやうにする也。下財げざいみなあたまをつゝみ、腹に円座をつけ、さゞいがらに油を入、ひやうそくに火をともして持行もちゆく也。此火にてあかりを取て はたらく也。風廻し口なければ、此火ともりがたし。又、水わく時は戸樋とひにて水を引上げ、大切口へおとす也。

かねほり鉑石を取ば、ゑぶ引はこび出す也。石目とて大かね有所は、げんのうにて打はづすなり。


※ 「円座」は、 わらすげなどで渦巻き形にまるく編んだ敷物。
※ 「さゞいがら」は、栄螺殻さざえがら(さざえの殻)のことと思われます。
※ 「ゑぶ」は、竹製のかご。餌袋えぶくろからきているのかもしれません。
※ 「げんのう」は、玄能。のみを叩いたりするのに用いる金槌。

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『日本山海名物圖會 一
「かねほり所」

鋪口より段々ほり入上と両方とには
皆鋪口の絵のごとく矢をいれて大石のくづれぬやうにする也
此火にてあかりを取てはたらく也
風廻し口なければ此火ともりがたし
「水ひくてい」

水わく時は戸樋にて水を引上げ大切口へおとす也
「大がねはづすてい」「かけやにて孫八を打こむ」

石目とて大金有所はげんのうにて打はづすなり
「ゑぶ引」

金ほり鉑石を取ばゑぶ引はこび出す也


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