サイユウ

自分が思ったこと、読んだ本の感想、小説などを書くと思います。名前は本名じゃないです。

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マガジン

  • 日記みたいなエッセイみたい

    日記みたいな感じで思った事書いてます。

  • 今までの詩

最近の記事

カレーの匂い 短編

 帰るのが少し遅くなってしまった。あのくそな上司が定時前に仕事を振ったせいで結局帰るのが2時間くらい遅れた。まだ、ましな方だがそれどもイライラする。家に帰って明日のために早く寝ないと。こんな生活を繰り返して私はなんになりたいのかな。習い事終わりの小学生の集団が前から元気にやってくる。私も昔、小学生だったのかと、前世のような遠い記憶のように感じるが十数年前の話だ。夜の住宅街を抜けると私のアパートがはひっそりと人にバレないように建っている。私はこの立地があまり好きではない、住宅街

    • 消えてしまったTUTAYA

       僕の住んできる街からTUTAYAが消えてもう3ヶ月が経った。TUTAYAが無くなった所でCDや本といったものはインターネットで購入出来るし、電車で一駅行った所にはUTAYAよりも大きな本屋さんが二件もある。その内の一軒は一般的な本屋さんでは置いていないような出版社の本を置いてやはりTUTAYAが無くても困らない。別に生活に支障をきたすような損失ではない。なのにTUTAYAが無くなってから僕の生活は味気ないもとなった。TUTAYAが僕の住んでいる街でこなしていた役割、もっと大

      • 『阿保の一幕』 短編小説

        殺す。綺麗に透き通った山の空気を肺に入れた後のような、程度の低い快楽とは異なる汚れの一切ない恍惚感に包まれて私はkを殺すことにした。kは悪人なのだ。kの一番の罪は自身の罪を自覚していないことだ。これは最も恐ろしいことであり、最も幸福なことでもある。私はkに対して怨念や悪意を持って殺すのではない。ある意味で私はkを殺すとによってkを救うのだ。人を殺すことは悪、つまり罪だと多くの人は考えるのだろうが私はそう思わない。その理論なら、人助けをする人は善人になる。物事はそう簡単には出来

        • 癖 短編小説

           九月の初旬、夏の暑さは八月から変わらず、気温も日常も変わらないことに私は少しの苛立ちを覚えていた。商店街をあてもなく歩いていると通りかかった小さな女の子は私の腕を指しながら 「お姉さんの腕白いね」とお母さんに告げ口した。私は咄嗟にその子のお母さんを見てしまったので目があった。困惑した表情をするお母さんを見て、視線を女の子に移すと純粋な目がそこにはあった。何か言わないといけないといけないが相手は小学生くらいの子供だ。言い返す訳ではない、変な空気にならないよう何か言おうと思った

        カレーの匂い 短編

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        • 日記みたいなエッセイみたい
          2本
        • 16本

        記事

          正式

          今朝、飲んだコーヒーが口に纏わりついて離れない。口の中を洗い流したい思うけど電車の中にいてはどうすることもできず僕はただ電車が停車するのを待っていた。小田急線のアナウンスは海老名に着くことを伝えている。一旦、降りて水でも買おうかと腰を上げようとしたたら横に座っていたおじさんが僕に向かって喋りかけてきた。  「人との付き合い方がわからないんだ。」おじさんが何か語り始めていた。見ず知らずの人間に急に話しかけるような人間だから、人との付き合い方が分からないんだよ。そんな感想しか出て

          喧騒

          ベッドフォンを外す耳から日常の声 自分の空間と他人の空間が重なると みんながひとりの音を叫んでいた

          西日 短編

          「僕は誠実な人なんですよ、なんだったら誠実だけが取り柄です」よくそんなでたらめを言えるなと彩は感心させられた。新宿駅近くのイタリアン店でそう豪語する彼は目の前のピザを綺麗な手で口に運ぶ。彼の年齢は二十六歳、ミディアムボムにセンターワケ年齢よりも下の世代で流行っている髪型を当たり前にしている。それに対して私は少しでも大人ぽっくしたくて、我慢してショートカットにしている。本当はウルフカットにしてみたいでも、この年でウルフカットと周りに思われるのが怖い。私と同じ二十六歳にはとても思

          西日 短編

          なんでも

          半狂乱は一人ぼっち 狂乱は何人兄弟? 私は一人っ子

          なんでも

          同じ形のなにか 詩

          11月の小田急線 輪を作る高校生  僕は一つ歳をとった 小田急線快速急行は 相変わらず新宿行き

          同じ形のなにか 詩

          生き物 

           よく晴れた四月に歩くと今いる僕たちは本物なんだって気づく。  舞う桜は神社を包み込み花見をする人に幸せを贈る。  独りで眺める僕は本物なんだけど、五月になったら僕たちは本物じゃない。  この桜の花びらの中にどれくらい本物の桜があるのだろう。  一つもないかもしれない。  それなのに、綺麗だと思う。  僕たちは本物とか綺麗っていうのを追いかけ過ぎたんだと後悔して、忘れてニセモノとして、ひたすら本物を追いかける。

          生き物 

          未定 1 小説

           一年後に死ぬ。こんなことを言われて信じる程、馬鹿ではない。今までしっかりと真っ当な生き方をしてきた、持病があるわけでもないし。でも、目の前の男は一年後に死ぬとはっきり言った。  スーツを着て、堂々と目の前に立つ姿は仕事のできる銀行員のようで騙されまいと思っていても気づいたら騙されてしまう詐欺師と対面しているようだった。「これから一年間あなたの監視役として勤めます」そんなことを言って彼と僕の生活が始まった。

          未定 1 小説

          壊れた木に擦り切れた傷の跡 癒しの花粉舞ってきて 惜しみつつ冬の別れ

          三月の想い 短編小説

           等間隔に並んだ電柱は人工物。百年、二百年、三百年と経てば歴史の一つになる。私の思いはきっと歴史にならない。「あぁ、悲しいなぁ」人の想いは永遠だと誰かが言っているのを嘘だと最近思ってる。私が彼に最後の連絡をして、一週間が経とうとしている。彼から連絡は一向に来る気配はない。この想いは歴史にならず消えていく。歴史は残酷だ。三月の夜の空、一人想った。

          三月の想い 短編小説

          短歌

          白姫の 息白し恋 追いかけて 恋焦がれるは 冬夕焼け雲

          遠くからあなたへ 短編小説

           ニルは工場でいつもの人形を創る。天辺が丸くて腕が二個、足が二個あり胴体がある。ニル達、人類とは違う形をしている。横からオプターがやってきて「頑張ってんじゃん」とニルを茶化す。ニルは「三個上手くいかなかった」と暗い顔で言う。オプターは気にすんなと彼を励まし、「十個創って一個上手くいけば上出来だ」とニルと自分にも暗示をかけるように言った。ニルは失敗した三個の人形をもう一度みた。そうすると、「運動神経悪い」「頭が悪い」「コミュニケーション能力低い」と書かれたシールが貼られていた。

          遠くからあなたへ 短編小説

          find me 短編小説

           美花は下校中、怪人を見てしまった。  神奈川県の髭海市は山を中心として静かでとてもうるさい。バイクが昼夜問わず走っている。バイクはお父さんも乗ってるから嫌いじゃなかったけどこんだけうるさいと流石に鬱陶しい。バイクばっかのこの街で怪人はライダーに激写された。激写された怪人は背は小学四年生の私とあまり変わらない。百四十センチくらいの小さな体だけど皮膚はティラノザウルスのようで顔面はブルドックだった。気持ち悪いけどなんにも危害を与えないからライダーになめられていた。ライダー達は

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