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【短信】ウクライナ侵攻終結が先か、プーチン政権終焉が先なのか、揺れるロシア政府に焦点をあてる

ロシアの思惑は短期で終戦だったはずが、早くもウクライナ侵攻から1か月が経過した。補給線の破綻、資金枯渇で戦線維持のリミットも迫っていると言われる中、プーチンが何を言おうがロシアには手じまい以外の選択がなくなりつつあるようだ。
今日は、迫りつつある侵攻終了の時をテーマに「続けられない理由」で記事をまとめていきたいと思う。

●嘘か誠か、ロシアが和平交渉の席に毒を盛ったという話が流れる●
そもそも、こんなすぐにバレる謀略をいくらロシアでもするのかね?という疑いしかないのだが、もしそういう動きを見せたというのなら、ロシアには平和裏にこの侵攻を終わらせるつもりはない、ということなのだろう。
とにかく、ロシアが和平交渉担当のロシア人富豪やウクライナ側の担当者に毒を盛り、その為に盛られた関係者が中毒症状を訴える事態が起きたらしい。
ロイターの記事になる。


和平交渉関与のロシア人富豪やウクライナ担当者に中毒疑惑=報道
3/29(火) 2:29配信 ロイター
[28日 ロイター] – ロシアとの和平交渉に協力するようウクライナが要請していたロシアの富豪ロマン・アブラモビッチ氏およびウクライナ側の少なくとも2人の交渉担当者が今月行われたキエフでの会談後に中毒が疑われる症状を発症していたと、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)と調査報道機関「べリングキャット」が関係者の話として28日に報じた。
WSJによると、ロシアのウクライナ侵攻を終わらせる交渉に協力するようウクライナの要請を受けたアブラモビッチ氏と、ウクライナ側の少なくとも2人の幹部が影響を受けたという。
報道について、ウクライナ側は否定的な見解を表明。ウクライナ代表団のポドリャク大統領顧問は「多くの憶測、様々な陰謀論がある」と指摘した。他の交渉担当者も「信ぴょう性の低い情報」を信用しないよう呼び掛けた。
ウクライナのクレバ外相は国営放送のインタビューで「誰もがニュースやセンセーションに飢えている」と述べたほか、「ロシアとの交渉に行く人は、何も食べたり飲んだりしないことを勧める。できれば何の表面にも触れないほうがいい」と皮肉った。
米当局者は28日、ロイターに対し、アブラモビッチ氏およびウクライナ交渉担当者の体調不良は毒物ではなく環境要因によるものとの見解を示した。
ロシア大統領府は現時点で電子メールによるコメント要請に応じていない。
<目の充血や皮膚の剥がれ>
WSJの報道によると、目の充血や痛み、顔や手の皮膚の剥がれなどが見られたが、その後回復し命に別状はないという。
ロイターも事情に詳しい関係者の話として同件を確認した。
べリングキャットは、事件を調査した専門家の話として「化学兵器による中毒」の可能性が最も高いと報道。使用された毒物の量や種類は命を脅かすほどではなく「被害者を怖がらせる意図があった公算が大きい」とした。
ロシア大統領府は24日、アブラモビッチ氏がロシアとウクライナの初期の和平交渉に関与していたことを明らかにした。現在は、両国の交渉団が協議に臨んでいるという。
https://news.yahoo.co.jp/articles/789fd6d6e5e566ec97c460524b97a04ba59d79e0


トルコが間に入る形で、停戦へ持ち込もうとしていたようなのだが、それに対してロシアは毒を持ち出してテーブルをひっくり返した、ということのようだ。トルコが何を狙っていたのかに関わらず、ロシアは手を引く条件の提示さえする気はなかったということらしい。何を考えているんだか、だ。
参加していたロシア人の富豪は、経済制裁で受ける打撃を避ける為に戦争反対を掲げていたということで、それがプーチンの癇に障ったという見方もあるのだが・・・。詳細は不明だ。
とにかく、詳報的な記事もロイターから配信されているので、紹介しておきたい。

プーチン大統領、戦争終結へ妥協の用意ないもよう=米高官
3/29(火) 0:52配信 ロイター
[ワシントン 28日 ロイター] – 米国務省高官は28日、ロシアのプーチン大統領が現時点でウクライナでの戦争終結に向け「妥協する用意はないもよう」で、ウクライナのゼレンスキー大統領がどのような決断をしなければならないかは不明という認識を示した。
ロシアとウクライナは、初の対面形式での停戦交渉を行う準備を進めている。トルコのエルドアン大統領は27日、プーチン大統領と電話会談し、ロシアとウクライナの次回の協議をイスタンブールで開催することで合意。ロシア大統領府のペスコフ報道官は、停戦交渉がトルコで29日から始まる可能性があるとし、対面で交渉するのは重要と指摘した。
ゼレンスキー大統領は27日、ロシアとの和平合意の一環として、ウクライナの中立化と東部ドンバス地方を巡る譲歩を協議する用意があると述べた。
ゼレンスキー大統領はまた、停戦とロシア軍の撤退なしに和平合意の実現は可能ではないと言明した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/834a10731c006de58ed0db898722c97f377ab216


ネットユーザーの中からは、ロシアの強硬派の犯行だろうという声も出ているが、それ以外の可能性が考えられないのは確かだ。何より、左派がこの件に対してダンマリを決め込んでいるのがいい証拠だろう。こういう所から、その後の発言内容を信じるかどうかを決めればいい、そういうことだ。ロシア擁護者には非常に都合の悪いネタであることは間違いがないのでね。

●侵攻終了より先に、プーチン政権崩壊が先なのか?●
先日辞任した大統領特別代表のチュバイス氏は、ロシアのエリツィン初代大統領の側近だった、つまり「プーチンのロシア」を生んだ一人だったと言えるのだが、そんな人間もプーチンを捨てた点が大きい、という話だ。
FNNの記事になる。


プーチン氏「退陣」の可能性は? 木村太郎が読み解く「Xデー」3つのサイン…情報機関のクーデターは
3/28(月) 16:46配信 FNNプライムオンライン
プーチン氏「文化大革命」で権力の保全?
木村太郎氏が独自の目線で読み解くウクライナ情勢。今回のテーマは、プーチン氏の今後。実は新しい動きがあったという。
木村太郎氏:
ここに来て引き返せないのは、やっぱり独裁政治っていうのは、自転車に乗っているようなもんで、漕ぎ続けてないとひっくり返っちゃう。で、今ひっくり返りそうになってることが出てきてるんで、大変になってる。
実は、週末にちょっと新しい動きがありました。25日にテレビで長々と演説をしたんですが、一言も「ウクライナ」という言葉を使わなかった。その代わり、ロシアの1000年に及ぶ歴史と文化っていうものを今、西側が壊そうとしている、これは「キャンセル文化」だということを言って。「キャンセル文化が攻め込んできてる」と。
これは「文化大革命」と同じだと思うんですよ。毛沢東が、反対派を修正主義者だと言った、それと同じ言い方で、いま国内に向けて締め付けが始まっている。それを今持ち出してきたということは、逆に言うと、それだけプーチン氏に対する風当たりが強くなっているんだと思います
木村太郎が気になった「3つのサイン」
木村太郎氏は「3つのサイン」に注目。プーチン氏が退陣に追い込まれる可能性もあるとする。
ひとつめのサインは、プーチン氏に近い人物が続々と離れていることだという。
ロシア大統領特別代表だったチュバイス氏もその1人だ。ウクライナ侵攻に反対し、出国したと伝えられている。また、オリガルヒ(新興財閥)の一部やロシア中央銀行総裁が辞意を表明している。
木村太郎氏:
チュバイス氏は、エリツィンさんの側近だったんです。それでエリツィンさんがプーチン氏を後任者に指名する時に推薦した。プーチン大統領の生みの親みたいな存在なんですよね。その人が出ていったということは、相当意味があると思います。この人だけではなく、エリートたちがどんどん国外に出て行っているんですよ。それが20万人くらいになっていて、ある意味、社会の機能不全の原因になりそうだと言われていますね
2つ目のサインは、海外メディアが報じたあるニュースだという。
木村太郎氏:
戦争をしたくないという戦車兵が、キエフの近くらしいんですが、上官の大佐を戦車でひいちゃったと。…要するにそういうことがあるくらいロシア軍の士気が下がっている。ついに7人目の将官が戦死したとも伝えられていて、軍隊の士気が下がりに下がっている。このことが反プーチンにつながるかどうか、これはまだクエスチョンマークですね
ロシア情報機関によるクーデターの危機?
3つ目のサインは、英タイムズが23日に伝えた「クーデター危機」について。木村氏はこう述べた。
木村太郎氏:
情報源がFSB(ロシア連邦保安局)の内部告発者、「6月にロシアがなくなる」と言ってきた人物。いまFSBの幹部らが自宅軟禁されたりしているし、プーチン氏が侵攻の責任を全部FSBに押しつけようとしているようなことから反発が強まっていて、日に日にクーデターの危惧が高まっていると言ってきたんです。タイムズがFSBの現職の職員にもあてていて、この情報はかなり信頼度が高いと思います。情報の確度は高いけれど、果たしてクーデターが起きるかどうかは、また話が違うと思うんですね

https://news.yahoo.co.jp/articles/c94f42b0c113bede479e274a0d156f65f3ffbd51


そうか、プーチンの前はエリツィンだったんだな、とこの記事を読み、改めて思い出した。随分長く「居座っている」んだなぁ、プーチンは。

もちろん、沈没するとわかっている船にいつまでも乗ってはいない、というこではあるのだろうが、このチュバイス氏は命乞いをした代わりに西側へロシアの情報を差し出している可能性もあるので、単純にプーチンを見捨てただけではないと見るべきだ。だが、確実にプーチン政権は中枢が歯抜けとなっている。そこから、瓦解の時は近いという話になっている。今後、和平交渉を行うにしても、担当できる人材が残っているのだろうか?

まぁ、Xデーはいつなのか?だねw

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