湖に頭まで潜る幸せ

林遣都という人のファンになって1年が経った

この1年はとても充実していた

朝ドラでほぼ毎日彼の演技を見る喜び
舞台での生の演技を観る喜び
雑誌やネット記事などでインタビューを読める喜び

どうしても枯渇していた時には
過去のインタビューが載っている雑誌まで買い漁り
過去の作品を観てしのいできた1年

とても楽しかった

今年の2月
大阪での豆まきに参加するという情報が入ったが
娘の受験間近であり
折しも新型ウィルスが猛威をふるい始めている時期でもあり
泣く泣く断念したのだが
それでも親切な方が写真を送って下さった

そこから芸能界の動きがストップする

ブログやSNSをやっている人は
それぞれの言葉で様々な発信をして
ファンとの交流をして繋げていた

彼の所属事務所でも
自粛期間の過ごし方を動画で配信した人もいた

SNSを一切やらない人だから音沙汰がなく
無事なのか、元気なのかと
心配する声がずっと上がっていたある日
突如入った単発ドラマの情報
しかも1人3役
狂喜乱舞するファンの声

実は寝る間もないほど忙しく仕事をしていたと
そんな情報も入ってきた頃
次々と映画の情報も入ってきた

そして連ドラ出演
10年ぶりのフォトブック発売

2020年後半の情報過多に
日常のほとんどが流されてしまう程
ファンの喜びと戸惑いとが踊り狂うTL

その流れに慣れてきて
冷静になってくると
「彼らしいな」とほっこりする

自分のプライベートは敢えて出さず
仕事で存在感を示す

所詮私達の知っているのは
「俳優・林遣都」であって
素顔が垣間見える瞬間はあっても
全てを知り、理解することはできない以上
それが一番だと思う

ただ、ファンの年齢層は意外に高い
ある程度経験を積んで来た猛者も多いため
直接触れなくても「オーラ」を感じるお姉様方は
彼が醸し出す雰囲気で
人柄を感じ取る事もある

彼はとても潔い人だと思う
言い訳がましい発言はしない
いい人に見せようという
スケベ心を感じない部分で
好感が持てる

ファンになりたての頃に
様々な作品を観る度に
「同一人物」ということを忘れ
我に返った瞬間に
「あれ?」と混乱するのは
どうも誰もが通る道のようだ

その作品の世界に引き込みたい
そう願う彼の思惑はきちんと果たされている

彼が出演するシーンも含めて
その作品に強く引き込まれ
その世界に魂が持って行かれる感覚は
常に感じる

それは彼がキャリアを重ねる毎に増している

彼の世界観に引き込まれるのは
とても心地いい
彼の役への愛情を強く感じるからかもしれない

どれだけ酷い男だったとしても
どれだけだらしない男だったとしても
彼が演じているだけで
嫌うことができなくなり
「ああ、この人にもきっと事情があったんだね」
と思える

観たこちらがとても優しい気持ちになれるのだ

それはきっと
彼がどの役にも愛情を持って作り上げているからだろう

文字で表現されたその人物は
彼を通すと
骨が作られ、肉が盛られ、
魂を吹き込まれて
ちゃんと存在する人物となる

だから彼の演じた役はどれも
今、この瞬間もその世界で生きていると
思えるほどリアルだ

私が彼を好きになったきっかけは
「おっさんずラブ」の「牧凌太」だった

彼のフィルターを通すと
牧の人物像は初期設定とは異なり
非常に魅力的で心を奪われた

容姿は言うまでもなく良く
実力も伴っていて
漏れ伝わる人柄も非常に素敵な人だからこそ
あの「牧凌太」が生まれたのだろう

私の中で牧くんは実在の人だ
今日も天空不動産の本社で働き
家に帰れば春田と喧嘩しながらも
仲良く暮らしているだろう

それは遣都くんではない
牧くんなのだ、と強く思う

そう思わせるほどの演技だったと思うし
彼でなければきっと
私はここまで好きになってはいなかっただろうと思う

彼自身、演技を観て欲しいと願うように
私は彼の演技に惚れた

素を知る度に興ざめしたり
ガッカリすることが多い芸能人に対して
ここまで全てを受け入れて
「一生推せる」と思うのは
私にしてはかなり珍しい

基本、推しに対して「ゲロ甘対応」
ではない人間なので
ちょっとしたことで興味を失う

私が好きであり続ける人は
いつも心が温かい

口数が少なくても
何も考えていないわけではなく
いつも最善の方法を
私利私欲ではない視点で考え続ける

今年30歳を迎えるにあたり
大人の男性としての色気も十分感じられるようになった

過去には辛い目に遭った事も
迷った事もあったという

それを乗り越えたのはすべて彼の力で
今、とても穏やかに充実した顔つきでいてくれることが
ファンとしては嬉しい

ただ、それでも私は
彼に恋をすることができない
どうしても「オカン目線」で見てしまう

ご飯ちゃんと食べてる?
ちゃんと休めてる?
無理しちゃダメよ
たまにははっちゃけなさい
大好きな人と連絡は取れてる?
自分をリセットする時間は必ず確保して
生きていて
その瞬間を大切にして

そう思いながら彼の画像を見て
遠く離れて暮らす息子を見守るような気持ちで
日々を暮らしている

とはいえ母親にとって
息子は永遠の恋人とも言われる

自分の目の前の息子に
あれこれ世話を焼くように
彼に対しても「エア」で世話を焼いている

それでもさらに10年後
40歳を迎える頃には
もしかしたら私は彼に恋をしているかもしれない

「かっこいい」と言われたいという願いが叶ったその先
「渋い」と言われ始めた頃の
「俳優・林遣都」には
乙女のように恋をするような予感がしている

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