褒めてくれる先生
子どもの習い事、我が家は試行錯誤しています。
というのも、やりたい!と言って始めたことでも、少し経つと、あまり行きたがらなくなるのです。時間に間に合わせようと、宥めすかして向かうのも、ストレスがかかりますし。
我が家は、1年間はやってみよう精神で、習い事を検討しています。
子が、習っていたピアノをやめ、次に通い始めたのは絵画教室でした。
教室・・と言っても、公民館の一室を借りて、その時間内にひたすら絵を描くという場所でした。
事前に調べてみた街なかの専門的な教室は、距離も遠く、送迎の必要があり、受講料もなかなかのもの。
そこで地域でも、同じようなことをしているのでは・・と考えて、妻からママ友に聞いてみたら、子どもたちのための教室があると教えてもらえたのでした。
なんという偶然。枠が空いていて、参加もすんなり・・ありがたや・・!
公民館に集まって活動していて、モチーフの指定や課題などもなく、何を描いてもいいのです。コンテストに出すのも自由。画材だって、原則何を使っても良いらしく。いい意味でゆるくて、ちょっとホッとしました。
教えてくれる先生は皆の間を縫うように歩いて、その絵を見てアドバイスをくれるのです。
だから、教室というよりも創作のための場所に集まっている感じ。反面で、子どもが自分なりに目標を持たなければ、ぼんやりとした時間を過ごすことになってしまう場所でもありますが。
初参加の時に同行していた妻も驚いていたし、続いて同行した僕も感じたことは、講師の先生が、・・すごい。
とにかく、描いている絵を褒めてくれるのです。
かわいい絵ねぇー
絵が好きなのねぇー
きれい!
たくさん描いたわねぇー
すてきな色!
面白い絵ねぇー
子は、海の中で海に暮らす生物たちがパーティをしている様子を描いていました。初めは、頭の中にあるイメージだけで描いていた生物たちでしたが、すぐにネタ切れになってしまいました。
大きな紙面を埋めるべく、図書館で図鑑を借りてきて、見本となる写真を探して、絵の中に描き込んでいたのです。
僕は、絵の中に群れを描くことを提案しました。単体で泳ぐものだけでなく、群れもまた海の中での独特の風景だと思ったのです。
それを受けて、子はマイワシのページにあった、群れで泳ぐ魚たちの写真を見ながら、絵の中に小さな魚をいくつも描き込み、それをさまざまな色で塗ったのです。
その色とりどりのマイワシの群れの絵を見た先生は、「いいわねぇー、輪になって泳いでるのねぇー、すてきな色ねぇー、細かく描いたのねぇー」と褒めてくれました。悪い気がしないので、子もなんとなく嬉しそう。
不意に、先生の視線が画用紙から外れ、僕に向けられました。
「お父さんも、何か描かれますか?」
そんなことを聞かれると思っていなかったので、美術に関する経歴のようなものを聞かれているのか、それともこの場で何かを描いてみるかと問われているのか判断がつかずに、あわあわしてしまったのです。
「え、あ、いやいや・・私は描かないです・・」
子どもの教室の付き添いに来ているのだから、自分が何かを描いてみようなんて微塵も考えていなかったのです。そして、先生の反応に驚かされました。
「まあ・・、かわいいお父さんねぇー・・」
・・!・・初めて他人に”かわいい”って言われた気がする(笑)。40歳のおじさんなのに。
びっくりしすぎて、苦笑いしてしまいました・・まさか自分が褒められるなんて(褒めてないか)。
子が描いている時間に、僕も何かしていいのだったら、少しずつでも絵の練習をするのもいいかも知れないなぁ・・なんて思い始めています。
褒められるって、やっぱり嬉しいものですね。
習い事だからと肩肘張らずに、みんなで描いている感じ、楽しそうです。
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