見出し画像

O-06 やって来たのは 毛深いおじさん?

どこから来たの?

 あっ あそこに何かいるよ。
バウ ほら お母さん早く来て 上の方 あそこを見て。
お母さんがおうちから出てきました。どこ見てるの そっちじゃなくて ほらあそこ、電柱の上ですよ。やっと気がつきましたね。変な物がいるでしょ。あっ 近所の男の子が出て来て騒いでいます。男の子が何か言ってるでしょ。
『お父さん 見て あそこ 何かいるよ。』男の子のお父さんも外に出てきて電柱を見上げます。
『ほら お父さん 見えるでしょ。あそこに毛深いおじさんがいるよ。』
『えっ 毛深いおじさん? おっと あれは毛深いおじさんじゃなくてサルだね。どこから来たんだろう。』
 そうかあれはサルっていうんだね。電柱の上の方まで来て私を見下ろしていたから思い切り吠えたけどちっとも怖がりもしないの。遊んでやってもいいけどここまで降りてこられるかな。
アッ 行っちゃう。こっちにおいでよ。こっちこっち こっちだってば!
たった一本の電線を両手両足でつかみながら器用に綱渡り歩きをしたり 時々ひっくり返って逆さまになりながら山の方に向かって帰って行きます。残念だな もう帰っちゃうの。またおいでよ。今度は一緒にあそぼうね。

P.S.
このポピー横丁近くの話ではないけれど 拾ったレジ袋にリンゴをいくつも入れてそれを引きずりながら山に戻っていく猿がいたとか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?