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スタッフ研修ってなぜやるのか


11月初めに開催された「東北地区肛門疾患懇談会」で継続的なスタッフ研修と職場環境の安定化について発表させていただきました。

私が関わっている仙台桃太郎クリニックは、今年で開業16年目に入った肛門外科専門のクリニックです。


開業2年目より毎月スタッフ研修を行なっています。
初めは、接遇研修を主軸に、患者様への対応の統一化を図りました。言葉遣いも一定の基準を設け、医療従事者もパラメディカルも差がないように全スタッフ向けの研修です。ある程度の効果も見られ、患者満足度も90%を超えました。

しかしながら、スタッフの雇用の安定というところでは満足いくものではありませんでした。このスタッフの雇用についての離職率などは、今後の学会などで発表していこうと思います。

肛門外科の専門のクリニックといっても、慣れてくると超急性期の看護がしたい、地域の訪問看護がしたいと向上心も芽生え、なかなか自分の今いる環境に満足しながら改善していくという方向性は難しいところがありました。中規模の病院からの転職の看護師は、クリニックならもっと楽だと思っていたという言葉も聞かれました。申し訳ありませんが、病院でもクリニックでも楽な仕事はないと思います。特に肛門外科の有床診療所は急性期のクリニックです。

そこで、スタッフの関係性の質の向上に意識を向け、現状の課題に目を向けられるように、自分の課題に目が向けられるような方向性に着目しました。
対人コミュニケーションの方法と実践、コーチングのタイプ別コミュニケーションの理解と実践、自分磨き講座(マナー講座やストレッチ、カラーセミナー)。
ここまで来ると、自分自身の課題はだいぶ自己解決できる力も備わってきます。
その後は、チームや組織としての課題解決です。クレーム対応を始め、関わり方も継続しましたが、マニュアルを部門別に振り返りわかりやすく作成、改訂したり、何かの折には部門でチームでということが多くなりました。
今年の研修は、自分たちで課題を見つけ、スタッフ向けに研修を作り発表するというものです。協力し合いながら資料を作成したり練習したり、立派な研修が7つも完成しました。その過程で起きたこと、感じたことがこれからの課題です。

というように、研修を続けていくことは、自分たちの組織を自分たちで作り上げていくこと。スタッフの関係性の構築は、最終的にはその先にいる患者様のためであり、組織の経営にも直結です。

時間的にも労力的にも研修を継続していくことは並大抵のことではありませんが、みんなが笑顔で働ける環境作りは、働き方改革の基盤になると思います。

クリニックのスタッフの関係性を考えていきたいとお考えの方は、この経験からさまざまなご提案をしていきます。必要な研修は、セミナー講師もご紹介させていただきます。

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