もうこの先怖い物なんか何もない！

『あっ　ドキドキと言えばこの間受けた人間ドックの結果どうだった。』
『ハナちゃん　あれはアカン　最近の異常気象のデータでも見せられたのかと思ったわ。あっちもこっちも赤字の異常値だらけの注意予報だらけやったわ。ハナちゃんも受けたんやろ。どうだった。』
『血圧が高かったわ。この年になって上がるものと言えば血圧と年齢　それにテレビの音量だけだわな。』
『いいじゃない血圧が高いってことは何か身体の中が燃えてる感じがするじゃない。私なんか心拍数の数値がおかしな具合になってるらしいよ。言ってみれば　”お前はもう死んでいる”みたいなことらしいんだけどね。』
『何それ　どういうことよ。ウメちゃんはさあ　殺されたって死なないような人だよ。それがお医者さんから　もうお前は死んでるって言われたんなら　もうこの先怖い物なんか何もないってことじゃないか。凄すぎだわ。』
『ハナちゃん　私の身体のこと心配してないよね全然！
スポーツで身体を鍛えている若いお兄ちゃんなんかよりも心拍数が少ないんだって。徐脈って言うらしい。それで先生が私に聞いたのさ。”朝起きた時　何か身体がだるいって感じる事ありませんか”って。』
『それで　どうなん　だるいんか？』
『言ってやったよ　目が覚めたとたん
”グッモーニング　って挨拶したくなるくらい元気ですわいって！そしたらな先生は目を丸くして言ったのさ。
”ご本人がお元気だと言うのなら大丈夫ですね。超　が付くくらいの省エネタイプなんでしょう。長生きしますよ。”だってさ。』