わたしの20歳、21歳、そして22歳を返して

大学2年になる春、新型コロナウイルスの感染が拡大し始めた。

そう、ここからわたしの大学生活は狂い、それと同時にわたしの青春は消え、生きる意味と希望をなくし、ただただ税金を払い、息だけをする人間となった。



大学1年はフル単を取るためにとにかく毎日大学に通っていた。大学では授業を受け、友人も同じ授業を履修している人くらいしかいなかった。大学生の遊び方を知らない1年生は、カラオケやカフェに行くくらいしかしなかった。お酒も飲めない未成年、高校生と変わらなかった。

2年生になれば、授業も変わって新しい友人が増えるだろうし、3、4年になれば授業が落ち着くからサークルにも力が入れられる。お酒も飲めるようになるから飲み会にも行ける。
そう思っていた。


実際の大学2年生は、バイトと家で大量の課題をこなすだけであった。

二十歳の誕生日、わたしは一人家で過ごした。緊急事態宣言が発動されていたからだ。誰とも会うこともなく、いつもの質素なご飯を食べ、自分のためにスーパーでショートケーキを買って食べた。そして、人生はじめてのお酒を、缶チューハイを買ってひとり開けた。


大学3年生、またしてもわたしは一人の誕生日を迎え、秋には実家に長く帰った。バイトもせず、友人とも会わず、課題をこなすだけの日々。



正直、今4年の7月であるが、大学2、3年生の記憶がこれくらいしかない。本当にこれくらいしかないんだ。


今もう22歳なはずなのに、まだ19歳のような気がするんだ。

20歳、21歳の記憶がないのだから。




大学入学当時からコロナ禍じゃなくてよかったね

そう言われることもあった。

けれど、わたしはコロナ禍前のあの大学生活と先輩たちを見ているからこそ、余計にそのように過ごせないギャップに苦しんだ。

最初からこんなに大学生活が楽しいなんて知らなきゃよかった。

高学年の大学の楽しみ方なんて先輩から見て学ばなければよかった。




ねぇ、わたしの大学生活、どうしてくれるの?

わたしの貴重な20歳、21歳、そして22歳を返してくれない?

若くなくちゃできないこと、たくさんあったのよ。

生きていた記憶がここだけぽっかり抜けているのよ。

重い病気になったわけでもなく、健康に暮らしていたのに、何もしていないからその記憶すらないの。




こんな、もうどこにでもありふれているコロナ禍の学生生活を語ったnoteだけれど、

誰かの目に留まることで何か昇華されるのだと思う。


少し希望を抱くとすれば、コロナが終わった数十年後にでも見つかって、何か資料の一つとして使ってもらいたいし、今何かを調査している人に届けばいいと思う。





2022年7月現在、コロナの感染者数は日々急激に増加している。

わたしの青春を奪ったこのウイルスは、どこまで人の人生を壊すのだろうか。

この時代に生まれ、生きていることを後悔してしまいそうだ。


アフターコロナという希望を抱いていた頃がすでにもう懐かしく感じ、今はもう諦めている。




やり残したことはたくさんあるけれど、これ以上生きていくことに希望が持てず、税金を払って息をする権利を得るくらいならば




このまま世界を

誰一人残らず

一瞬で終わらせてほしい。






コロナのように、誰も止められない、そんな方法で。


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