氷の微笑*あとがき

何を感じて何を描くのかが自由だからこそ、難しいと感じるのもイラストを見て描くことだと思う。

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私はこの形がなんとなくソーダ水に浮かぶ氷に見えた。
これがみどり色だったら、間違いなくメロンソーダを思い浮かべて描いていたと思う。
だけどこれはメロンソーダの色ではない。
だったら、何ソーダか?
なんか描くまでに一番悩んだのがそれだったりする。

サイダーだったら透明だ。透明なものを綺麗なスカイブルーに見せるとしたら、グラスがスカイブルーだったらいい。
ソーダ水にアイスクリーム。きっと美味しいはずだ。クリームソーダがメロン味じゃなくてもきっといいはずだ。

氷はいつか溶けてなくなる。
だけど、自分が思い悩んだりしてること、恋い焦がれる気持ち、そんな簡単には消えてなくならない。
なにも言わなくても、いつか忘れられるなんて、それが決して嘘だとは思わないけれど、氷が溶けるよりもはるかに時間がかかること。
少なくても私は、好きな人と一緒に過ごした楽しい時間も、寂しい想いを抱えた時間も、氷が溶けるように、なかったことにはできない。

だから、ちゃんと伝えたい。
この気持ちが恋のうちに、ちゃんと。
冷凍庫の中に閉じ込めてなんておけない。
だって好きなのは、今この瞬間なのだから。


いつか自分の書いたものを、本にするのが夢です。その夢を叶えるために、サポートを循環したり、大切な人に会いに行く交通費にさせていただきます。