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No11  看護師さんでもなくコックさんでもない お手伝いさんの登場

その不思議な姿は不意に宙に舞い出て そのままフワフワ浮いています。
『あなたはだれ? ぼく達まだ誰を呼ぶかさえ決めてなかったのに。』
『あなたはマーチルね。私はちゃんとドアチャイムの音と一緒に呼び出されましたよ。えっと そこのモモちゃんよね 私を呼び出したのは。』
『えっ えっ~!』とみんなが驚きながら私を見ましたけれど 一番驚いたのは もちろん私ですよ。
『えっと そう言われてみれば確かに ふとつぶやいちゃった・・・ような気もします・・・ハルちゃんの病気のことを思えば看護師さん 料理を作りたいなと思ったらコックさんがいいかなって。調度その時モグモグがドアチャイムを鳴らしちゃって・・・でもそれだけで 私がこの人を呼び出しちゃったってこと?』
『そうみたいよ。とにかくあなたにあまりにも急に呼び出されたものですから ちょっと姿がまとまらなくて こんなホワホワ状態なのよ・・・
な~んてね。
実は花の国の女王様から頼まれていたの。あなた達が誰かの助けを必要としてチャイムを鳴らしたらすぐに行きなさいって。
だからあなた達が誰の顔を思い浮かべようが 私がお手伝いに来ることになっていたのよ。看護師さんでもないしコックさんでもないけれど ハルちゃんの 失いつつある記憶に触れられるのは私だけだから。』

みんな安心しました。見た目はともかく 頼りになりそうなお手伝いさんのようです。
『あの それであなたのことなんですけど 何と呼べばいいの?』
そう聞いたミケにその人はこう答えました。
『私の名前・・・そうねえパフと呼んでちょうだい。それからこの姿は もうちょっとお手伝いさん風に変えようかしら。』
そして変えた姿は お~ こんな感じになりました。
さっきのままでも良かったような気がするんですけど・・・




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