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絶景食堂行くには体力がいる

伏見稲荷大社は、海外からの観光客に大人気。
ほとんどの観光客が、参道入口からずらりと並ぶ朱色の千本鳥居を背景に、記念写真を撮ります。
でも、たいていの人は少し登ったところにある奥社奉拝所まで登るだけで引き返してしまいます。

「京都祇園もも吉庵のあまから帖」シリーズの第6巻5話の冒頭は、さらに稲荷山の頂上を目指しての「お山巡り」をするシーンから始まります。

私は、体力にはまったく自信がありません。
しかし、想像だけで書く訳には行きません。
リアリティを大切にするため、「見たもの」しか書かない、「食べたもの」しか書かないと心に決めているからです。
だから・・・できればそんなシーンは設定したしくなかった。
でも、どうしても必然性に迫られ、仕方がなかったのです。
ということで、えいこらほいこら、山頂を目指しました。
その途中に、京都市内が見渡せる「絶景食堂」があります。

そのシーンが、こちら。
小説からの抜粋です。

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隠源を見ると額から流れる汗が、ポタポタと地面に落ちている。ハァハァと肩で息をして、本当に辛そうだ。
(中略) 
「もうすぐ四ツ辻や。『にしむら亭』さんで休憩していこか」
「ええな、ええな。何食べよ」
隠源は、「休憩」と聞いただけで顔色が良くなった。現金なものである。隠源はスタスタと、もも吉を追い越して先に行ってしまった。「にしむら亭」は、テレビドラマの刑事ものなどで有名な俳優の実家として知られる茶屋だ。座敷に上がって、もも吉もまずは水を飲み干した。
「うわ~ええ眺めや」
と美都子が言うと、
「ほんまや」
と隠善が頷く。京都市内が一望できる絶景スポットだ。
風がサーッと吹き上げてきた。
「あ~涼しい」
四人は一斉に声を上げた。
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「有名な俳優」とは、西村和彦さんのことです。
山腹の茶屋は住居でもあり、子供の頃はここから学校に通っていたそうです。
西村さんの特技は、ラグビー/空手/水泳/乗馬/体操/アクション/殺陣
だそうです。ひ弱は私と違って体育会系スポーツマン。
間違いなく、生まれ育った環境が、その身体を築き上げたに違いありません。

風の吹き抜ける店内で、親子丼をいただきました。
美味かった~!
今まで食べた親子丼で、一番!・・・に感じられました。
そうです。「疲労」というスパイスのせいに違いありません。
エネルギーをチャージして、再び登りました。

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