ブラックラバーズ

叶わないとわかってる。

あなたの求める女が、私ではないことは、他の誰でもない、私が一番よくわかってるから。

"友達"という、都合のいい立場を選んだのは私だ。

その理由は、このもやもやと真っ黒な気持ちをいつまでも浄化させてくれない。

"恋人"なら別れることがあっても、"友達"ならずっと一緒にいられる。

臆病な私は、そんな狡い理由だけをいくつも並べて、あなたと隣にいる彼女の不幸しか願えない。

好きなら応援してあげたいなんて、そんな綺麗な気持ちは持ち合わせていないから。
あなたの弱みにつけこんで、あなたと彼女の隙につけいる私は、誰よりも最低な女だ。

"友達"から"セフレ"に昇格したのも、私の意思。
そもそも、それを昇格って言ってしまう私は、やっぱり相当歪んでいる。

大喧嘩した二人の間につけこんで、あなたの愚痴を聞くふりをして、本当はチャンスを狙ってた。

濃厚なキスと、触れる肌の温もりを感じてしまえば。
所詮、あなたも、ただの男だった。


それからはたびたび身体を重ねてる。

彼女が変わっても、私の立場は決して変わることはない。

一番にはなれなくても、永遠に切れない、嘘つきな恋人たち。

恋人にはなれない。
でも、私たちが堕ちる時は一緒だ。

はい上がれなくても、二人一緒にいられるのなら、それでいい。

あなたが望むのは、私のこの歪んだ愛なのだから。
私に胸に顔を埋め、あなたは愛の言葉の代わりに、私に彼女たちの愚痴を聞かせてくれる。

あなたの柔らかな髪に触れ、あなたの身体を独り占めする。

あなたはきっと、永遠に私から離れられない。
私もきっと、あなたからは永遠に離れられない。


いつか自分の書いたものを、本にするのが夢です。その夢を叶えるために、サポートを循環したり、大切な人に会いに行く交通費にさせていただきます。