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スーパー大家OBAとの闘い!激烈65日②〜ハードキャリーなカビ退治〜

▼前回のお話(第1話)はこちら

元旦の地震がきっかけなのか、家の壁のあちこちにヒビが入っている我が家。
そんな状況を確認しに、スーパー大家ことOBA(オバ)が我が家にやってくることになった。

OBA来訪の日程が決まってからの我が家はもう大パニックだ。
なんせ、年末の大掃除を完璧なまでに怠っていたのだ。
「今年の汚れ、今年のう〜ち〜に♪」なんてフレーズは我が家には存在しない。

廊下、階段、2階の廊下、キッチン、洗面所、風呂場。
数日後のXデーの為に、るいさんとチャンヌは死ぬ気で掃除することにした。

あぁ、なぜ普段からやっておかないのだろう。
なぜ物を適当に置きっぱなしにするのだろう。
途中まで片付けたところで止めてしまうのだろう。
そんな風に後悔ばかりが頭の中を巡る。

特に辛い箇所は風呂場のカビである。
我が家の風呂場はTHE昭和の風呂なので、防カビコートなんてものもないし、そもそも材質が「タイルとただの壁」だ。
更には換気扇もない。すなわち世界一カビが生えやすい風呂であると言えよう。

事実、カビ取りを行っても盛らずに言って1ヶ月経たないうちに壁と天井にカビが生える。
チャンヌのお気に入りお掃除アイテムアワード2021受賞商品「ルックお風呂の防カビくん煙剤」を炊いたとしても、1ヶ月ちょいでカビが出現する。
「ルックお風呂の防カビくん煙剤」の効果は2ヶ月と謳われているので、ルックシリーズも太刀打ちできない風呂場なのである。

そんなカビと度々闘うチャンヌであるが、この年末だけはそれを怠った。
まぁ別に、壁の高いところと天井だし、入浴に差し支えはなかろう…と甘く見ていたのだ。

本来OBAの来訪目的は壁のヒビ、OBA風に言うとクラック(第1話参照)の確認なのだから、風呂場まで掃除する必要はないのでは?とお思いの読者の方もおられることだろう。
しかしそこがOBAの恐ろしさなのだ。
思いついた場所は全て見たい、それがOBAマインドである。

実際壁のヒビ、否、クラックとは別に、風呂場に続く洗面所の床にたわみがある。
修繕までもお願いするつもりはないが、たわみがあることを報告する義務はあると考えると、風呂場まで見たいと言い出す可能性は非常に高い。

チャンヌは意を決して、風呂場のカビ取り作業を始めることにした。
チャンヌ流風呂場のカビ取り法は、長い柄のついたスポンジに泡カビキラーをつけ、壁や天井にペタペタと貼り付けるようにして塗布する手法である。
そのまま数十分放置し水で流せばあらスッキリ。というわけだ。

至ってシンプルな手法ではあるが、これがまたなかなか骨の折れる作業なのである。
なんせ我が家の風呂の天井は馬鹿みたいに高く、脚立に乗っても全く手が届かない。
チェ・ホンマンが入浴する想定で建てられたとしか思えない天井の高さなのだ。

そのため長い柄のついたスポンジを使用するのだが、不安定な上に天井からはカビキラーが降ってくる。まんべんなくカビキラーを塗布するのも難しく、国家資格でも必要なのではないかと思うほどのスキルが求められる。

チャンヌはいつものカビ退治スタイルでいざ風呂場に入った。
バーバパパの絵のついたシャワーキャップを被って天井から垂れてくるカビキラーから頭部を保護。次男の水泳用ゴーグルで目も保護する。小2のゴーグルなので顔の肉がパツンパツンできつい。ゴーグルの圧に頬の肉が反発する。
両手にはビニール手袋、服はハイターまみれになっても良いと判断したパジャマという装備である。鏡で見ても、我ながらこれ以上ないほどのインパクトだ。

カビキラーをスポンジにつけ、天井に塗布する。スポンジもそう大きくはないので、まんべんなく塗るのはかなり疲れる。
手を伸ばしっぱなしの作業である上に、脚立の上に爪先立ちなので危険だ。そんな危険に立ち向かい、カビを撃退する。それが我が家のカビ取り作業なのだ。

カビキラーをまんべんなく塗っても、カビの個性の強さによってはそう簡単に消えてくれないことも多い。そんな時は、何度も何度もも塗り直す。凍りついた不良学生の心を解かす熱血教師のように、何度も何度もカビに語りかけるのだ。

そんな危険との激闘の末、なんとかカビ取りが終了した。
カビ取り後の風呂場は輝くような白い壁になり、なんとも爽快感が感じられる。
チャンヌのパジャマは垂れてきたカビキラーであちこち色抜けして、闘いの激しさを物語っていた。

その後もるいさんと、キッチンの片付けなどが続く。
くそぅ、楽する為に大掃除をスキップしたのに。なんでこんな目に。
全て自分の怠慢であるはずなのに、無責任にOBAの来訪のせいにしたくなる。

こんな苦境に立たされた時、チャンヌの頭の中に流れる音楽がある。
GOT7先輩の「Hard Carry」である。

Hard Carryとは、「苦境から勝ちに持っていく」という意味として韓国で使われている表現なのだそうだ。K-POPには全く知識のないチャンヌだったが、某オーディション番組でこの曲の存在を知って以来、苦しいシチュエーションでは必ずこの曲が頭の中を流れるようになった。

「はどきゃりへー!」

そう叫びながら掃除を続ける。

は!は!はどきゃりきゃり。
は!は!はどきゃりきゃり。

GOT7先輩の力強い掛け声で頑張れる。
ちなみにGOT7先輩のことは、どなたのお顔もお名前も存じ上げない。

そんな「Hard Carry」のお陰でなんとか掃除を終えることができた。

いよいよOBA来訪である。

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