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2023年11月5日

久々に母校に行きました。
前に公開してすぐ下書きに戻しちゃった、絵を描くことについての日記を加筆修正して再稿します。

唐突ですが、わたしの両親は芸術に携わっていて幼少期から衣食住美みたいな環境で育ちました。
でもそれがずっとあまり良い方向には作用してなくて、小さい頃は絵が上手に描けないと家族から外されちゃうと勝手に思い込んでたし、図工や美術の成績が低いと深刻に落ち込んだものです。

絵を描くこと以外で自分を認めてもらう方法が分からず、親との関係も絵が繋ぎ止めていると思っていたので、絵は必要ではあったけど多分好きではありませんでした。
当たり前のように高校から美術科に進んだのも、正直他の選択肢を思い描けなかったんだと思います。
結局、美大に行ってもずっと絵と私の関係はギクシャクしてました。

だから卒業後に展示の話が途絶えて少しホッとしたし、そのうち張っていた気持ちの糸もブツンと切れて就職しました。

でも絵でしか満たされないものがあってその味を知ってしまったから結局また絵を描いてます。
小さい頃に曲がった骨は、ずっと歪なままなんだなと思いました。

ただ幾つかの変化として、最近は誰かのために絵を描きたいと思います。
真っ新のキャンバスも自由だと思えます。
歪な骨も、歪なまま愛せるようになりました。
何となく避けていた母校にも少し晴れた気持ちで来ることができました。

当時お世話になっていた教授に、開口一番、展示してるでしょ?!と言われて、描いてない時期もあったけど今描いてますって言ったら、ほらー森さんは続ける人だよー!と快活に言われました。
全部辞めようと思ってたんだよ先生…と思いつつ、あっけらかんと言われたので笑っちゃうくらい嬉しかったです。


私が当時通ってた母校は取り壊しが決定していて、今はもうピカピカのかっこいい新校舎が建っています。
新校舎には古い校舎の名残なんて全然なくて寂しかったけど、当時と変わらない教授と会えてピカピカでも母校だと思えました。

私自身も、変わったところと変わってないところ全部受け入れて一つ前に進めそうです。

荒れ果てた美大ホールで、在学時から置きっぱなしにしてた自分の楽譜を見つけました。

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