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36 つらかったら無理して思い出さなくてもいいよ

居候うネコ コテツ

コテツは自由ネコです。ある時から自由ネコになったんです。昔は飼い主さんがいてかわいがってもらった覚えがあるそうです。その飼い主さんの口癖が(ミソつけて くっちゃうぞ)・・・だったらしいです。でもその口癖とは逆にいつもとても優しかったそうです。それなのに その優しいはずの飼い主さんにある日コテツは捨てられてしまいました。理由はわかりません。捨てられたその場所からはどんなに歩いても探してもおうちに戻ることができず放浪生活が続きました。
 ある日コテツの世話をしてくれる人が現れて ビニールハウスをおうち代わりに使わせてくれてエサも運んでくれました。でもその人が急に入院する事になってしまいチェリーの飼い主さんにコテツの世話をお願いしたというわけです。
『それでさ ビニールハウスまでエサを運ぶのは大変だから おうちにおいでって言われて、チェリーの家にいさせてもらうことになったんだ。』
『そこでずっと暮らせるといいね。』
『・・・・あのさ オレ昔はダイゴって呼ばれてたんだ。それからクロって呼ばれてたこともある。他にも色々あったかな。それで今はコテツ。あれこれ思い出そうとすると息が苦しくなって頭の中がぐちゃぐちゃになっちゃう ・・・・。』
『そういう時は無理して思い出さなくてもいいよ。わたしはモモ。それであなたはどの名前で呼んでもらいたい?』
『どれでも好きに呼んでくれていいよ。ああ~ でも今はみんなが頭をなでたり背中をさすったりしながらコテツって呼ぶから そうだなコテツがいいかな!』
『いい名前だね。とにかく今夜はチェリーの家でゆっくり楽しく過ごそう!』
うん そうするよと言ってコテツは生垣の向こうに消えていきました

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