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クイズを出される禅問答の茶席

 妙心寺の塔頭・退蔵院といえば、枝垂桜。
 庭の砂紋に、付きそうで付かないほど、ぎりぎりまで垂れ下がっているのが魅力です。

JR東海のCМ「そうだ、京都 行こう。」で取り上げられ、一躍有名になりました。

 さらにもう一つ、見逃してはならないのが国宝「瓢鮎図」(ひょうねんず)です。

 禅の修行の一つに、禅問答があります。
師が、回答困難な質問を弟子に投げかけ、それに答えるというもの。
その問答の記録が、掛け軸になっているのです。

問いは、
「ツルツルの瓢箪(ひょうたん)で、どうしたらヌルヌルの鯰(ナマズ)を捕まえることができるか」
という難問です。

さて、
退蔵院には茶席があります。
ここで、お抹茶と和菓子をいただくことができます。
お茶菓子は、上七軒の名店「老松」の逸品。
退蔵院所蔵の国宝「瓢鮎図」にちなみ、瓢箪と鯰をあしらったオリジナル半生菓子です。
その名前がユニーク。
「是什麼」。
(これなんぞ)と読むそうです。
落雁の中に、上品な餡と春夏秋冬、季節によって変わるドライフルーツが入っているのですが、呈茶される際に、「フルーツが何か、当てて見てみてください」とクイズを出されるのです。
これがなかなか難しい。
首をひねりながら食べる。
まさしく、禅問答。
ちなみに私は、春と夏にチャレンジして、一勝一敗でした。


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