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ぼくは ロドレゲフ

「ぼくは ペンギンリュックのロドレゲフ

きょうから よろしくね ゆきちゃん」


ぼくは おかあさんに だっこされながら はじめて ゆきちゃんに であった

ゆきちゃんは ぼくを ふしぎそうに ながめていた


「これから どこにいくにも いっしょだからね」


ぼくのこえは ゆきちゃんには きこえない

けれど ぼくは なんども なんども ゆきちゃんに はなしかける

はなしかけるのが すきだから



ゆきちゃんに せおわれながら じてんしゃで でかけた

かわがみえるところに ゆきちゃんと いっしょに すわった

ゆきちゃんは ぽつぽつ はなしはじめた


がっこうに いきたくても いけないこと


それを だめだと じぶんで せめていること


ぼくは じっと ゆきちゃんのことばを きいていた


ふいに ゆきちゃんは ぼくを そっと だきしめてくれた

ゆきちゃんの あたたかさが ぼくに つたわってくる


「ゆきちゃん だいじょうぶだよ

むりに がっこうに いかなくても いいんだよ

すこしずつで いいんだよ」



それから ゆきちゃんと いっしょに いろんなところに でかけた


としょかん


こうえん


じんじゃ


どこにいくにも ぼくは たのしかった

いっしょに いれるだけで ぼくは わくわく どきどき した


「ゆきちゃん こんどは いっしょに どこにいこうか?」



はるに なった


ゆきちゃんは うれしそうに ぼくを だきしめて いろんな はなしを してくれた


そつぎょうできたこと


ともだちにもあえたこと


ぼくと たびをした おもいで


ありがとうのきもち


「ゆきちゃん よかったね

ぼくもね うれしいよ たのしかったよ

ありがとう」



あるよるのひ

ぼくは ねている ゆきちゃんに そっと ちかづいた


おわかれのひなんだ


ぼくは ゆっくりと やわらかく ゆきちゃんの あたまを なでた

ぼくは ゆきちゃんと いっしょに いろんなところにでかけた

ほんとうに ほんとうに たのしかった


「ゆきちゃん きょうで おわかれなんだ

けれど さよならじゃないよ

ゆきちゃんが ぼくのことを わすれないで いてくれたら

ぼくは ゆきちゃんの こころのなかで いつでも あえるから」


ぼくは そっと ゆきちゃんから はなれた

「いままで ありがとう」


おつきさまは ずっと ぼくたちのことを みまもっていました

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