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宮迫と中田がyoutubeで組んだ【Win Win Wiiin】でがっかりしたこと、そして余計なお世話な話を少しw

この春、youtube戦線は波高しとなる、と予想していたのだが、いざ蓋を開けてみると意外な展開になり、少々拍子抜けしている。
ひろゆきに関する記事を書いた際、youtubeは切り貼り動画に席巻されるのかもしれないと予想しておいたが、他方では芸能人の参入が思ったほどのメインストリームにはならなかったという現実があり、結局表面上はこれといった変化が起きなかった、と。それが、この期待外れな感じの理由なのかな?という印象なのだ。

●宮迫と中田の「Win Win Wiiin」
実は、吉本を抜けたこの二人で始めたチャンネルが、もしかしたらyoutubeの新しい潮流になるのかも?と見ていた。だが、蓋を開けてみればまさかのテレビ番組コピーで拍子抜けしてしまったのだ。


【宮迫×中田】手越祐也(前編)~ジャニーズ退所の真実!~【Win Win Wiiin】
https://www.youtube.com/watch?v=vlulMSZqAiA


まぁ、ご覧いただければおわかりの通り、センターに階段を設置した古臭いセット、しかもガヤ要員として観客まで入れる形式で、おいらはテレビを捨てた20年近い昔のVTRが始まったのかと錯覚したほどだ。なんだろ、下手したら「夕焼けニャンニャン」とか、昭和末期のバラエティ?みたいな感じで驚いたのだよ。2021年に製作されたネット動画でこれ?が正直な所だった。おぼろげながら記憶がある「踊るさんま御殿」、あれの劣化コピーと言えば、若い衆にもその時代遅れな空気が伝わるのではないだろうか?

で、方や闇営業で吉本を追い出された宮迫と、youtube大学が当たって吉本との契約が「上がりを抜かれる」感覚になって抜けた中田、というアウトローが組んだのだからインパクトは強烈だった。そこにゲストで元ジャニーズの手越を迎える構成なので、更に注目を集めた、と。その目論見の通り第一回配信は500万回オーバーの再生数をカウントしている。
以降、ゲストを毎回変えていく形で配信が続いているのだが、キングコング西野をゲストにした回でもう一度500万回再生を達成したものの、それ以外はよくて100万回台、youtuberてんちむを迎えた最新の動画は60万回レベルまで再生数は落ち込んでいる。

ここまでの間、吉本は宮迫へあてこするように、事務所を通さずにうちの芸人とコラボ動画を作るな、と釘を刺す場面があった。ちょうど、千原ジュニアが宮迫の動画に出演した後のタイミングだったこともあり、ジュニアは吉本へ話を通さずに宮迫と仕事をしたのか?という疑いがネットを駆け巡った。
その上、同じ釜の飯を食った中だとは言え、宮迫が先輩芸人としてのコネで「吉本の資産」を勝手に利用するのは単なるタダ乗りで、これだって闇営業だろう?という批判が宮迫へ向けられることになってしまった。言ってみれば、吉本タクシーでドライバーをやっていた宮迫が、売り上げをちょろまかしているのがバレて解雇された後、白タクをやるから吉本タクシーの車を内緒で使う、というようなことはさせない、と言われたようなもので、宮迫は一気に活動範囲が狭まってしまったのだ。

一方、中田の方は3月末以降は顔出し出演をしないと宣言した。
これは、自分の代わりにアバターを動画に出演させ、その声だけを中田が演じる形式にする為の布石だったのだが、これがいきなり不評を買い、すぐに元の「白板の前でプレゼンする」従来の方式に動画を戻している。おそらく、40代に入って明らかにおっさん化しているルックス対策で、老けていこうが関係なく動画を製作する為のアバター化だったものと思われるが、「丸に中田」という手抜きの極みのようなアバターを見せられて、「あっちゃんカッコいい!」のオリラジ中田が当然のファンは我慢できなかった、そんな感じだった。
こうして、二人が揃って足元をすくわれた格好になった「Win Win Wiiin」、負の空気をまともに浴びて、一気に注目度が下がっているという印象なのだ。

ただ、本当かどうかは知らないが、この番組は二人で私財を投じて製作している手前、ここまで再生数が減速している点は看過できないだろう。何しろ、あんな代物でもスタジオを借り、セットを維持、設置し、ライティングからカメラ、音声までテレビレベルに近づけようとするなら、それなりの金が出ていくからだ。しかも、二人にはかつてはあった守ってくれる事務所という後ろ盾がない。スポンサーを探し、企画を考え、スタッフ管理までをも自分たちでしながら、なおかつ動画の再生数を伸ばしていく、果たしてそんなことを続けていけるのだろうか?

●TV>youtubeという感覚では勝負にならない
宮迫を見ていて感じるのは、とにかくTVに戻りたい、しかもまた吉本の芸人として、という自業自得を承知の上での強すぎる願望だ。それを形にしたのが「Win Win Wiiin」で、それはまるで東京やNYがうらやましくて仕方がない北朝鮮が、張りぼてのオフィス街を建てるようなものだ。真似事でもいいから「そういう感じの街」にしたい、しかしそんな中身のないものに他人は興味など示さない。あって、あんな馬鹿なことに金を使ってさ、と陰で笑うくらいだ。
そういう姿勢は、どこかTVの方が偉く、youtubeは下なんだという感覚にあることも臭わせる。youtubeだから安っぽいセットでも許される、逆にそこまでしてでもテレビをやりたい俺の意気込みってすごいだろ?くらいの自画自賛までが見えるようでもある。それが鼻につくのだな、お前はyoutubeで勝負してるんだぞ?どれほどテレビに焦がれようと、それ以外に今は戦う方法がないんだろ?と突っ込みたくなるわけだ。

宮迫に言いたいのは、テレビとyoutube、どっちが上か?などと比較できるものではないということだ。両者は明らかに別のベクトルにあるもので、そこを理解できない限りyoutubeでは成功できない。
TV時代についてきたファンは確かにyoutubeへもついてきてはくれているだろう。だが「Win Win Wiiin」の推移を見るだけでその方法論、はっきり言えばテレビの模倣では先がないことがわかるはずだ。

例えば、オワコンだと言われて久しいyoutuberマックス村井、彼だってまだ平気で万単位の再生数を叩き出し続けている。TVの場合、一発屋が5年後にまだTVに出続けていることはあるだろうか?その違い、理由は簡単でキャスティングを誰が握っているかの違いなのだ。
youtubeはいつ、どんな動画を始めようと自分次第、だがテレビは当然ながら局がキャスティングを握っている。だから、コネのある事務所に入り、キャスティングへ組み込んでもらえるよう営業が必要になる。youtubeは動画を見てくれる視聴者を常に相手にしなければならず、登録者数、再生数というリアルな数字を突き付けられる。だがTVの場合、視聴者とは局の遥か向こう側にいる存在で、視聴率というあいまいな数字でぼんやりと知るレベルだ。
つまり、この二つは日々見ている先さえが違う、ということなのだな。

なので、youtubeではある程度登録者数を得たチャンネルが、再生数0近くにまで落ち込むという真のオワコン状態は起こりにくい。マックス村井を例に出したが、彼のように長年活動しているyoutuberにはそれなりの固定ファンがついているのだ。おそらく、今でも普通に生活できる程度の「上がり」をyoutubeで得ているはずだが、TVの場合にはこういうことにはならない。番組出演0で収入0が平気で起こりうる。それを回避する為の事務所との契約(月給制、年俸制など)で、とどのつまり芸人から見ればそれが収入を得る現実なのではないだろうか?

もちろん、50代までTV中心の世界にいた宮迫が、ハンディカメラ一台で動画を作ってしまうyoutubeを軽く見てしまうのは仕方ないだろう。だが、どうしても上下でこの二つを切り分けて、尚且つ上級のTVにいたいというのなら、しっかり全てを謝って、吉本に再契約をしてくれ、またアメトーーク!で蛍原とMCやらせてくれ、と土下座をして頼めばいい。
ちなみに、その「靴を嘗めてでも」な姿を生配信できるのもyoutuberの生きざまだ。それができるかどうかで、今後の生き方を考える材料にしてもいいのではないのだろうか?

中田に関しては、そもそも宮迫と組んでいる意味から考えるべきなのかもしれない。
「Win Win Wiiin」で新しい笑い?を開拓できるのかくらいは、さすがにわかっているのではないかと思うのだが。少なくとも、使い古されたTVのフォーマットを焼き直したところで、先があるはずがない。というか、TVが既にオワコンだからこそ、youtube大学を始めたのではなかったのか?w

何にせよ、一時はyoutube界がひっくり返るかも?と言われた芸能人の動画参戦だったのだが、結局TVに未練を残す層がいる限り、大きなムーブメントとはならずに終わるような気がする。
もちろん、元々youtube向きのネタをやっていた陣内智則などは、ある意味自分の作品を守り(違法コピーのアップロードで上がりを横取りさせない、という意味で)、過去作でもう一度収益を得ることも狙い、こういうチャンネルを運営している。


陣内智則【コント 卒業式】
https://www.youtube.com/watch?v=CG65xSRE6Wg


他にも、サンドイッチマンやナイツのように、積極的にネタを動画にしてファンとの交流の場としたり、認知度を高めようとしているケースはたくさんある。
宮迫や中田も、芸人を自称するならこういう道こそyoutube参戦の本来の形なのではないかと思う。吉本時代に比べて再生数での収益は桁が3つくらい違うかもしれない。だが、悔しければ芸で再生数を増やしてみろ、ということではないのかねぇ?

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