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おすすめの会計の本

こんにちは!
ちゃちゃまるです。

今回はおすすめの会計の本を一冊ご紹介したいと思います。

その名も
「世界一楽しい決算書の読み方」
(発行が2020年3月と少し古いのだけど)

目次は以下の構成になっています。

Chapter0 決算書の全体像って?
Chapter1 貸借対照表(B/S)ってどんなもの?
Chapter2 損益計算書(P/L)ってどんなもの?
Chapetr3 キャッシュフロー計算書(C/S )ってどんなもの?
Chaper4 B/S+P/Lの複合問題に挑め!

この目次だけを見ると
よくある内容で、普通の目次。

でもこの本が面白いと思う理由は、
各chapter全てに、
実際の上場企業の財務諸表を提示して、
違いを説明しているところ。

例えばChapter1(貸借対照表)では、
小売3社(ニトリ・ファーストリテイリング・良品計画)の
B/Sを提示して、
どのB/Sがどの会社のB/Sになるかを
会話形式で説明してくれている。

同じ小売業でも
B/Sは明らかに違ってて、
例えば3社のうち、
1社だけ明らかに固定資産が多い会社がある。
答えは、ニトリ。
一見、ファーストリテイリング(ユニクロ)は
店舗数が多いイメージだから
固定資産が多いのでは?と思いがちだけど、
ニトリは工場と物流設備を保有しているのに対して、
ファーストリテイリングと良品計画は
工場や物流設備を保有せずに
提携企業が中心となっている。
その結果、ニトリは他の2社に比べて固定資産が多いB/Sとなる。

ってな感じで、
同じ小売でも異なったB/Sが出来上がる。
つまりB/Sを見ると
どのようなビジネスをしているのか一端が垣間見れる。

他には、
Chapter3のキャッシュフロー計算書(C/S)。
ここでは、P/Lが赤字なのにC/Sが黒字になっている会社を説明している。
具体的には、
SansanとスペースマーケットのC/Sの比較。

*Sansan:名刺管理ツールを提供
*スペースマーケット:あらゆるスペースを時間単位で貸し借りできるプラットフォームを運営

C/Sの特徴としては、
一方の会社は、営業CFがプラスに対して、
もう一方の会社は営業CFがマイナス。
どちらの会社もP/Lは赤字なのに
1社は営業C/Fがなんとプラスに!

なぜこのような事が起こるのか。
それは、契約料金の回収タイミング。
営業C/Fがプラスになっていたのは
Sansanなのだけど、
その理由は、
契約料金が1年分の前払いが基本になっているから。

つまり仕訳としては、以下のイメージ。

現預金 100  /   売上高 20
                     / 前受金   80

売上以上に現金を受け取っているので、
P/Lでは赤字だけど、
営業C/Fは黒字になるカラクリ。


上記のように各Chaperごとに
2〜3個の事例が紹介されていて
同じ業種でもそれぞれ全く違う決算書になっていて、
それがビシネスの違いによる結果となっているところが
面白い。

Chapter2(損益計算書)では
飲食業界のドトール、銀座ルノアール、コメダと
皆さんも利用したことがあると思われるカフェの
PLの違いが紹介されている。


そして、
この具体的な事例を理解するために
貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書の
基本事項が分かりやすく、
かつ、最小限で説明してくれているのもポイント。

この一冊で簿記のテストに合格できるというものではないけど、
簿記の知識を駆使して作った決算書の見方が
楽しく学べるのがおすすめポイント。

そして、
この本の発行が2020年3月だから、
現時点の各社の決算内容は変化している。
今はどのように変化しているのか比較してみるのも
面白いかもしれない。


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