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イソトレチノインを飲む

コンプレックスなんて多かれ少なかれ誰にでもあると思う。

そのコンプレックスの度合いがどれほど自分にとって深刻か、それが一番重要な事な気がする。


私のコンプレックス、スタイルが良くないとか、目つきが鋭いとか、鼻が団子鼻だとか正直挙げだしたらきりがないけど、多分他人から見て一発で

「ああ、こいつはこれがコンプレックスなんだろうな」

と一発でばれるのはニキビだ。

小学校五年生にできた眉間のニキビを発端に、中学、高校、大学生になった今でも悩んでいる。結構な重症度の高いニキビだ。皮膚科は三件変えていて、手ごたえがあったのは今の皮膚科だけ。


ニキビは青春の象徴なんて言葉は聞いただけで反吐が出る。うるさい。そんなんですむならこんなに悩んでねえよこの野郎といった心境である。


まあ、結構ひどいニキビなんだ。

言葉を選ばなければ軽く死にたい時があった程度には。

ニキビが自殺の原因になるなんて経験したことのない人にか分からないだろうけど、結構私は気持ちがわかる。


保険適用で通った一件目の皮膚科は中学三年生まで通った。一時期改善されたけど、高校受験のストレスで爆発して、高校一年生に美容皮膚科も取り扱う二件目の皮膚科に行った。

そこでは高額なピーリングとフォトフェイシャルを自費診療で受けさせてもらった。本当に親に申し訳ない。高校も私立高校だったもんだから、自分の金食い虫度に嫌気がさし、自己嫌悪が増した。

明確な改善が見られず、大学受験の時期、高校三年生の時期に突入。

多分いつか書きたくなると思うけど、鬼のような塾に通わせてもらっていたので皮膚科に通う暇はなかった。ちょうど最後の治療のフォトで顔に軽くやけどを負い、不信感が募っていたので二件目の皮膚科はこれで終了した。

さて、受験が終わった高校三年生二月、私は過去一のひどいニキビに悩まされた。多分いろんな要因があった。

受験の合否発表によるストレス、監獄塾生活からの解放とそれに伴う生活スタイルの変化、ほぼ一年以上ニキビを隠すためにつけていた不織布マスクの影響、スキンケアの変化。

こんなものだろうか、今思えばいろいろ出てくるけど当時の私はただつらかった、分析するのも嫌で仕方なかった。

えげつない肌荒れのせいで(まあ私の精神のガキさなんだけど)第一志望に合格したのにも関わらず外に出ることが嫌になりお世話になった塾の先生に直接お礼を言いに行くこともできなかった。メールは長文で送ったけど。


まあ死にたくなっていたところで仕方がない、四月からは憧れの大学でのキャンパスライフが始まる(はずだった)。化粧も練習するがとりあえず根本の肌を何とかしないといけない。長期戦になることは覚悟の上だけど、せめて対策を取らなくてはと今の皮膚科に行った。


遺伝による重症度のニキビがあるのだと、私のような重症度のニキビは八割がた遺伝によるものもあるのだと、言い訳をもらえた時の喜びは今も忘れてない。


三万円くらいするプラズマフェイシャルを一回、その後月に一回のペースでピーリングとイオン導入。

毎日毎食後の二種類の漢方とビタミンc、抗生剤と塗り薬。

毎度の切開手術。

学生のアルバイト代からでは結構な痛手である、これがなければ脱毛ができてるなと思うと切ない。

でも、普通の人からすればまだまだだけど、一時期のえげつない肌荒れと比べればまだましになった。


だけど、いつまでも新しいニキビはできる。特に生理前のニキビはしぶといししつこいしでかいし痛いしいじってないのに跡になる。食生活だって、睡眠だって、タオルも洗顔も気を付けてるのに。昨日オールしてポテチ一袋食べたあの子綺麗なのに。(見えないところで努力してんだよとかのツッコミは胸にとどめておいて欲しいです)

完全にループなのだ。どこかで断ち切らなきゃこれは治らない。

ある意味もう、最後の切り札くらいの気持ちでイソトレチノインの服用に乗り切った。

新型コロナのワクチン接種の関係と、副作用の恐れ、季節の関係(紫外線に弱くなるので夏場より冬場にやりたかった)で提案されてから半年以上が過ぎていたけどやっと飲むことに決めたのである。


これでまだ、治らなかったらどうしよう。

再発率は三割だというけど、その三割に自分は入るのだろうか。

現段階での最後の砦といわれるこの治療でダメだったら?


まあ結構悩んだんだけど、だめならだめでまた半期飲めばいいし死ぬわけじゃない。副作用は怖いけど血液検査は問題なかった。

好転反応は出てもいつか治る。

やらないでいつまでも悩むよりやって治らないのだと胸を張りたい。


うん。買ってからもぐずぐずと決心がつかなかったけれど今度の友達との温泉が終わったら飲むことにしよう。(すっぴんが好転反応で大荒れはさすがにやだ)

ということで、イソトレチノインを飲むことにした。

どうか、どうか、治りますように。

あと、書いてて思ったけどちゃんと自分、頑張ってるじゃん。自分なりにだけどさあ。



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