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P-P-PSE! P-P-PSE!

こんにちは。もももろうです。
若干、時代遅れな題字で始めさせていただきました。
それをいうとDAPUMPさんに失礼でしょうか。
いや、時代の移り変わりって本当に早い。

今回は電気用品と深ーい関係のPSEという安全基準についての記事なのですが、例のごとく、基本的に照明関係のものを念頭におきつつ進めさせていただきます。

前半はどなたでもふーんという程度に読み進められるように書いているつもりなんですが、やっぱり全くご興味ないと退屈だと思います。
先に言います!退屈させてすいません!


後半は少しだけ市場や現場に踏み込んだ情報になるので有料にさせていただきました。
照明の製造や販売をお考えの方はお昼ごはん1回分(私の生活水準がバレる!?)くらいにしたのでよろしければ。
では、お付き合いください。



PSEってなに?

皆さんのお家にある電気用品に「PSE」という表示がされているのをご存知ですか?きっと一度くらい目にされているかと思います。
実はそのPSEには2種類ありまして、それにお気付きの方はなかなかの観察魔です。
、、、その好奇心はいずれあなたの人生を成功に導くでしょう。
そしてその好奇心によって手に入れた情報は晩年になればなるほど実を結び、あなたが知らないうちにたくさんの、、、今日は脱線がはやい!時代の次くらいに!


そもそもPSEというのは電気用品を日本で販売するにあたって「必要な証」みたいなものです。なので、対象となる製品でこれがついていないものは日本で販売することができません。

一部アンティーク品は対象外だったりしますので、ご興味ある方は経済産業省のページでご確認いただくと全対象製品が載っておりますのでご覧ください。

最近は副業で中国せどりなんかをなさる方も多いため、日本の電気用品安全法の理解は必須になってきたりしますね。


さて、話を戻しますが2種類のPSEとは
①菱形PSE(特定電気用品)
②丸PSE (特定電気用品以外)
で、ございます。もちろんレア度によって違うとかではないです。

①の菱形PSEとは製造者(事業者)が、国に登録されている検査機関で認証を受けるため試験依頼をする必要があり、その基準を満たした場合に付する証。
そして、②の丸PSEは製造者(事業者)が自ら責任を持って付する証。



この時点で、結構違うことがわかりますか。
菱形PSEに比べ、丸PSEはあくまでも自己責任で自主検査を行い表示するものなのです。

経済産業省 法令業務実施手引書より


なんで、分けてんのよ。ってのは簡単です。

「菱形PSEを付する義務がある製品」の方が、ちゃんとしてないと危険な事故につながる可能性が高い製品だから。
人間でいう心臓とか脳とか、肝臓とか血管とかそういうイメージ。
照明でいうと、プラグ、コード、ソケット、スイッチなどがそれに当たります。
だから、第三者機関にお願いしたり、製造工場の視察があったりと厳しい基準を設けられているのです。

ソケットのこことか
マークを入れるのが困難な場合は〈PS〉Eと表示してあります



そして、照明器具そのものや、家電製品自体などが丸PSEの対象製品。
つまり、大事な部品は菱形PSEのついたものを使って、その上で全体として丸PSEの適合条件を満たす必要がある。

心臓とか肝臓とかが健康なのはわかったけど、ちゃんと全身の健康診断を受けて、優良健康児であることみずから声高らかに叫びなさいよね!ということです。



んで、丸PSEのみずからってどういうこと?

これはもうそのまま「自主検査」をおこなえってことです。
自分で責任を持って検査・試験をおこない、適合しているかを確認しなさい。
そして、丸PSEのマークを製品に付してくださいね。ということ。
つまりこれ、自己申告的な証なんです。
全体的な健康管理は、製造責任者としての義務なのです。

ただ、試験によっては特別な機械も必要なので、一個人がその項目を全て網羅することはなかなか難しい。その場合、外部に委託することができます。

自分で製造した製品が、丸PSEをかかげるのに値するかどうかを依頼できる第三者機関がJET(電気安全環境研究所)さまなど。
ただし、ここにしたって「どの基準で試験するかご提示ください」という素人泣かせの質問をまずされるんで、もう技術基準の分厚い本とにらめっこ。
どこから何をどうしていいか分からない場合は、相談窓口も別でご用意なさってます(有料です)
というよりも、自分で製造するとなるとそれ以前にいっぱいせなあかんことあるので大変です。

国内メーカーさまに製造を依頼する場合は、基本的にそのメーカー(製造者)さまがクリアしてくださるので安心。実際それが一番です。
盛り上がれ日本の工場!!


問題は海外の工場で生産したものを輸入する場合です。
中国のメーカーさまとやりとりをすると、結構な確率で「PSEあるよー!」と言ってきます。
あるってなんやねん、と思いますが「PSEあるんや!じゃあ、日本で売ってもいいってことね!」ってなっちゃう事業者さまが割とおられたりします。
ここで知らないとエライものをつかまされます。

中国のメーカーさまは「PSEマークを貼っといたら」日本人が「買ってくれる」と思っている場合があるのです。

そうなんです。
自主検査、自己責任なので、まっとうしているかはあくまで前提(正確には義務ですが)で、「PSEマークを製品に貼る、印刷する、刻印する」という物理的な行為は誰でも出来るということなのです。

この広い世界には、具体的なことは知らんけどマーク貼っとこ♪みたいな人がいたりします。それに出会ったとき、こちらが無知だと、もう一個のこれにも貼れるかな♪みたいなことが起こったりする。
すると当然のように、もちろん貼れるよ♪(物理的に)

いや、流石にそんな軽い感じではないですが、これはやばかったなぁという具体例を有料記事の中で一つ挙げます。


なぜPSEマークを貼っているのか、どういった基準や省令に基づいた試験を実施したのかを知って初めて「じゃあ、日本で売って大丈夫かな?」が正しい順序になります。
まずそれがあって、次のステップにようやく移れるという状態です。



基準を満たしてるから市場に出てるんじゃないの?

当然そうであって欲しいのですが、先ほどお伝えしたように自主責任になるため、守られていない、もしくは基準を満たせていない場合はあります。


これについては経済産業省さまが市場にあるものを抜き打ちで買って検査する「試買テスト」というものをおこなっておられ、基準を満たせていないものは程度によって注意勧告、改善要求、回収などの措置が命じられます。


とはいえ、取り締まりが追いついていない部分はあるので、中国メーカーさまがamazonなんかで直接日本市場に販売しているものなんかは、購買側が注意した方がいいでしょう。


最近ですと、インフルエンサーさまが「いいもの見つけました!」って価格の安さや見た目の良さでご紹介なさっておりますが、そもそも安全基準を満たしてない可能性があります。


YouTubeで紹介したいので、どの技術基準に適合していてそれを証明する自社資料の提示をお願いできますか?なんて、責任感もった上でメーカーさまに問い合わせたりしないですよね。
なので、自分が選定したという掘り出し物感を出すことと、その辺のリスクを天秤にかけて頂くことは必要かもしれません。
実際に紹介した責任を負うことはないと思いますが、風評被害や変なことに巻き込まれないよう。

そしてそういう市場において、海外メーカーさまは日本の企業名ぽく名乗っていたり、代表に日本人をすえたりなさっていることも多いため、見抜くのがめちゃめちゃ困難と思っていただいた方がいいです。


ただ、これは完全に言えることではもちろんないのですが、価格は価格以外の判断材料になると思います。
安いもしくはリーズナブルであることは選定の基準に入れない方がいいというのが、わたし個人の意見です。
リーズナブルかどうかというのは、たいていの場合、同じ領域の商品と比べているだけであって、安全性における知識量に基づいた判断ではないからです。


これはもう補足的なことですが、PSEに対する理解の部分について、販売ページなどに「PSE取得」と書いている場合はちょっと気にした方がいいと思います。
ここまで読んでいただいた方だとわかると思いますが、PSEは「取得」するものではなく、「適合」させるものだからです。
単純にPSEのことをよくわかっていないという認識になってしまいますので、購入者さまのみならず、販売者さまも注意していただいた方がいいです。

経済産業省 法令業務実施手引書より




さて、それでは非常に申し訳ないのですが、以下から有料にさせていただきます。
トピックとしては「最近問題のDIYシェードの販売について」と、先ほど本文で触れた「確認しないと分からない中国工場のPSE問題」についてです。
照明の輸入や販売をご検討されている方はどうぞ。

ここまで退屈なお話にお付き合いいただき、ありがとうございました!
以下、さらに退屈なお話に価値を見出すあなたに幸あれ!!


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