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空の優しさにとける心

木曜日の夜は、鬱々としてしまうことがある。
いろいろなことに悩み、やってくる明日の意味を考えてしまうことがある。

そんな時は、きまって週末に訪れる場所があった。
愛車に乗り込み、カフェで飲み物をひとつ選ぶ。今日はキャラメルマキアートを持ち帰りにしてもらった。

優しい空の色に浮かぶ、ふんわりとした雲。
窓を少しだけ開けると、秋の終わりの冷たい風が入ってくる。
行き先は、千葉県にある飛行機がよく見える公園。
そこはいつも、飛行機が降りてくる写真を撮ろうとする人が何人もいるところだった。

特にカメラが趣味というわけじゃない。
だけど、そこにくるとつい私も気散じがてらスマホのカメラアプリを立ち上げる。

空は繋がっている。
遠い外国から来た飛行機がゆっくりと降りてくると、私はスマホのカメラボタンをタップした。

大丈夫。自分に言い聞かせる。
キャラメルマキアートはとっくに冷めていたけれど、鬱々とした心は空にとけていった。


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#旅する日本語  

いつか自分の書いたものを、本にするのが夢です。その夢を叶えるために、サポートを循環したり、大切な人に会いに行く交通費にさせていただきます。