おひとりさま、さまさま
飲食店でどう過ごすかは、その人の自由だ。2人でいけば、それなりに会話もあるし、必要なことを確認したり、あるいは商談のような場合もあるかも知れない。
3人4人となれば、ランチタイムはうるさくなりすぎないように会話に花を咲かせるのが一般的だ。
さて、ひとり客はどうしているのだろう。スマホを熱心に見つめている人もいるだろうが、多くの人は声や音を聞いているはずだ。自分がしゃべりさえしなければ、否が応でも耳に入ってくる”店の音”がある。
僕自身、ランチで飲食店を利用する時にはひとりが多い。むしろ、誰かと食べにいっていたことがある方が格段に少ない。近所の飲食店を開拓するのも、職場が変わった時の楽しみでもある。
おひとりさまだって客なんですけど・・と思ってしまう場面は、実はある。これがきっと二人だったりしたら経験しなくても良かったんだろうなぁなんて思う、ちょっと残念な体験というのが、”おひとりさま”時間にはあったりするのではないかと思う。
カミーノさんの投稿にあるように、雰囲気を悪くしてしまう会話や、店員同士の馴れ馴れしい会話も苦手だけれど、僕は何度か遭遇するのは、厨房から聞こえてきた「残念なことば」だったりする。
自慢ではないが、僕は耳が良い方だと思う。
とあるステーキ屋さんに行った時のこと。その店は前日に注文するというシステムで来店時には予約し、前日にHPで見たメニューを予約していた。
当日、ランチタイムの限られた時間に合わせて準備してくれ、パンかライスを選ぶ段になって、ライスを注文した。それが厨房に伝えられると、中からご主人と思われる男性の声がした。
「パンじゃねーのかよ!」
実はそのお店は、仲良しの農家さんが野菜を卸している店だったので、サラダを食べに来ていたのだ。金額的にも奮発しステーキを食べようとしていた気持ちが、信じられないほどに萎んでしまった。
「パンじゃなくて、ご迷惑でしたか?それなら、パンでも大丈夫です」
と伝えようとも思ったけれどやめておいた。粛々と食べて、支払いを済ませて帰った。もう行かないだろう。
ほかのお店でも、僕の注文が告げられた厨房から「ったく、めんどくせーメニュー頼むんじゃねぇよ」と聞こえてきたことがあり、とても美味しいお店だったが、もう行けなくなってしまった。
ひとりの場合、カウンターに座ることが多く、厨房の会話が丸聞こえな時も多い。
反対に、おひとりさまの僕をちゃんと接客してくれるお店もあって、そういうお店は何度も通いたいのだが、職場が異動してしまって通えなくなってしまったりするのだ。
かなり前のことだけれど、同僚から「おすすめのランチのお店教えて」と言われて、あれこれ教えてあげた。
後日「こんなにお店があって、どうやってあんなにいい雰囲気のお店見つけてるんですか?」と聞かれ、「勉強代だと思って、とにかくひとりでご飯食べることですね」と伝えたことを思い出した。
常々、お客もまた店の雰囲気を作る存在であると思っている。またきて欲しい、と思ってもらえる客になれるように、かなり背伸びをしている気もする。
ひとりでお店に入ると、分かることが結構ある。
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